2017年05月11日

パナマ文書で露見したタックスヘイブン問題は、大英帝国の遣産に原点がある。英国の海外領土であるケイマン諸島や英領バージン諸島など、19世紀に全盛期の大英帝国の地域が多い。

「中尾茂夫(明治学院大学教授)著:歴史から見る大英帝国の遺産 米中マネーの交差点に、タックスヘイブン(租税回避地)には、英国の海外領土や旧植民地が多い。それはロンドンの金融史そのものであり、だからこそパナマ文書の衝撃は大きい。
エコノミスト、2016.5.24」
参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.パナマ文書で露見したタックスヘイブン問題は、大英帝国の遣産に原点がある。英国の海外領土であるケイマン諸島や英領バージン諸島、バミューダなど、19世紀に全盛期を迎えた大英帝国に関わる諸地域・諸島が多い。ケイマンの最高権力者は、英国国王に任命された総督であり、同諸島の最終審裁判所はロンドンにある枢密院である。
2.タックスヘイブンの利用法の多くは、同地に設立する名義会社(ペーバーカンパニー)経由であり、肝心の貸借は、ロンドンがその中枢を担う。タックスヘイブンを仲介するとはいえ、実際にはロンドンで世界の巨大なマネーが国境を越える。
3.タックスヘイブンで取引される通貨はドルである。ドルの国際決済機能は、在米商業銀行に置かれたドル預金口座の振り替えだが、貸借行為はドルの非発行国でも可能である。これが米国以外の金融市場で取引されるドル市場「ユーロダラー」であり、ロンドンは世界中のタックスヘイブンをつなぐユーロダラーの中心に座る。
4.英国は、戦後の国際通貨体制を決めたブレトンウッズ体制の下、基軸通貨の地位こそドルに譲ったものの、そのドルを自由に貸借することで、ロンドンの国際金融市場としての地位を維持してきた。ロンドンでのドル取引は、モスクワ・ナロードニ銀行が1957年、米国に置いていたドル預金を、冷戦の深刻化によって差し押さえられる危険性を恐れ、ドル建てのままロンドンに移したことだと言われる。60年代には、金融規制の厳しい米国を脱したドル取引がロンドンの競争刀を高めた。
5.ロンドンは国際取引ではポンドを捨て、ドルに乗り換えることによって、欧州への進出を狙う米系多国籍企業の思惑(ドル需要とドル運用)とも一致し、さらに、ドルでつかんだ取引需要(ユーロダラー)を独マルク(ユーロマルク)や円(ユーロ円)に援用することによって、ますますロンドン金融市場の地位を高めていった。
6.ロンドンの金融機関は、旧植民地をグローバルに広がるタックスヘイブン網を作り上げ、情報網も操りながら英国の金融パワーを演出してきた。ケイマン詔島のタックスヘイブン設立は67年。ケイマンドルがドルに固定されたのは74年。米東部と時差がないカリブ海の位置も米国マネーを取り人れるために優位に働いた.
7.多国籍企業が、非課税のタックスヘイブンを経由させるのは当然で、統計上は海外貿易に分類されても、その多くを本支店間取引のような同一企業内部の企業内取引で行っている以上、価格は通常の市場取引ではなく、恣意的に言い値で操作できるからである。
8.アジアでは中国経済の急成長が顕著になるなか、香港は、欧米の金融機関が中国マネーを取り込む重要な場所となった。同時に、中国国営企業が、民営化による新規株式公開)によって世界のマネーを調達する場所でもあった。そのキープレーヤーとなったのが、香港最大の商業銀行であるHSBC〔香港上海銀行〕である。
9.HSBCは92年に英4大銀行の一角ミッドランド銀行を買収し、米シティグループと並ぶ世界最大級の巨大金融コングロマリットになった。その規模は、71カ国に6000店舗、4700万人の顧客、従業員数25万7000人を擁する。
10.HSBCは、タックスヘイプンの最前線で、税逃れの巧みなテクニックやマネーロンダリングを行う合法・非合法の顧客が多く関与する銀行でもある。同行は、米国政府から凍結命令が出たイラン保有口座を使った原油取引のドル決済、あるいはメキシコの麻薬取引のドル決済でも、不正取引の疑惑を掛けられた。2012年12月に、米司法省から約2000億円という過去最大の罰全刑を受けた。
11.英国は、戦後ドル体制下にあっても、「非公式帝国」として健在ぶりを示してきた。今回のパナマ文書では前キャメロン首相も自身の問題で世間から攻撃を受けている。ロンドンのダックスヘイプン戦略がパナマ文言の影響でどう変わるのか。戦後の英国金融史を揺るがす大問題である。




yuji5327 at 06:42 
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
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○作品展の開催
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