2017年06月22日

中国が世界最大の風力発電王国となった。中国の2015年の新規導入風力発電容最は前年比で31.5%増の3050万kWとなり、世界全体の48.4%を占めるシェア1位である。

「富岡浩司著:新疆金風科技、世界最大の風力発電関連企業、
エコノミスト、2016.7.26」は参考になる。著者はアジア株アナリストである。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.新疆金風科技は世界最大の風力発電関連企業である。業績は絶好調で、2015年の売上高は前年70%増の4476億円、純利益は56%増の430億円となった。16年第1四半期の業績も56%増収、49%増益と高水準を維持している。メインビジネスは.風力発電設備製造と風力発電サービス、それに風力発電所の投資・運営の3大事業部門からなる。中でも、風力発電設備製造では圧倒的な規模を誇る。会社の性格は民閲企業に近い。1999年2月の設立時は新彊ウイグル自治区の地方国有企業が株式の9割を保有していたが、その後次第に割合が低下して、07年12月に深圳市場に上場する直前には国有企業の保有比率は4割まで下がった。
2.同社が急成.長したのは、中国が世界最大の風力発電王国となったことによる。中国の15年の新規導入風力発電容最は前年比で31.5%増の3050万kWとなり、世界全体の48.4%を占めるシェア1位である。また、15年末時点で中国の累積風力発電容星は1億4510万kWとなり、EU全体の1億4158万kWを超えて、世界1位となった。同社は、5年運続で発電容量国内シェア1位(15年19%⇒16年25%)を確保、2位との差を広げた。発電設備製造部門の今年の見通しも明るい。16年の発電設備の出荷目標を700万kWとし、国内シェア25〜30%と設定しているが、.第1四半期の売上高が56%増となり、通年べースで目標を突破するのは難しくない。
3.風力発電サービス部門は、同社が誇る高い技術をメンテナンスに生かす業務で、世界各地の風力発電所500カ所以上において約1万7000台の風力発電設備にメンテナンスなどのサービスを提供している。そのうち、約1万2000台の発軍設備は同社の監視システムと直結しており、何らかの異常や変化があれば同社センダーで即座に把握できる休制が整っている。
4.部門別の売上動向は発電設備製造が全体の90%を占め、残りは発電サービスが4%、発電所運営が5%となっている。粗利益率は発電設備製造が24%、サービスが11%、発電所運営が63%である。発電所運営からの利益が全体に占める割合が大きく伸びていくことが見.込まれる。技術開発にも力を入れ、発電設備製造では海上用や低風速でも十分稼働する高性能バージョンの開発、大型化も急いでいる。風力発電設備の大型化は世界的な潮流となっており、1台4000kWクラス以上の発電設備も生産販売している。15年には2000kW.以上の発電設備が全体の41%となり、14年の15%から格段に増えた。また、15年には3000kWクラスの製品投入に成功している。1500kWの発電機の回転翼の直径は66mあるが、3000kWでは90mになる。15年には6000kW.発電機の開発にも取り組み、、幾つかの開発特許を取得している。
5.同社を世界の風力発電企業に育て上げたのが、業界のカリスマ経営者と言われる武鋼董事長だ。87年12月に新疆風能に入社、01年に新彊金風科技の董事長に就任して規在に至る。15年末時点で個入としては最大株主となっている。武鋼氏は技術畑出身で、清華大学卒で新疆工学院の修士号を取得し、83~87年には新疆水利水電学校の教師を務めた経験もある、.武鋼氏は58年生まれだから、当面は次期指導者の育成に十分時問をかける余裕がある。11年には風力発電を専門に研究する金風大学を設立している。他の中国企業も専門人員育成学校や研修センターを設立しているが、それらとは異なる本格的な大学である。
6.同社にとって追い風は中国の再生エネルギー振興策である。新たな政策では20年時点の風力発電能力を2億500万kW に引き上げることを目標とし、これを実現するには風力発電設備の新規導人量の伸びを年率平均14%で持続する必要がある。また、水力以外の再生エネルギー(風力、太陽光、バイオ等)が中国全体の9%に引き上げる。
7.中国では「棄風限電」と言う現象がある。風力発電が盛んな地方は北部や西部の辺鄙なところが多く、電力需要が高くない。風力発電の買い取リコストは石炭火力などよりはるかに高いことから、送電会社はさまざまな理由をつけて、買い収りを拒否してきた。
8.中国では工業生産や固定資産投資の伸びが減速しており、電力需要自体が低迷している。今年1―5月の中国全体の電力消費は前年比2.7%増にとどまっている。こうしたなか、.再生エネルギー企業を過度に優遇するのは、既存の石炭火力や水力発電会社にとって経営の負担となり、国家全体のエネルギー政策に大きな矛盾をもたらすとの懸念が生じる。15年後半から香港の同社株価がさえないのは、市場が政策実現性を懐疑的に見ているといえる。




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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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