2017年10月15日

日本では、がんが死亡原因の第1位だが、それは長生きできるようになった結果である。今まで人類が直面してこなかった、がんやアルツハイマー病などが目立ってきた。

「池上彰、岩崎博司、田口英樹著:
池上彰が聞いてわかった生命のしくみ、東工大で生命科学を学ぶ、朝日新聞出版、2016年9月」は面白い。「第3章:死ぬってどういうことですか」の「がん細胞ができるのはなぜですか」「細胞は増えるだけでなく減ることもあるのですか」「細胞が死ぬとはどういうことですか」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1. 一つの細胞としては死ぬものもあるが、制御なしに増え緕けているのががん細胞である。細胞レベルで見れば、ずっと生き続けるわけではない。細胞のリニューアルを考えたときに、古い細胞がなくなる分だけ、新しい細胞が補充される。全体の細胞の数はほとんど変わらない。
2.細胞を増やす遺伝子があり、普段は、その遺伝子がスイッチのオンとオフを切り替えて、細胞の数を一定に保つようにしている。スイッチを制御できる遺伝子に異常が起きると、スイッチがオンのままになってしい、細胞がどんどん増え続ける。それが悪性腫瘍、がんである。
3.細胞を増やそうとするスイッチもタンパク質である。制御に関しては、細胞の数だけではなくて、DNAの複製のときにも関係してくる。細胞分裂する前に、DNAは必ず2倍になる。2倍にならないまま細胞分裂はしないし、逆に4倍などにはならない。この制御が破綻して、DNAの量が変化したときにがん細胞になる。
4. 最近になって、がんの患者が増えている。昔は、がんになる前に死ぬ人がほとんどだった。長生きすると、細胞を維持するしくみが徐々に破綻してくる。日本では、がんが死亡原因の第1位だが、それは長生きできるようになった結果である。今まで人類が直面してこなかった病気、たとえばがんやアルツハイマー病などが目立ってきた。がんの専門医の中には「自分はがんで死のうと考えている」という人もいるが、がんになるまで長生きできたのはいいことだ、という考えである。
5.細胞のリニューアルで、人間は生きている間、見た目はほとんど変わらないのに細胞は次々と入れ替わっているが、細胞の中身は数カ月もすると全く別人になっている。次々と新しくしていかないと、人間は生きていけない。
6.細胞に「死になさい」という命令を出す「アボトーシス」と言われる現象がある。「自爆装置をもっている」と考えるほうがよい。細胞が不要になったときに、自分で死ぬためのしくみを備えている。最初から自爆装置をもっていることは必要なことである。たとえば、オタマジャクシの尻尾がなくなるのもアポトーシスである。カエルになったら不要になり、不要になった細胞をすぐに除去できるのは、アポトーシスという自爆装置がうまく機能するからである。
7.細胞が大きくダメージを受けたり、異常な形のタンパク質が溜まったりすると、細胞は何とかして修復しようする。修復できるレベルを超えてしまったと判断したときには、細胞を丸ごと破壊するという決断を下す。細胞やタンパク質が傷ついたとき以外にも、DNAに異常があったときにアボトーシスは起きる。そうしないと細胞の数を制御できなくなり、がんになる。がん細胞が生まれる前に除去しようというのが自爆装置であり、細胞自身がもっているしくみである。
8.細胞のリニューアルだけでなく、タンパク質のリサイクルも、部分的には死ぬものがあった上で全体として生き延びるためのシステムである。アボトーシスは、細胞の自爆装置、つまり死につながるしくみである。
9.細胞が死ぬ、あるいは個体が死ぬということは、外界からエネルギーを取り込んで、自分の中で機能するように変化させることができなくなった状態が細胞の死である。死んだ細胞をそのままにしておくと不都合なので、死んだ細胞を壊そうとするのがアポトーシスである。
10.細胞の3つの定義の1つである「代謝」ができなくなるということで、物質の取り込みも排出もできなくなった状態が.細胞の死である。細胞の定義である「境界」がなくなっても、細胞の死だと考える。
11.生きている細胞と死んでいる細胞を区別するときには、特別な色素を使う。生きている細胞は、その色素は不要ということで細胞内に入れないが、死んでいる細胞にはそのまま色素が入っていく。色素で染まった細胞は死んでいる、と見分ける。


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健康 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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