2017年06月23日

コミュニティに参加することが高齢の人にとって大事だと言われるが、コミュニティとは水のように淡々とした関係を保って、周囲に迷惑をかけないことが社会に対する貢献である。

「五木寛之著:
玄冬の門 (ベスト新書)
五木 寛之
ベストセラーズ
2016-06-09

玄冬の門、KKベストセラーズ、2016年7月」は参考になる。「第2章:孤独詩のすすめ」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.個人差はあるが、体の自由は、70〜80歳まではなんとかなる。1日も欠かさずきちんと会社に出て、勤勉に勤めた人が、突然グータラになって、ほっつき歩くのも、他人に迷惑をかけないならあり得る選択。問題なのは、高齢者のあいだでの格差が大き過ぎるということである。年金生活で悠々自適という人がいる一方で、好きなように生きるなど余裕のない人たちがたくさんいる。
2.孤独と言うよりは「自立」と言ったほうがよい。子供への相続などを考えるからダメで、90までに全部使い尽くして90過ぎたら、野垂れ死にでよい、という気にならないといけない。子孫のために美田を残さず、に徹する必要がある。
3.家族の絆から離れるという方法もある。遊行期の人には、社会とつながっていないといけないという意識も必要ない。コミュニティに参加することが高齢の人たちにとって大事なことのように言われるが、コミュニティとは水のように淡々とした関係を保って、まわりに迷惑をかけないことが一番の社会に対する貢献である。
4.これから先、イヤでも高齢者に対する風当たりが強くなってくる。社会とのつながりを断って、生活の中で楽しみを見つけていくことが遊行期の人にとっての一つの小さな冒険である。どんなに親切な家族でも、家族かいると自分の思うようには生活できない。みんなが食事を作っているのに、自分だけ別の食事を作るわけにもいかない。現役の家族が70、80になった入と生活のリズムを一緒にしようというのが間違いである。
5.NHKのラジオ深夜便で朝四時の番組をやっているが、高齢者は午後8時ぐらいに寝て午前3時ぐらいに目を覚ます人がいる。起き上がってゴソゴソしていると、家族から「おじいちゃん、うるさい」と言われるから、6時ぐらいまで布団の中で、目は覚めているのでイヤホンをつけてラジオを聴くということで、聴取率が高い。
6.一旦家族の絆から解放されて、独立して生活をやってみる必要がある。夫婦も、同じ1軒の家の中に住んでいても、ある年齢以降は別々に、勝手に生きるほうが本当はいい。共棲自立で、一緒に住んでいるけれども、生活のリズムその他、何時に起きるかも、お互い勝手にやる。
7.親鸞は62歳のときに京都へ出て、奥さんはついて来なかった。新潟の実家へ行ってしまった。親鴛が死ぬときも奥さんは立ち会っていない。それでも、理解し合える良い関係だったらしい。一般に、20代なり30代なりで結婚して家庭生活をもち、当分の間は、2人で共同して生きるということが良い時期があるが、ある時期に達すると、一緒にいても生活のペースがどこか違ってくる。それぞれがもっていた生来の個性が出てくる。乱暴な言い方だが、同じ家に住んでも、3日ぶりに顔を合わせても全然おかしくない。お小遣いも
別々にするほうがいい。
8.著者は昔から油のような人間関係は苦手だった。この人は友達になりそうな良い人だなと思ったときは、その人と密着しないが、年に何度か会う。君子の交わりは淡きこと水の如し、と言うが、油のような付き合いは、どこかで食い違い切れる。おじいちゃんはペースが違うから、ほっときますよ、と言われてもいい。配偶者の場合は、お互いが独立志向で、ときどきデートすればいい。自分で洗濯ぐらいすればいい。
9.いまここで問題にしているのは、自分で自分の面倒がみられる人たちの話で、独りで生きていけない、要介護でなければ生きていけない人は例外である。ある年齢に達すると、介護の問題は否応なく出てくる。
10.長いこと会社人間としての人間関係があって、友達もいるし、取引先もある。地縁、職縁が退職してなくなったときに、誰でも孤立感を覚えるらしいが、それを引きずっていけない。一回生まれ直したという決断が必要である。これからは本当に肩書きも何もない一人の自由人として生きるというのである。それからでも働きたい人に開かれている職場は、だいたいガードマンとか、職歴を活かすような仕事はない。


yuji5327 at 06:40 
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工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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