2017年09月06日

医療介護では後期高齢者が給付費の約9割を消費しているため、1人当たり介護費は毎年3.9%増加する。日本経済の潜在成長率は0.5%程度であり、ギャップは大きい

「島崎謙治著:人口構造の変容と医療政策の課題、學士會会報No.921(2016-VI)」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.医療の隣接領域である介護では後期高齢者が給付費の約9割を消費しているため、1人当たり介護費は毎年3.9%増加する。日本経済の足元の潜在成長率は0.5%程度であり、医療費・介護費の伸びとのギャップは大きい。
2.人口構造の変化は医療供給面にも影響を及ぼす。労働政策研究・研修機構の「労働力需給の推計」(2015年12月)によれば、「経済成長と労働市場参加が進むシナリオ」の場合、2014年から2030年にかけて、医療(介護を含む)・福祉の就業者数は747万人から962万人に増加する。一方、労働力人口は2014年の6587万人から、2030年には6362万人の場合は5800万人まで減少する。したがって、労働力人口に対する医療・福祉の就業者数の比率は、2014年の11%から2030年には少なくみても15%程度まで跳ね上がる。
3.現状でもこの分野の人手不足が問題となっているが、今後さらに深刻化することが危惧される。このため外国人労働力の受入れを求める声も一層高まると思われるが、これに過度の期待を抱くべきではない。その理由は、治安の悪化や賃金構造の2層化に対する懸念以外に、最も重要な理由は、外国人は日本の都合に合わせて来てくれないことにある。たとえば、シンガポール、台湾、韓国の出生率は日本より低く、外国人労働力の需要は今でも競合状態にある。また、タイの出生率は1.4、ベトナムでも1.7程度まで低下しており、開発途上国の今後の経済成長も考慮すると外国人労働力の供給量自体が減る。
4.人口構造の変容が医療に及ぼす影響は甚大であるが、それでは医療政策の重要な点は3つ絞られる。第1は、単一的な医療観や医療モデルの転換である。超高齢社会では、高齢者は複数の疾病を抱える場合が多いだけでなく、身体機能の低下や認知症の発現に伴い介護需要も高まる。臓器別ではない全人的・包括的な医療、尊厳ある看取りまで含めた「生活を支える」医療が大切になる。「生活を支える」と言った途端、医療政策の「視界」は医療の隣接領域である保健・介護・福祉はもとより住宅や就労まで一挙に広がる。医療は地域の社会経済と独立して存在しえない。たとえば、都市部では高齢者向けの住宅などの需要が急増する一方、地方では地域の生活基盤そのものの存立が危ぶまれる自治体が少なくない。したがって、地域の産業・雇用・交通等まで視野に入れ医療政策を展開する必要がある。
5.第2は、医療・介護分野の生産性の向上や労働参加率の引上げである。生産性の向上が求められるのは一般の製造業やサービス業に限ったことではなく、貴重な労働力の医療・介護分野への投入が不可避である。現在、各都道府県で地域医療構想の策定が進められているが、こうした取組みを通じ医療機能の分化と連携の推進を図るとともに、遠隔診療を含むICTの活用、AI(人工知能)や医療・介護ロボットの活用、等を進めることが肝要である。また、労働参加率の引上げとは高齢者や女性の就業率を高めることであるが、高齢者が働くことは、生活習慣病の予防や介護予防を通じ健康寿命を伸ばすことが求められる。
6.第3は、世代間の負担の公平の確保である。2025年度には、総人口の2割弱の後期高齢者が医療費の半分近くを消費すると見込まれる。現役世代の自己負担率3割であるのに対し、後期高齢者は原則1割負担である。さらに、後期高齢者の保険給付費の約9割は現役世代からの支援金や税金で賄われている。高齢者の自己負担率を現役並みに引き上げることを検討すべきである。
7.年金税制の見直しも必要で、遺族年金は税制上非課税であるため、後期高齢者医療制度や国民健康保険の保険料の賦課に当たって「所得なし」の扱いとなっている。遺族年金も一定額以上は課税とすべきである。



yuji5327 at 06:46 
健康 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





地域別アクセス

ジオターゲティング

ジオターゲティング
livedoor プロフィール
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード