2017年07月26日

約6割の消費者が健康食品を現在利用している。効果は期待するほどでないし、安全性は不明である。医薬品まがいの健康食品および宣伝方法は罪が大である。

「戸田紘子著:“セルフメディケーションと健康食品”考、學士會会報No920(2016-V)」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.2015年の健康食品推定市場は1兆5785億円である。市場は1980年代以降、健康テレビ番組やいわゆるメタボ検診などに押されて急速に成長し、2000年前後からはインターネット通販が大きな追い風となって年々増大の一途をたどり、一時減少傾向にあったものの2013年から再び伸び始めている。
2.そこに登場したのが「機能性表示食晶制度」(2015)である。機能性表示食品の2015年の市場見込みは303億円で、2016年はその2倍以上となる699億円に膨らむと予測される。この種の食品が売れる理由は、健康維持に良いとか。薬のように効くというより、業者の戦略にのせられているためである。消費者は、国の経済戦略であることには間違いないが、自分のこととして一度、考えてみる必要がある。
3.健康食品に関する単独の法律はないので、法律上の「健康食品」の定義もない。これまでは、「健康に良いと称して売られている食品」のように漠然ととらえられてきたが、2015年4月から食品区分が新しくなり、食品は保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品及び機能性表示食品)と一般食品に分かれた。従来のいわゆる健康食品の一部が機能性表示食品に移行し、残りは一般食品扱いとなっているが、世間的には保健機能食品と併せて「健康食品」と認識されている。
4.「食品には医薬品的な表示・表現が認められない」とする薬事法の規制を受けながらも、「健康食品」は売り上げを伸ばし続けてきた、新食品表示制度によって事実上薬事法のしばりから解き放たれ、セルフメディケーションの中で「健康食品」とつきあいかたが重要なポイントとなる。
5.薬事法上の医薬品の定義にしたがえば、人体に対する機能性を持つものは「医薬品」である。しかし、2001年に導入された特定保健用食品(トクホ)制度では、限定的ではあるが食品のままで機能性の表示を認めた。医薬品と食品との区別は「医薬品の範囲に関する基準」に基づいて判断されることになっているが、この基準に例外を設けることによって薬事法の埒外の「機能性食品」が生まれた。昨年、機能性表示食晶制度が施行となり一気に機能性表示健康食品市場が膨らんだ。
6.食品が医薬品的な効能効果を標榜すると、その食品は医薬品と見なされ、無承認の医薬品として薬事法違反に問われる。しかし、保健機能食品(三種)は医薬品的な効能効果を標榜しても薬事法違反に問われない。健康食品は医薬品ではないが、一定の医薬品的効能効果を標楴できるものが増えている。
7.人体に対して何らかの効果を表示できる新たな「健康食品」が誕生した。これらの商品は、国の審査や認定を得ているものではなく、一定の基準を満たせば届け出だけで発売でき、国は効果については関与せず、事業者の責任において「おなかの調子を整える」「脂肪の吸収を抑える」などトクホと同じ機能性を表示できる食品で、すでに300を超える商品が届け出されている。
8.トクホは国が認めた製品で一応信頼性は高いが、審査の厳しさについて、業界側の意向を受けて導入された制度なので、国民のための配慮がされていない。効果や害について科学的根拠を知りたいと思ってメーカーにきちんと問合わせると「良いこと」のみが強調され、個々の利用者の体質や病気(薬)への影響などの情報がないので危険も潜み、健康被害のリスクは利用者が負う。
9.「健康食品」が今や巨大市場を形成している現状を見れば、検証をする前にすでに多くの人が健康食品を利用している。国の制度として定められた「保健機能食品」の実態と問題点を挙げると、^汰汗・機能性に関する科学的根拠の信頼性、許可された表示を超えた広告、食品に許可された〈特定保健用食品〉とは、容易に測定可能な体調の指標の維持に適する又は改善に役立つ、身体の生理機能・組織機能の良好な維持に適する又は改善に役立つ、身体の状態を本人が自覚でき、一時的で継続的・慢性的でない体調の変化の改善に役立つ、ものである。機能性表示食品とは、「疾病リスクの低減表示は不可」である。11.セルフメディケーション(SM)という考え方は世界的に広まり、「自己の責任において、健康や医療に関する情報・知識を入手して、健康の維持・増進や病気の予防に努め、軽い病気であれば市販薬などを用いて自分で治すこと」とされる。SMを進めるためのポイントは、(1)健康の基本は食事・・良い食事を摂る、(2)ちょっと調子が悪いとき・・OTC薬(一般薬・市販薬)を利用する、(3)病気を治すとき・・処方せん薬(医療用薬)で治療する、(4)四身体の調子を整える食品・・保健機能食品を利用する
12.サプリメント(ビタミン、ミネラルなど)の他に、今後特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品がSMの中に入ってくる。健康管理の基本はSMであるとして、その中で健康食品はどのような役割を果たすのかについてしっかり考えてみる必要がある。約30年を経て機能性に着目した「保健機能食品」が制度として整備されたが、SMに取り入れるにはリスクを伴うことを念頭に置くべきである。
13.内閣府が実施した実態調査では、約6割の消費者が健康食品を現在利用している。ある程度研究が進んだものでも「効果」は期待するほど大きくはないし、安全性については不明なものが多い。「食品」に期待どおりの効果があったら危険だし、食品ではあり得ず医薬品扱いになる。昨今の医薬品まがいの「健康食品」および宣伝方法は罪が大き過ぎる。


yuji5327 at 06:45 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
(平成28年度、国立新美術館にて開催)
・読売書法展(8月開催、現在理事)
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