2017年08月12日

電気自動車になると使用する部品の数も10分の1程度になる。トヨタを頂点とした3万社の業者にどう対処するかが課題である。

2017/8/11付けの大前研一さんの「ニュースの視点 」(発行部数 167,027部)は「トヨタ自動車/日産自動車/中国自動車大手/韓国・現代自動車〜トヨタは全方位ではなく迷走している」と題する記事で興味深い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.トヨタ自動車とマツダは資本提携を正式に発表した。電気自動車(EV)の共同開発や米国内で新工場の建設を今後検討するとのことで、自動車技術や排ガス規制など競争環境が大きな転換点を迎える中で、トヨタは全方位の提携で生き残りを図る。
2.トヨタは迷走していると思われる。ハイブリッド車が成功したので、現状は悪くないが、将来に懸念を感じる。電気自動車の開発で遅れを取り、自動運転、水素自動車の分野では、さらに遅れている。
3.テスラが新モデルを発売するなど、電気自動車市場で躍進し、すでにこの分野では勝負あったという状況である。将来の水素自動車はどうするのかを考えなくてはいけない。
4.今さら電気自動車で、マツダと提携して共同開発では遅すぎる。トヨタはハイブリッド車が上手く行き過ぎて、電気自動車の開発が遅れたことが今になって影響が出ている。全方位戦略と言えば耳あたりは良いが、方向感覚を失っている。
5.今後のトヨタにとって大きな課題は3つある。1つは「電気自動車」、について、どう考えるか。2つ目は「シェアリング・アイドル」で、自分で持たない市場が大きくなると、
自動車販売台数は3分の1程度になると予想され、この需要の減退について、どう考えるか。3つ目は「自動運転」で、レベル4の自動運転が実現すると、自動車の数は激減する。スマホで予約して自動運転の車が来てくれる、という世界になることをどう考えるか、である。
6.電気自動車になると使用する部品の数も大きく減る。10分の1程度になるとも予想される。この部品需要の激減に対して、トヨタを頂点とした3万社の業者にどう対処するか、トヨタはどう責任を取る、という課題もある。
7.世界の自動車販売台数を見れば、マツダを加えることで、フォルクスワーゲンを10%程度抜いてトップになるが、これは短期的な話に過ぎない。マツダと提携して、電気自動車の開発というレベルの話ではなく、もっと未来の危機感を抱くべきである。
8.日産自動車が発表した2017年4〜6月期の連結決算は、営業利益が前年同期比12.8%減の1533億円だった。国内販売が好調だった一方、カルソニックカンセイが連結対象から外れたほか、北米市場で実施した販売奨励金によるコスト増加が響いたと見ているが、甘い見方である。
9.北米日産は、50%弱をレンタカー会社に供給している。そのような提供をすることで
販売台数を水増ししているとも言える。浮かれている場合ではなく、増収減益になった理由は北米にあり、日産の北米がどのくらい崩壊しているのか、注意深く見守る必要がある。10.日経新聞は2日、「中国、自動車3社に統合構想」と題する記事を掲載した。これは、中国国有自動車大手の中国第一汽車集団と中国長安汽車集団の経営トップが入れ替わる人事が明らかになったと紹介した。東風汽車公司を含めた3社間でトップが持ち回りのように交代しており、中国では3社が経営統合を視野に入れたとの見方が浮上している。かつて鉄鋼会社同士でも似たようなことがあったが、国策会社として大同合併をするという流れである。
11.中国のメーカー別自動車販売台数を見ると、VW、GM、日産、本田など外資系との合弁企業がトップから名前を連ねている。逆に言うと、外資系の資本が入っていない企業は非常に規模が小さい状況である。
12.今の中国の動きを見ていると、外資系企業と袂を分かち、自分たち自身で電気自動車を世界に輸出して大きくなるという布石のようにである。合弁会社を作ってきた外資系企業からすれば、今まで信じて一緒にやってきたのに、技術だけ盗まれて終わり、という可能性が出てきている。
13.電気自動車が普及し、内燃機関の自動車は2025年以降販売できないとなったら目も当てられない。その意味で、「また中国にやられるのか」という戦慄が走っている。今後、中国がどの程度乱暴に外資を排除しにくるのか、注目する必要がある。
14.産経新聞は先月24日、「韓国・現代(ヒュンダイ)自動車が「自壊」危機」と題する記事を掲載した。今年上半期の最重要市場の中国での販売台数が前年同期比でほぼ半減していると紹介。同社は中国販売の急減は、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備に対する中国側の報復措置の影響と説明しているが、現代自動車自体の競争力も低下している現状で、労働組合は6年連続のスト実施を決定していることなどを含め、韓国の製造業を代表するガリバー企業は「自壊」の危機にひんしている。
15.米国市場をみるとよくわかるが、現代自動車の特徴は、それほど質と価格が高くないということである。明らかに、日本車や欧州車の下の値段で勝負している。その意味では米国のような市場で競争するには、魅力的なものではなく、実際2回ほど米国市場からは撤退をしている。
16.低い価格帯のブランドとして買収した起亜自動車などを活用し、世界戦略は成功してきた。途上国、インド、トルコ、そして中国市場での成功が大きな要因になっていた。その中国市場で傷ついてしまったので、今の状況は非常に厳しい。





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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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