2017年05月05日

望遠鏡は大きいほど、多くの光を集め細かいところまで分解できる。プエルトリコの世界最大の直径は305m、日本の長野県・野辺山は直径45m。

「須藤靖著(東大教授):ALMA、チリの高原から冷たい宇宙を見る、
エコノミスト、2015.5.10」は面白い。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.天文観測においてもっとも邪魔になるのは大気中の分子(特に水蒸気)である。したがって、天文学に適した場所は人間が住みにくい。大気圏外に打ち上げた望遠鏡を用いる場合が多い。地上の場合でも、標高4200mのハワイのマウナケア山頂や南極などの環境下での観測が要求される。
2.アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計は、東アジア(日本、韓国、台湾)、北米(米国とカナダ)、ヨーロッパが共同で標高約5000mの南米チリ、アタカマ高原に建設した望遠鏡で.人間の目には見えない波長0.3mmから10mmの範囲の電波(ミリ波、サブミリ波帯と呼ぶ)で観測する。
3.ALMAは、直径12mのアンテナを50台組み合わせた望遠鏡群、直径12mのアンテナ4台と7mのアンテナ12台からなるアタカマコンパクトアレイの2つ、計66台のアンテナからなる巨大電波干渉計である。観測天体に応じて、アンテナ問の距離は150mから16kmまでの範囲で調整できる。実質的に直径16kmをもつ望遠鏡として運用できるので、直径12mのアンテナ1台に比べると、1000倍以上の分解能が向上する。
4.電波で見るとこのガスの内部まで見通すことができる。人間の視力に換算すると何と2000に対応する。重力で集まったガスやダストの雲は、角運動量を保存するために球形ではなく2次元の円盤状に収縮する。この円盤の中心に星が誕生し、その後その周りの円盤内で惑星が誕生する。
5.太陽の光が可視域であるので、すばる望遠鏡などの一般的な可視光望遠鏡は中間の波長で、通常の星やその集まりである銀河の観測に威力を発揮する。それに対して、ブラックホールや銀河団などの「熱い」天体は波長の短いX線やγ線を、星間物質や原始星のような「冷たい」天体は波長の長い電波を主として放射する。ALMAは、宇宙初期にある誕生直後の銀河、星や惑星の形成現場、さらには生命の起源に関係する星間物質のなかの有機分子などの観測を得意とする。
6.望遠鏡は大きければ大きいほど、多くの光を集めるとともに細かいところまで分解できる。電波は波長が長いために、大きな望遠鏡が必要となる。例えば、プエルトリコにある世界最大の電波望遠鏡の直径は305mである。日本の長野県・野辺山にある電波望遠鏡は直径45mである。
7.複数の望遠鏡群を組み合わせて一つの巨大望遠鏡にするのが電波干渉計である。この原理を発見した英国のマーティン・ライルは1974年のノーベル物理学賞を受けてた。同じ時刻に発せられた電波は、地球上の異なる場所には、ごくわずかではあるが異なる時刻に到達する。この時刻差を精密に観測し、一つの天体のなかの異なる場所からくる電波を区別できる。望遠鏡をなるべく距離をあけて配置する必要があるが、システムとして運用するのために、望遠鏡の数と相互の距離には限界がある。



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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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