2017年08月02日

中央銀行に求められるのは、永続的に学習する組織で、専門的な知識を大事にしつつ、特定の理論に囚われないこと。多様な考え方がぶつかり合うことが大切である。

「白川方明(前日本銀行総裁)著:中央銀行という存在、學士會会報No.925(2017-IV)」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.中央銀行の基本的な役割は中央銀行通貨と呼ばれる通貨を発行することである。中央銀行通貨は銀行券と中央銀行当座預金から成り、前者は誰でも持てる通貨である。わが国で、現在、流通している日本銀行券の発行残高は99兆円です。中央銀行当座預金は日本銀行と当座預金取引をしている金融機関のみが保有出来る。現在の残高は332.兆円で、両者を合計すると、431兆円にも上る。
2.中央銀行通貨の最大の特質は、信用リスクがない安全な通貨であること。そうした特質で、3つの基本的な役割、ゞ箙坿屬侶荳僉↓金利のコントロール、6睛惨躓,鯔匹阿燭瓩法嶌埜紊梁澆啓蝓廖△箸いμ魍笋魏未燭后「管理通貨制度」と呼ぶ。
3.歴史的に見ると、比較的若い組織で、世界最古の中央銀行は1668年に創設されたスウェーデンの中央銀行だが、近代的な意味での中央銀行が生まれたのは19世紀以降であり、日本銀行は1882年、アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は1913年の設立である。1970年代において高い独立性を有していた中央銀行はドイツ連邦銀行とスイス国民銀行くらいである。FRBの独立性も、それほど強くない。
4、日本では1998年の日銀法改正によって、日本銀行に独立性が与えらた。物価の安定と金融システムの安定を日本銀行の目的とし、前者を達成する金融政策の運営には独立性が与えられた。
5.金融政策の運営思想を振り返ると、1970年代初めまでは、経済成長を促進するためにはある程度のインフレは容認せざるを得ないという考え方が支配的だった。インフレを抑制するためには、金融引き締めが必要になるが、これに伴って景気が悪化し失業が増加するため、引き締めには政府、企業、労働組合をはじめ、反対が強く、なかなか理解が得られない。
6.そのような行き詰った状況を変えたのが、1979年8月にFRB議長に就任したポール・ボルカーで、就任直後の10月、後にポルカー・ショックと呼ばれるほどの強力な金融引き締め政策を開始した。短期金利は20%まで、失業率は11%まで上昇したが、徐々にインフレ率は低下し、その後の成長をもたらした。
7.これによって物価安定が持続的成長の基礎であること、物価安定を実現するためには短期的な利害から離れた中央銀行に金融政策を委ねた方が良いという考えが浸透し、1980年代後半頃から中央銀行の独立性が世界的に強化されていった。その後、世界経済は1990年代以降、ベルリンの壁崩壊による社会主義諸国の市場経済化や情報通信革命といった、「追い風」にも恵まれ、米国も欧州諸国も、概して物価安定の下で比較的高い成長率を達成した。
8.この時期の日本経済は、バブルの崩壊とその後の金融危機によって、パフォーマンスが悪化し、日本銀行がデフレを放置しているという、批判が強まった。サブプライム・ローン問題の深刻化、2008年9月のリーマン・ショック、ユーロ危機といったグローバル金融危機によって、様相は一変した。インフレ率も低く、「長期停滞」の可能性が議論される状況である。
9.日本は1978、79年の第二次石油ショックを乗り切り、他の先進国の成長率が低迷する中で、成長率は相対的に高目で、日本全体が徐々に過大な自信を持つようになり、1980年代後半には大規模なバブルが発生し、バブルが崩壊し、金融危機が到来しが、日本は国民の反発は強く、公的資金の投入が遅れた。
10.日本は1999年にゼロ金利政策、2001年には量的金融緩和策を導入した。現在では多くの先進国が採用している。経済の構造改革が遅れていること、その下で金融緩和への過度の依存が続き中央銀行頼みが進んでいるのも各国に共通する現象である。
11.中央銀行に求められている課題は2つで、1つは、個々の問題は経済の展開に応じて変わるが、中央銀行は永続的に学習する組織でなければならない。専門的な知識、ロジックを大事にしつつ、特定の理論に囚われない姿勢が必要である。一番危険なことは、皆が同じように考える集団思考で、多様な考え方がぶつかり合うことが大事である。2つ目は、金融グローバル化の下での中央銀行間の協力が大切になる。基軸通貨国の金融政策は世界全体に影響を与える。各国が自国にとって最適な政策を追求すれば世界全体としても最適な状態が実現するという保証はない。



yuji5327 at 06:33 
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
(平成28年度、国立新美術館にて開催)
・読売書法展(8月開催、現在理事)
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