2017年09月01日

米国の属国ならば、ブーチン大統領を日本に呼べない。北方領土交渉の結果次第で、今後の日米関係にきしみが生じる可能性はある。

「佐藤優著:中国とロシアはなぜトランプ支持か、
週刊東洋経済、2016.11.12」は面白い。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.米大統領選挙は非常に簡単で、既存の秩序の維持を望む人はクリントン候補、秩序の変化を望む人はトランプ候補を支持した。自分たちは社会に虐げられていると考えている製造業従事者や米国中・南部の白人がトランプ候補を支持した。世界各国では、日本やEU、韓国はクリントン候補が大統領になればいいと思っている。一方、ロシアや中国、北朝鮮はトランプ候補になればと思っている。
2.日本国内で気になるのは偏見があることである。一つは、米国のエスタプリッシユメントの見解が入ってくること。トランプは嫌だという短絡的な思いから、トランプ候補がカリカチュア化されすぎていることである。
3.トランプ候補の唱える孤立主義は、米国の底流にあるもので、それが彼によって顕在化したことを過小評価してはいけない。米国が孤立主義から脱却したのは第2次世界大戦後のことで、自分の国に害が及ばないかぎり、ほかの国に何があっても関係ない。そんな孤立主義の考え方は、今の米国人にとって魅力のある思想である。
4.クリントン候補は弁護士出身で、折り合いをつけたがる。実際に選挙戦では、TPP(環太平洋経済連携協定)批判などトランプ候補寄りの主張もした。このような見方はロシア語、中国語やアラビア語空間の人はわかる。これらの語学空間の人は、トランプ候補をカリカチュア化しない。その分、彼らのほうが冷静に米大統領選を分研している。
5.現段階で最大の懸念は、北方領土の問題である。現在、1956年の日ソ共同宣言をべースに日ロがまとまるという観測が強まっている。歯舞諸島・色丹島の二島返還か、あるいは択捉・国後両島を含めた四島返還かが交渉の焦点だ。また日ロ問の経済協力強化で返還交渉が前進するという観測もある。この過程で重要なファクターが日米関係であることが忘れられている。
6.日米安全保障条約第5条は「日本国の施政の下にある領域における、日米のいずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続きに従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する」となっている。すなわち、日本の施政が及ぶすべての領域で、日米は共同で防衛に当たる。
7.現在の歯舞・色丹には米軍が展開する場所ではないが、返還されれば、日本の施政が及び、日米安保条約上、米軍が展開できるようになる。ロシアのプーチン大統領は素直に北方領土を日本に引き渡さない。
8.安倍晋三首相が歯舞・色丹を非武装地帯化・非軍事化することを一方的に宣言すると、日米安保条約の適用除外地域ができる。日本のどこでも守る、と米国が言っても、ここはいいです、と日本が言わざるをえない。だったら尖閣諸島は守らなくてもいいのか、尖閣諸島を守りたくない、米国は言う。
9.戦後レジームからの脱却をうたってきた安倍首相は、日ロ関係を通じて無意識的にそこから脱却してしまう。北方領土に関する日ロ交渉は、2島か、4島かといった次元ではなく、日ロ提携か、日米同盟かという重大な選択の問題になる。
10.ブーチンの狙いは経済だと日本では思われているが、まったく違う。ロシアを相手に経済的利益を得られるなら、日本企業はとっくの昔にやっている。プーチン大統領の現実的な狙いは、現在、アジア太平洋地域では米国が圧倒的な力を持ち、その力の源泉が日米同盟と米韓同盟である。今回の日ロ交渉次第でその一方が崩れれば、プーチン大統領にしめたものである。
11.日本を属国と表現するなら、米国の言うとおりにやるということである。北方領土交渉なんてできない。本当に米国の属国ならば、ブーチン大統領を日本に呼べないはずである。そういう意味で日本は主権国家である。北方領土交渉の結果次第では、今後の日米関係にきしみが生じる可能性は当然ある。


yuji5327 at 06:48 
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
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 春興賞の受賞:2回
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