2017年05月17日

アメリカが急にサウジアラビアに冷たくなったのは、アメリカが世界一の産油国になったから。シェールオイルが大量に生産でき、サウジの石油に頼らなくてよくなった。

「池上彰著:
知らないと恥をかく世界の大問題7、Gゼロ時代の新しい帝国主義、KADOKAWA、2016年5月10日」は参考になる。「プロローグ 新しい帝国主義時代の到来」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.アメリカがイランと急接近すると心穏やかではないのはサウジアラビアである。サウジアラビアは、イランとの関係を見直してほしい、とアメリカに申し入れたが、アメリカは聞く耳を持たなかった。スンニ派の大国サウジアラビアはいつも、シーア派の大国イランを恐れている。国防予算はサウジアラビアのほうが多いのに、兵力はイランのほうがかなり多い。サウジアラビアは過去に戦争経験がないが、イランはイラクと8年にわたって戦争をしている。経験もイランのほうが上である。
2.サウジアラビアは2016年に入って、イランとの国交を断絶した。サウジアラビアは、アメリカに「サウジをとるか、イランをとるか」とメッセージを送っている。アメリカが急にサウジアラビアに冷たくなったのは、アメリカが世界一の産油国になったからである。シェールオイルが大量に生産できるようになり、サウジの石油に頼らなくてよくなり、以前よりもサウジアラビアの重要性が下がった。
3.サウジアラビアは、ロシアとの接近を図った。副皇太子のムハンマド・ビン・サルマンがロシアを訪問し、原子力平和利用分野における2国間協力協定に調印した。平和利用と言うが、核の開発に限りなく近い準備を、ロシアの協力を得てやっていく決意があらわれている。パキスタンは核保有国だが、これはサウジアラビアが資金援助してつくった。4.イランが核を保有するや否や、パキスタンからサウジアラビアに核を移転する秘密協定を結んでいるらしい。今後、核の拡散が起きる危険性が極めて高くなっている。さらに「自称イスラム国VSイラン革命防衛隊」という構造と、「サウジ対イラン」の構造が結びついたら大変である。過去の中束戦争はすべてイスラエルがからんでいたが、今回はイスラエル抜きの第5次中東戦争に発展する可能性がある。
5.サウジアラビアとイランは昔から仲が悪かったわけではない。東西冷戦時代は、資本主義のアメリカチームと、社会主義のソ連チームに分かれ、対立していた。アメリカとソ連は、お互いが対立するために、いろいろな国を自分の陣営に引き込んだ。アメリカは中東を味方につけようと、イランとサウジの仲を取り持ち、イランとサウジはいい関係を築いた。
6.1979年のイラン・イスラム革命で事情が変わった。それまでのイランはアメリカが連れてきた国王による独裁国家だった。こうした独裁や欧米化に反対したイスラム教徒が革命を起こし、ホメイニ師をトップに担いで、自分たちの新しい国をつくった。イランはイスラム教シーア派が治めるイスラム国家となった。
7.スンニ派大国のサウジアラビアは、危機感を持ち、イラン革命は王制を倒したので、王制のサウジアラビアとしては、革命が自国に飛び火することを恐れ、1988年には国交を断絶。中東全体でイランを封じ込めようとした。スンニ派の国々ではイランを目の仇にする構造が生まれ、イランは中東で孤立し、反米の国となる。
8.アメリカは、サウジアラビアが石油を売ってくれるので、サウジはいい子、イランは悪い子としたが、その後、事情が変わった。イラクのフセイン大統領が、中東の覇権を握ろうと、革命で混乱するイランに攻め込み、「イラン・イラク戦争」を起こした。フセインは、シーア派が勢力を伸ばすイランをアラブの国々は恐れているので、アラブの国々はみんな支援してくれるだろうと思っていた。
9.イランの中には、ホメイニ師のような原理主義者もいれば、イランを共産主義の国にしようという共産党員もいた。パーレビ国王追放の一点で協力し、王制をひっくり返したが、その後の政権を誰が担うかで内輪もめの状態になっていた。
10.フセインはイランに攻め込んだ。これで、イラン国内は自国防衛のために団結した。イラン・イスラム革命は成功し、イラクと対決。この戦争は8年間(1980〜1988年)も続き、イラ・イラ戦争と呼ぼれ、どちらも決定打を打ち出せず、停戦を迎えた。イラクがイランを攻撃しなけれぼ、イランは大混乱が続いていたのかもしれない。フセインが攻撃したことでイランがまとまり、イラン革命が成立した。
12.フセインは、1990年8月、クウェートに侵攻した。戦争をしたためにイラクは大きな借金を抱えた。イラクのすぐ横にはクウェートというお金持ちの国がある。もともとオスマン帝国時代はひとつだったのに、イギリスが勝手に線を引いてできた国がクウェートである。クウェートはもともとイラクの一部だと思っていたフセインは、莫大な財産と石油を自分のものにしようとクウェートに攻め込んだ。
13.この行動に対し、アメリカを中心とした多国籍軍がイラクを攻撃した。これが1991年の湾岸戦争です。このとき、イランとサウジも、同じ中東の国としてフセインを封じ込めなければと、一時は国交を回復した。イラクという共通の敵を持つことで手を組んだ。14.2002年、イランが秘密裏に核開発をしていたことが発覚し、またしても関係が悪化した。そんな中、起きたのがアラブの春をきっかけに、関係はさらに悪化した。サウジアラビアのペルシャ湾岸沿いの石油が出るところに、一部シーア派が住んでいて、彼らが民主化運動を始めたからである。サウジアラビアは、シーア派が国内を混乱させようとしたと考え、これを弾圧し、ついにはシーア派の指導者を処刑し、2016年に入ってまたもや国交断絶となった。
15.イランの最高権力者は大統領でも首相でもない。トツプは「最高指導者」である。イラン革命をきっかけに、「最高指導者」が生まれた。イスラム教はスンニ派とシーア派に2分される。預言者ムハンマドが亡くなった後、誰をムハンマドの後継者=最高権威者にするかで分かれる。スンニ派は、最高指導者(カリフ)を、知識や誠実さがあり、イスラムの慣習を守る人なら誰でもかまわないと考える。シーア派は、ムハンマドの娘ファーティマとその夫でムハンマドのいとこのアリーの血を引いていなくては指導者の資格はないと考える。シーア派は、ムハンマドの血統を引き継ぐアリーを初代のイマーム(指導者)とする、として、スンニ派のカリフを認めなかった。


yuji5327 at 06:49 
エネルギー問題 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
(平成28年度、国立新美術館にて開催)
・読売書法展(8月開催、現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(3月開催、現在理事)
 春興賞の受賞:2回
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