2017年05月02日

降圧目標は、後期高齢者は、150/90未満でよいと一部緩和された。128以下に下げた高齢者が、9カ月内に認知機能を低下させたため。

「秋下雅弘著:高齢者の賢い薬の飲み方・減らし方、學士會会報No.918(2016-III)」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.日本社会は急速に高齢化しているが、日本人自体は昭和の頃に比べて若返っている。ます。「サザエさん」の波平さんとフネさんは54歳と52歳。。現在の60代は、彼らよりずっと若い。2015年、日本老年学会は、「日本の高齢者は5〜10歳若返っている」と発表した。身体機能、認知機能、だけではなく、脳卒中、肺炎、骨折、癌、など高齢になるほど罹りやすい疾患も、受診率は20年前から減少している。
2.イギリスの医学雑誌によれば、日本人は長寿なだけではなく、健康寿命の面でも世界一である。現在の、65歳以上を「高齢者」と呼ぷのは適切でなく、75歳以上に限定してもよい。単に医学的な問題に留まらず、年金支給、定年などの社会制度とも関わるので、社会的合意が必要である。高齢になるほど個人差が広がるので、一律に年齢で分けるのは困難だが、65五歳以上を「前期高齢者」、75歳以上を「後期高齢者」と分けることは医学的に合理的である。前者の要介護認定率は4%だが、後者は30%超だからである。
3.薬物有害事象は年齢が上がるほど増加し、後期高齢者では15%超である。高齢者緊急入院の3〜6%は薬物が原因とされている。高齢になる程、副作用が発生しやすい。薬を飲むのは、リスクを上回る効果が見込める場合のみにすべきである。薬の副作用というと、アレルギー、薬疹、薬剤性の肝障害や腎障害を思い浮かぶが、高齢者の場合、薬の効き過ぎが多い。降圧剤で血圧が下がり過ぎた、糖尿の薬で血糖値が下がり過ぎて意識を失った、などである。
4.高齢者に薬物有害事象が多い理由は、多くの高齢者は慢性疾患を含む複数の疾患を抱えており、多くの診療科にかかり、多くの薬を処方され、多剤服用が薬の副作用の発生リ
スクを高めている。しかも、同じ疾患でも若い世代とは症状が異なり、誤診と誤投薬が起こりやすい。
5.社会的要因もあり、経済的に困窮した高齢者が適切な医療を受けられず、投薬中断を余儀なくされているケースが増えている。高齢者は認知機能、視力、聴力が低下し、薬を飲み忘れたり飲み問違えたりしやすい上に、感覚が鈍化しているので症状の発現が遅れ、副作用が重症化するまで気付かない例が多い。
6.臓器の機能低下のせいで薬物の過剰投与になっている高齢者も増えている。高血圧や糖尿などの慢性疾患の高齢者に対しては、若い人の半分〜4分の1から投与を始め、副作用に気を付けながら少しずつ増やすのが原則である。特に肝臓や腎臓の悪い高齢者には、若い人の処方量より少なくしなければならない。
7.疾患数は高齢になるほど増え、かかっている医療機関や診療科が多いほど処方薬も増え、1つの疾患につき、1.3剤の薬が処方されている。高齢患者と若年患者では、診療方法が異なる。高齢者は往々にして複数の疾患を患っているが、疾患ごとに個別に治療しても根本治療にならない。単なる合併でなく、症候とも複雑に絡み合っている。これを、老年症候群と言い、症状全体を包括的に捉えて、効果のある治療は施し、効果がない治療はしない、という選択を考える必要がある。
8.多くの高齢者は夜中に何度もトイレに起きる。男性なら前立腺肥大を真っ先に疑い、泌尿器科の受診を考えるが、高齢者の場合、他の原因も考えられる。血液をサラサラにするために寝る前にコップ一杯の水を飲む人がいる。夏場はいいが、冬場にやると夜間頻尿の原因になる。夜中に何度も目を覚ませば血圧が上がるので、朝方に高血圧から脳卒中を起こしやすくなる。
9.高齢者の飲む薬には、「エビデンスはないが、一応使っておこう」という理由で処方されている薬が多い。多くの高齢者がしびれを訴えるが、しびれに良く効く薬はない。仕方ないので、ビタミンB12が処方されるが、脚気の人以外には効かない。悪さもしないが、こういう薬をやめるのが、多剤併用を避ける第一歩である。
10.筋肉の凝りは緩めるべきだが、高齢者の場合、筋力が低下し、転倒や階段の昇降困難に繋がる。認知機能を低下させる薬、特に、抗コリン薬の継続的服用は危険である。これは「アセチルコリン」という神経伝達物質の働きを抑制する薬だが、神経伝達が鈍ると、認知症の発症リスクが高まる。抗コリン薬の服用量が多いほど、アルツハイマー型などの認知症になりやすい。
11.最近まで最も使われていたのは、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬だが、この薬は転倒、せん妄、認知機能の低下などの副作用が問題になる。近年新たに登場した非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬へ切り替えていくべきである。
12.2014年、日本高血圧学会は「高血圧治療ガイドライン」を改訂した。従来、治療対象は一律に「140/90以上の患者」だったが、高齢者については個別に判断する、と改訂された。降圧目標についても、後期高齢者については、150/90未満でよい、とするなど、一部緩和した。改訂の背景には、降圧剤によって血圧を128以下に下げた高齢者の多くが、その後9カ月のうちに認知機能を低下させた、という調査結果がある。


yuji5327 at 07:07 
健康 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
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