2017年08月05日

研究費の絶対額が少な過ぎる中で、競争は激しいと、結局、誰が見てもふさわしいという、評価が確立した研究者に研究費がいく。そうした環境は改めるべきである。

「大隅良典著:次世代の科学者育つ社会に、
週刊ダイヤモンド、2016.10.16」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.オートファジーは、細胞に備えられた分解機構の一つで、さまざまな生命現象に絡んでいるが、実際に何が起きているのか理解することは難しかった。私は酵母を用いた研究手法を持ち込むことで、分子レベルでオートファジーを説明することに突破口を開いた。
2.研究を始めた当初、国際会議を主催して約50人の研究者を集めただけで、オートファジーの研究に取り組んでいた研究著はごく少.数だった。ある時期からオートファジーに関連する遺伝子を利用した研究が活発になり、ものすごい勢いで増えた。
3.東京大学の水島昇先生.や.大阪大学の吉森保先生.などの優れた研究が続いたことで、多.数の研究者がこの分野に興味を持つようになった。オートファジーに関わるAtgという遺伝子群を特定したことが.評価された。正直に言って受賞はまだ早いとも感じている。
4.誰もやらない研究テーマが数ある中で、オートファジーの発見につながる、液胞の研究に取り組んだ理由は、東京大学理学部の植物学教室にいたことの影響が大きい。我々はリンゴの蜜やレモン液胞にため込む恩恵で生きている。植物のバラの花の色は、液胞に蓄積した色素の色であり、リンゴの蜜になる糖分も、レモンが酸っぱい原因も.薬剤に活用されるアルカロイド〔化学物質〕も、植物はみんな液胞にため込んでいる。、
5.液胞は多彩なオルガネラ(細胞小器官)だが、かつてはゴミためだと思われていた。何か重要な役割を担っていると私は感じた。植物細胞の体積の約9割を液胞が占めているが、植物はこんなにでっかい液胞を持っている理由を考えてこなかった。
6.ノーベル賞受賞者は研究の第一線から次第に消えていく。過去の遺産を食いつぶしている。日本の若手研究著が次々とノーベル賞をもらうような仕事をできる環境にあるかは疑わしい。5年、10年の長期スパンで考える研究が非常にやりにくくなっている。外部の評価に晒されていると、答えが出る仕事以外はやりようがない、結果が出る研究じゃないと、研究費が取れない、となる。自由な発想で自由に研究して、面白い発見があったらその研究者を1段階引き上げる研究システムづくりの責任が行政にある。
7.文科省も一生.懸命頑張って科研費を出しているが、全体のお金が足りない。あと5倍くらいあれば、状況は変わる。研究費の絶対額が少な過ぎる中で、競争は激しいと、結局、誰が見てもふさわしいという、評価が確立した研究者に研究費がいく。そうした環境は改めるべきである。


yuji5327 at 07:57 
新技術 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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