2017年05月03日

世界の60%の人々が世界所得の6%で暮らしている。世界人口の半分の人々は1日2ドルで暮らしている。1億人を超す人々が1日1ドル未満で暮らしている。これでは平和にならない。

「ムハマド・ユヌス著、猪熊弘子訳:
貧困のない世界を創る
ムハマド・ユヌス
早川書房
2008-10-24

貧困のない世界を創る、ソーシャル・ビジネスと新しい資本主義、早川書房、2008年10月」は参考になる。著者は2006年にノーベル賞を受賞したことで有名である。ノーベル平和賞受賞記念講演の内容をまとめた「エピローグ:貧困は平和への脅威である」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.著者は一番感動しているのは、ノーベル平和賞が発表されて以来、バングラデシュの村々のグラミン銀行(著者が創立した貧しい人のための銀行)の借り手からほぼ毎日のようにかかってくる電話だった。彼らはただ、この賞を受けることがいかに誇らしいかを言うために、わざわざ電話をかけてくれた。
2.ノルウェーのノーベル委員会は、平和と貧困とは密接な関係があるという説を支持してくれた。貧困は平和への脅威である。世界の所得配分は、94%の世界の所得は世界の40%グラミン銀行の借り手であり、同時に出資者でもある。今年度の賞は、日々、生活を営み、子どもたちによりよい生活への希望をもたらそうと闘っている世界中の女性たちに誇りと尊厳を与えた。
3.世界の60%の人々が世界所得のわずか6%で暮らしている。世界人口の半分にあたる人々は1日2ドルで暮らしている。1億人を超す人々がわずか1日1ドル未満で暮らしている。これでは平和はもたらされない。
4.9・11テロが起きてイラク戦争が始まり、世界の指導者たちの注意は、貧困との戦いからテロとの戦いへと移ってしまった。以来、合衆国だけでも5300億ドルものお金がイラクとの戦いに費やされた。テロは、軍事行動ではなくらない。テロが永遠になくなるよう、その根本的な原因に取り組まなくてはならない。貧しい人々の生活を向上させるための投資は、そのお金で銃器を買うよりも、よい戦略である。
4.1974年、著者はバングラデシュの恐ろしい飢餓の現状に背を向けたまま、大学の教室でエレガントな経済学の理論を教えることは難しいと気づいた。圧倒的な飢えと貧困に直面して、机上の理論に虚しさを感じた。
5.平和は、不当な経済的、社会的、政治的秩序、民主主義の不在、環境の悪化、人権の不在などに脅かされる。貧困は人権の不在に繋がる。惨めな貧困によって引き起こされたフラストレーション、敵意、そして怒りがあると、平和を維持することができない。安定的な平和を構築するためには、あらゆる人々に世間並みの生活を提供する方法を見つけなければならない。
6.貧しい村のある女性が、金貸しから僅か1ドルを借りたとき、彼女が作った品々は、すべて金貸しが独占的に言い値で買い取るという条件付きだった。奴隷労働を勧誘する方法にしか思えない。著者は、この金貸し「ビジネス」の犠牲者たちのリストを作った。リストには、総額27ドルを借りている、42人の被害者の名が挙がった。金貸しの魔の手から被害者たちを逃すため、著者はその27ドルを私財から出すことを申し出た。そんなわずかなお金で多くの人を幸せにできるのだとしたら、そうしないわけにはいかないと思った。7.最初に著者がしたのは、大学の中にある銀行に、貧しい人々にお金を貸すよう説得することだったが、うまくいかなかった。銀行は、貧しい人々は信用できない、という。数カ月後には、著者は貧しい人々の連帯保証人になった。その結果に驚かされた。貧しい人々はいつも期限までに借金を返したのである。しかし、既存の銀行は、そのプログラムに協力せず、著者は引き続き困難に直面し続けたので、貧しい人々のための銀行を別に創設することを決め、1983年にそれを実現することに成功し、それをグラミン銀行、つまり「村の銀行」と名付けた。
8.今日、グラミン銀行は、バングラデシュの73000の村において、女性が97%を占める約700万人の貧しい人々への融資を行なっている。グラミン銀行では貧しい人々に対して、担保不要な収入を生み出すためのローン、住宅ローン、学生ローン、そしてマイクロ企業向けローンを提供している。また、多くの魅力的な貯蓄口座や年金基金、保険商品をメンバーに提供している。
9.1984年に住宅ローンを導入して以来、64万戸もの家が建った。それらの家の法的な所有者は、借り手の女性たちで、女性に資金を融資することによって、その家族に常に最大限の利益が与えられることがわかった。開設以来、銀行では総額6億ドル相当もの融資を行なってきた。返済率は99%を超え、グラミン銀行は常に利益を上げ続けている。財務的にも自立しており、1995年以来、寄贈者からの資金も受け取っていない。グラミン銀行の預金と自己資金は、今日では融資総高の143%の額になっている。借り手の58%は貧困線を乗り越えている。
10.著者たちが活動を始めて以来、30年の月日が経ち、この間、借り手の子どもたちが著者たちの活動によってどれほどの影響を受けているかを、見守り続けている。借り手である女性たちは常に子どもを優先順位の最上位に置いている。
11.著者たちが定めた「16力条の決意」の一つに、「子どもを学校に入れる」というものがある。グラミン銀行は彼らを励まし、ほどなく、すべての子どもたちが学校に通うようになり、そういった子どもたちの多くがクラスの成績上位者を占めた。著者らは喜び、優秀な子どもたちに奨学金を導入することにした。グラミン銀行では、現在では毎年3万人への奨学金を与え、多くは、医師や技術者、大学の教授、あるいはその他の専門家になるための高等教育を受けた。
12.このアイデアは、ジョブラ村というバングラデシュの小さな村で始まったものであり、世界に広まっている。今日では、ほぼすべての国にグラミンと同じタイプのプログラムがある。バングラデシュではすでに80%の貧しい人々にマイクロクレジットが行き届いている。


yuji5327 at 06:33 
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
(平成28年度、国立新美術館にて開催)
・読売書法展(8月開催、現在理事)
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