2017年09月26日
理想的なEVは、プラグインハイブリッド車になる。これからのEVは都市部ではバッテリー充電が不足郊外ではガソリンという形になる。
2017/9/22付けの 大前研一さんの「 ニュースの視点」(発行部数 168,211部)は「中国自動車市場/三菱自動車/欧州自動車市場/ソーラーカー〜急速なEV化は日本の自動車産業の裾野を破壊する」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.中国政府がガソリン車やディーゼル車の製造・販売禁止の検討を始めた。フランスと英国が2040年までに禁止を表明したことに追随し、導入時期の検討に入った。EVを中心とする新エネルギー車に自動車産業の軸足を移し、環境問題などに対応する考えである。
2.中国の自動車産業は今でも2500万台規模だが、これが実現すれば中国の電気自動車は世界最大規模になる。カリフォルニア州と中国は、EVのみを許可するとも言われている。中国はフランスと同じようにプラグインハイブリッド車も認めると思われる。
3.EV化の波は、この1ヶ月で急速にトレンドが形成されました。日本も対応を誤ると、大変な事態になる。EV化対策に成功し、上手にシフト出来た場合にも、日本には課題がある。日本が世界に誇る部品産業が大打撃を受ける。EV化は数十年かけてやるくらいで考えないと、日本にとっては自動車産業の裾野のが大きく壊されるリスクがある。
4.三菱自動車は中国での販売店舗を2017年度に16年度比4割増の300店に増やす方針を明らかにした。環境規制強化でガソリン車の販売が禁止されることをにらみ、プラグインハイブリッド車など新エネルギー車の投入に備えるものである。販売が好調なロシアとインドネシアでは増産を検討する。
5.昨年、日産自動車が三菱自動車の約3割の株式を保有し、アライアンスを組んだ。なぜ100%保有しないのか理由がわからない。三菱自動車は経営陣がしっかりしていれば、
日産・ルノーにとっても大きな役割を果たしてくれる存在になる。三菱自動車の強みは、日産・ルノーが弱い地域で強いこと、そして電気自動車に強いことである。
6.三菱自動車の地域別販売台数を見ると、ロシア、北米、日本、中国となっていて、日本以外での販売台数が多くなっている。その他の地域での販売台数も多く、中東、アフリカ、中南米などにおいても、20万台も販売している。パジェロ、ランサーなどが田舎の悪路で人気を得ている。
7.将来の電気自動車を見据える意味もあり、現時点でも地域補完の効果は大きく、日産・ルノーにとっては非常にありがたい存在である。
8.日経新聞は「欧州勢のEVシフト鮮明」と題する記事を掲載した。ドイツで12日、フランクフルト国際自動車ショーが開幕し、独フォルクスワーゲンは約300ある全車種に電気自動車(EV)かハイブリッド車(HV)のモデルをそろえることを明らかにした。またダイムラーやBMWもEVの品揃えを拡充する方針で、これまでの自動車と同様、いかに使いやすく魅力的なEVを低価格で提供できるかの勝負になってきた。
9.各社の電動化戦略を見ると、VW、ダイムラー、BMW、ルノー、ジャガー・ランド・ローバーなどは明確に方針を示した。一方で、トヨタは全方位体制で、ホンダも若干腰が引けている。トヨタは本格的に取り組み始めれば、すぐにでも優位性を発揮できると思う。理想的なEVのあり方は、プラグインハイブリッド車になるからである。これまでのハイブリッド車では、馬力を必要とする時に動力源を切り替えていたが、これからのEVは都市部ではバッテリーで動くようにして、バッテリー充電が不足する可能性が高い郊外ではガソリンで動くという形になる。
10.この形式のプラグインハイブリッド車が主流になれば、現在のEVよりも圧倒的に安定感が増す。ハイブリッド車に関して、トヨタには多くの経験とノウハウがあるから、優位性を確保することは難しくない。
11.EVのダークホースはソーラーカーである。日経新聞は12日、充電なしでEV走れるソーラーカーの新星続々、と題する記事を掲載した。オランダアイントホーフェン工科大学の卒業生が立ち上げたライトイヤー社が自社で開発したソーラーカーの予約を開始したと紹介した。また中国の漢能(ハネジー)控股集団も昨年、太陽光発電だけで走る試作車を公開した。
