2017年08月09日

スマホの有機EL化の特微は、薄さ、色再現性や動画表示性能だが、決定的な違いは形状の可変性であり、折り畳みや折り曲げ、さらには巻くことも技術的には可能である。

「中根康夫(みずほ証券シニアアナリスト)著:有機ELでサムスン独走、日本勢の反攻はあるか、
週刊東洋経済、2016.10.15」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.スマートフォン向けを中心に、有機ELの普及が加速している。この傾向は本物と見ているがリスクもあるので検.証したい。11インチ以下の中小型フラットパネルディスブレーの生産能力はアモルファスシリコンが主流で、有機ELのシェアは現時点で約6%にすぎない。そのうちほとんど韓国のサムスンが占める。
2.有機ELと競合する液晶は、日本のジャパンデでスブレイをはじめ多くの企業が投資。シェアも10%程度と有機ELを上回り、米アップルをはじめ、ほぽすべてのスマホプランドが採用している。
3.有機ELを採用しているスマホブランドは、サムスン電子、中国のOPPO,Vivoなどが主体で、全体の2割程度である。この構図は、2017年、アップルがアイフォンに曲面パネルとなるフレキシブル有機ELを採用する動きで大きく変化する。
4.16年のアイフォン向け液晶ディスプレーパネルの供給は、JDIが8700万枚、韓国のLGディスプレイが8500万枚、シャープが5700万枚。一方、有機ELは、17年に5000万枚、多ければ8000万枚程度の供給が想定され、その全量をSDCが占める。SDCは現在、2つの工場でフレキシブル有機ELを生産しているが、さらに第6世代のライン拡張を実施、生産能力を現在の月産1.5万枚から17年末までに同12万〜15万枚に拡張する。
5.テレビ用の第7世代液晶ディスプレー工場の1部を閉鎖し、別途、月産6万枚程度の有機EL生産設備を導入すると予想される。これら一連の投資総額は2兆円程度にも及ぶ。このうち、アップル向けには月当たり9万〜10万枚の生産能力を割り当てる。これは5・5インチ換算で年間2.1億〜2.3億枚分に相当し、すべてのアイフォンに有機ELを採用したとしても間に合う。
6.SDCに後れを取らぬよう、LGDも動き始めた。規模こそ小さいものの、17年、18年と矢継ぎ早に第6世代の有機ELの生崖工場を稼働させる。2工場の合計月産能力は4.5万〜6.万となり、18年からアイフォンへ供給を始める町能性が高い。日本勢ではJDI、シヤープが試作ラインに投資しており、中国のパネルメーカーも多くの工場投資を計画している。有機ELの生産能力は18年第3四半期〔7〜9月}時点で液晶ディスプレーを抜き、20年末に全体の17%程度、現在の3.4倍程度に膨らむと予想。最大でスマホの約7割を賄える程度の生産能力となる。
7.スマホの有機EL化の特微は、有機ELは薄さ、色再現性や動画表示性能のよだが、決定的な違いは形状の可変性であり、将来的に有機ELは折り畳みや折り曲げ、さらには巻くことも技術的には可能である。折り曲げ可能な有機ELパネルはまだ量産可能な状況ではない。サムスン電子は17年に折り畳みパネルを搭載した機種の投入を計画しているが、アップルが導入するのは19年以降となる。
8.有機ELはコスト、消費電力、精細度などにおいても課題を抱えている。単に折り畳む程度であれば、液晶ディスプレーでも超薄型化の技術などを応用すれば対応可能だ。曲面パネルに関しては、アップルとSDCの契約期間は、投資規模などを勘案すると3年程度と考えられるが、実はアップルも自社でマイクロLEDなど、有機EL代替技術の開発を行っている。
9.有機ELが本格的に普及するには、サムスンとアップル以外の端末メーカーが追随するが、SDC以外のパネルメーカーが十分な供給体制を整えることが必要である。LGDは、投資はしているものの慎重な姿勢を崩していない。JDIやシャープは資金面で課題を抱えている。積極投資を行う可能性が高い中国メーカーに関しては、量産出荷の実績がなく、技術力でSDCに大きく水をあけられている。
10.SDCが先行者利益の独占に走れば、出遅れた日本のパネルメーカーの反攻の芽が潜んでいるかもしれない。



yuji5327 at 06:42 
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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