2017年08月17日
原子力発電の政府のもくろみは、原発コストの消費者・国民への転嫁である。
「古賀茂明著:闘論席、
エコノミスト、2016.1025」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.原子力発電をめぐる政府のもくろみが、いよいよその全貌を現してきた。福島第一原発事故直後から、経済産業省内で築き上げられてきたもので、その核心は、「原発コストの消費者・国民への転嫁」である。
2.電力小売りの自由化と不完全ながら発送電分離の実施が決まり、原発はコスト高で生き残れなくなった。そこで電力会社は、発送電分離の条件として、原発事業で決して損が出ない「制度的な」保証を求めた。平時だけではなく、事故を起こしても、という虫の良い仕組みである。
3.経産省は今、福島の事故処理費用のうち、損害賠償と廃炉について、原発を保有する大手9社だけでなく、新電力にも負担させる制度を検討している。全国の原発が廃炉になった場合の費用や、賠償費用の一部などを新電力の消費者を含めて電力料金に転嫁する方法で、少なくとも8・3兆円の負担を大手電力会社は免れる。
4.原発から出る使用済み核燃料の再処理事業を担う認可法人を作り、電力会社に再処理費用の支払いを義務づける「再処理等拠出金法」が10月1日に施行された。再処理を電力会社の経営から切り離し、苦しくなったら、廃炉の負担から逃れる。
5.核のゴミの処分も国が前面に出て、場所の選定に乗り出している。こちらも、コストを新電力にも負担させるだろう。事故の際の電力会社の損害賠償額に上限を設けようという、究極の「モラルハザード」法の構想も姿を現した。
6.最後の締めが、電力価格がどうなっても、原発が絶対に赤字にならないようにする収入保証の仕組みの導入である。原発だけでは批判が起こるので、火力発電の議論から始まる。一連の政策で電力会社の株価は大きく上昇する。国民の犠牲で、本来責任を取るべき株主の利益を増やすという政策である。この国に「正義」はあるのか。国民の見識が問われている。
エコノミスト、2016.1025」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.原子力発電をめぐる政府のもくろみが、いよいよその全貌を現してきた。福島第一原発事故直後から、経済産業省内で築き上げられてきたもので、その核心は、「原発コストの消費者・国民への転嫁」である。
2.電力小売りの自由化と不完全ながら発送電分離の実施が決まり、原発はコスト高で生き残れなくなった。そこで電力会社は、発送電分離の条件として、原発事業で決して損が出ない「制度的な」保証を求めた。平時だけではなく、事故を起こしても、という虫の良い仕組みである。
3.経産省は今、福島の事故処理費用のうち、損害賠償と廃炉について、原発を保有する大手9社だけでなく、新電力にも負担させる制度を検討している。全国の原発が廃炉になった場合の費用や、賠償費用の一部などを新電力の消費者を含めて電力料金に転嫁する方法で、少なくとも8・3兆円の負担を大手電力会社は免れる。
4.原発から出る使用済み核燃料の再処理事業を担う認可法人を作り、電力会社に再処理費用の支払いを義務づける「再処理等拠出金法」が10月1日に施行された。再処理を電力会社の経営から切り離し、苦しくなったら、廃炉の負担から逃れる。
5.核のゴミの処分も国が前面に出て、場所の選定に乗り出している。こちらも、コストを新電力にも負担させるだろう。事故の際の電力会社の損害賠償額に上限を設けようという、究極の「モラルハザード」法の構想も姿を現した。
6.最後の締めが、電力価格がどうなっても、原発が絶対に赤字にならないようにする収入保証の仕組みの導入である。原発だけでは批判が起こるので、火力発電の議論から始まる。一連の政策で電力会社の株価は大きく上昇する。国民の犠牲で、本来責任を取るべき株主の利益を増やすという政策である。この国に「正義」はあるのか。国民の見識が問われている。