12.ソーラーカーは屋根にパネルを入れることで、走行中に太陽光発電により充電し、プラグインを必要としない仕組みである。もちろん、天候による影響も大きく受けるが、EVのあり方としては、ダークホース的な存在で見逃せない。
1.中国政府がガソリン車やディーゼル車の製造・販売禁止の検討を始めた。フランスと英国が2040年までに禁止を表明したことに追随し、導入時期の検討に入った。EVを中心とする新エネルギー車に自動車産業の軸足を移し、環境問題などに対応する考えである。
2.中国の自動車産業は今でも2500万台規模だが、これが実現すれば中国の電気自動車は世界最大規模になる。カリフォルニア州と中国は、EVのみを許可するとも言われている。中国はフランスと同じようにプラグインハイブリッド車も認めると思われる。
3.EV化の波は、この1ヶ月で急速にトレンドが形成されました。日本も対応を誤ると、大変な事態になる。EV化対策に成功し、上手にシフト出来た場合にも、日本には課題がある。日本が世界に誇る部品産業が大打撃を受ける。EV化は数十年かけてやるくらいで考えないと、日本にとっては自動車産業の裾野のが大きく壊されるリスクがある。
4.三菱自動車は中国での販売店舗を2017年度に16年度比4割増の300店に増やす方針を明らかにした。環境規制強化でガソリン車の販売が禁止されることをにらみ、プラグインハイブリッド車など新エネルギー車の投入に備えるものである。販売が好調なロシアとインドネシアでは増産を検討する。
5.昨年、日産自動車が三菱自動車の約3割の株式を保有し、アライアンスを組んだ。なぜ100%保有しないのか理由がわからない。三菱自動車は経営陣がしっかりしていれば、
日産・ルノーにとっても大きな役割を果たしてくれる存在になる。三菱自動車の強みは、日産・ルノーが弱い地域で強いこと、そして電気自動車に強いことである。
6.三菱自動車の地域別販売台数を見ると、ロシア、北米、日本、中国となっていて、日本以外での販売台数が多くなっている。その他の地域での販売台数も多く、中東、アフリカ、中南米などにおいても、20万台も販売している。パジェロ、ランサーなどが田舎の悪路で人気を得ている。
7.将来の電気自動車を見据える意味もあり、現時点でも地域補完の効果は大きく、日産・ルノーにとっては非常にありがたい存在である。
8.日経新聞は「欧州勢のEVシフト鮮明」と題する記事を掲載した。ドイツで12日、フランクフルト国際自動車ショーが開幕し、独フォルクスワーゲンは約300ある全車種に電気自動車(EV)かハイブリッド車(HV)のモデルをそろえることを明らかにした。またダイムラーやBMWもEVの品揃えを拡充する方針で、これまでの自動車と同様、いかに使いやすく魅力的なEVを低価格で提供できるかの勝負になってきた。
9.各社の電動化戦略を見ると、VW、ダイムラー、BMW、ルノー、ジャガー・ランド・ローバーなどは明確に方針を示した。一方で、トヨタは全方位体制で、ホンダも若干腰が引けている。トヨタは本格的に取り組み始めれば、すぐにでも優位性を発揮できると思う。理想的なEVのあり方は、プラグインハイブリッド車になるからである。これまでのハイブリッド車では、馬力を必要とする時に動力源を切り替えていたが、これからのEVは都市部ではバッテリーで動くようにして、バッテリー充電が不足する可能性が高い郊外ではガソリンで動くという形になる。
10.この形式のプラグインハイブリッド車が主流になれば、現在のEVよりも圧倒的に安定感が増す。ハイブリッド車に関して、トヨタには多くの経験とノウハウがあるから、優位性を確保することは難しくない。
11.EVのダークホースはソーラーカーである。日経新聞は12日、充電なしでEV走れるソーラーカーの新星続々、と題する記事を掲載した。オランダアイントホーフェン工科大学の卒業生が立ち上げたライトイヤー社が自社で開発したソーラーカーの予約を開始したと紹介した。また中国の漢能(ハネジー)控股集団も昨年、太陽光発電だけで走る試作車を公開した。
12.ソーラーカーは屋根にパネルを入れることで、走行中に太陽光発電により充電し、プラグインを必要としない仕組みである。もちろん、天候による影響も大きく受けるが、EVのあり方としては、ダークホース的な存在で見逃せない。