2017年07月05日

銀行は、未だに担保を重視し、手数料で稼ぐビジネスに執着している。このまま銀行が自己改革できなければ、フィンテック企業に淘汰される。

「大前研一著:日本の銀行を淘汰していくフィンテック革命の本質、週刊ポスト、2016.8.12」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.金融とIT(情報技術)を組み合わせた「フィンテック」の普及のための改正銀行法と、ビットコインなどの仮想通貨を規制する改正資金決済法が成立した。金融機関側でも三菱東京UFJ銀行が独自の仮想通貨を開発中など、フィンテックを駆使した新たな金融サービスが身近になりつつある。
2.「フィンテック」はファイナンスとテクノロジーを合わせた造語だが、単に金融分野にITを活用するのではなく、その本質は、送金、投資、決済、融資、預金、経理・会計といった従来のファイナンスのあらゆる領域をテクノロジーで見直し、これまで金融機関がやっていたことを金融機関ではない企業が奪うということである。
3.既存の金融機関にとって恐ろしい話で、アメリカでは、フィンテックは巨大な産業になり、金融業界におけるウーパーとも形容されている。たとえば、ビットコインに代表される仮想通貨の基盤技術である「ブロックチェーン」は、取引を、コンピユーターが記録することで人間の指紋のように複製や偽造ができなくなり、取引の正当性を保証する仕組みである。
4.そもそも、通貨も新しい技術とセットだった。石を通貨にした時代は丸くする技術。金貨や銀貨や銅貨は同じ大きさと重さと形で大量に作る技術。紙幣は偽札防止技術、が進化し、その価値を国家が保証することで決済のための交換媒体となった。
5.今度の仮想通貨は、ブロックチェーンという新技術によって紙幣よりも便利な)通貨の交換.・決済ができるようになった。例えば、クレジットカードは3〜4%の手数料を取られるが、クレジットカード利用者の中に支払い不能になる人がいるため、その回収コストや.不良債権になった時のコストが発生するからである。 また、店舗の端末からNTTデータのカード決済サービスと全国銀行デーダ通信システムを経由した個人口座へのアクセスにも高い手数料が必要になる。
6.ブロックチエーンで取引の証明ができて、複製や偽造が不可能な仮想通貨なら、全国銀行デーダ通信システムを経由せず、スマホやPCからのわずかなパケット料金だけで済むので、決済コストが著しく安くなる上、第三者ではなく個人個人が自分で自分の信用を証明できる。
7.要するに、国家や金融機関に頼ることなく、本人が信用を持ち歩ける。すでに海外では様々な金融分野でフィンテック企業が勃興している。たとえば、スマホを活用した手軽な決済支援・小口送金ができる「ペイパル」や「スクエア」などがある。
8.日本はまだ現金社会だが、海外では決済や送金などの電子化が拡大している。たとえばアフリカでは、ケニアで働いている息子がルワンダの母親に送金する場合、「バルティ・エアテル」という会社のモバイル決済サービスを使うと、携帯電話からプリペイドカードの金額分を簡単に送ることができる。
9.アメリカでは、電子家計簿を使い、サラリーマンは年度末に確定申告する時は会計士を使わずに電子決済で納税できる。さらに、資産運用分野では、ロボットアドバイザーによるデジタル資産運用サービスが急成長している。これまでは基本的に金持ちしか銀行や証券会社の資産運用サービスを利用できなかったが、今や資産が少ない人でもロボットアドバイザーを活用すれば、かなり的確なファイナンシャル・マネジメントが可能になった。
10.個人で信用創造をし、フィンテック商社ができたら、日本人のライフスタイルは変わる。銀行などの金融機関が、古いシステムに縛られて、ネット時代、デジタル時代になっても大半の業務で紙に印鑑を捺すペーパー中心のアナログ時代のやり方を続けている。顧客データベースから信用度を正確に把握できるはずなのに未だに担保を重視し、手数料で稼ぐビジネスに執着している。このまま銀行が自己改革できなければ、フィンテック企業に淘汰される。



yuji5327 at 06:33 
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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