2017年10月17日

現在の日本では寿命が80歳を超える人は珍しくない。神経細胞がそこまで長く使われるようになっていない。60年くらいとか、正確な数値はわからない。

「池上彰、岩崎博司、田口英樹著:
池上彰が聞いてわかった生命のしくみ、東工大で生命科学を学ぶ、朝日新聞出版、2016年9月」は面白い。「第3章:死ぬってどういうことですか」の「細胞がいつもりニューアルしているって本当ですか」「リニューアルしないまま一生使い続ける細胞はあるのですか」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.人間の細胞は昔は60兆個といわれていたが、最近は37兆個くらいとする見方がある。数十兆個の細胞は、細胞一つひとつを見ると、細胞はどこかが死んで、新しい細胞が生まれてきている。全体として数十兆個という数は変わらないけれども、細胞一つひとつはリニューアルされている。
2.そのようなしくみがある理由は、一つの細胞を何十年と使い続けているとマシンの不具合が出てくる。細胞のリニューアルは、マシンとしての部品交換である。タンパク質がナノマシンだとすれば、細胞はもう少し大きいマシン、個体が一番大きなマシンである。どんなマシンも、性能を維持するためには部品交換が欠かせないように、生命も細胞をリニューアルすることが必要である。見た目は変わっていなくても、細胞レベルではどんどん変わっている。
3.見た目に10年前の面影があっても、細胞は完全に生まれ変わっている。10年どころか、数カ月でほぼ一新される。そういうしくみだから、多細胞生物は長い寿命を獲得できた。それぞれの細胞がそのままだったら、細胞に不具合が生じて、あっという間に個体の寿命がくる。
4.細胞の中のタンパク質もどんどん壊され、新しく作られている。それができなくなったときに、個体としての死を迎える。それが死ぬ、ということである。年を取ると、細胞をリニューアルできない細胞や細胞内成分など、悪いものが溜まっていく。細胞のリニューアルよりも、細胞内のタンパク資のリサイクル(オートファジーやユビキチン・プロテアソーム系によるリサイクル)のほうが、頻繁に起きている。
5.細胞レベルのリニューアルと、タンパク質レベルのリサイクルの両方を考える必要がある。細胞を建物とすると、建物そのものを取り壊すことは時々あるけれども、内装のリフォームのほうはかなり頻繁に行われている。建物そのものが駄目になると、タンパク質のリサイクルである内部のリフォームをやろうにもできなくなる。
6.神経細胞は、基本的にリニューアルされない。神経細胞の中のタンパク質は常にリサイクルされている。何十年と使い続けることでいろいろな不具合が生じてくることはある。異常な形をしたタンパク質が蓄積するようになって、しかも分解できなくなる。それがアルツハイマー病などにつながる。細胞の中のリサイクルができなくなると、病気になりうる。長生きすることの弊害と考えることもできる。
7.現在の日本では寿命が80歳を超える人は珍しくない。本来の生物学的な寿命を超えている。神経細胞がそこまで長く使われるように準備されていない。たとえば、神経細胞は60年くらい使われれば十分とか、正確な数値はわからない。いろいろな科学技術の発展、医療の進歩によって長生きできるようになったけれども、神経細胞はリニューアルしようがない。そこでアルツハイマー病など、細胞のリニューアルまたはタンパク質のリサイクルの不具合による病気が新しく登場してしまった。
8.細胞ではないが、目でレンズとして機能している水晶体があるが、水晶体には「クリスタリン」というタンパク質があり、クリスタリンは作り替えられることがなく、一生同じものを使い続ける。クリスタリンの形が異常になってゆで卵のように凝集してしまい、レンズが濁ってしまったのが白内障である。年を取ると白内障になる人が増える。
9.白内障は、年齢が上がる発症率が高くなり、80歳以上になるとほぼすべての人が発症する。クリスタリンというタンパク質をリサイクルできないことを考えると、白内障は避けられない病気である。今は手術などで治療できるが、白内障になること自体は、長生きの代償でもある。
10.「長生きすること」と「病気にならない」はイコールにならない。人間は理論上120歳まで生きられると言われるが、細胞のリニューアルやタンパク質のリサイクルから考えると、60歳くらいから不具合が起きやすくなる。寿命がここまで延びたのはつい最近で、細胞のリニューアルやタンパク質のリサイクルが対応できるように急に進化したとは言えない。そのギャップが、加齢による病気となって現れているの。
11.仮に、神経細胞で不具合が起きなければ、それは進化になる。アルツハイマー病など神経に関係する病気、さらにはがんを克服したとしても、また別のところに不具合が生じてくるのは避けられない。人類が長生きしたいという究極の夢は、生物の進化の観点からすれば矛盾した夢である。
12.究極のリニューアルは世代交代、つまり子どもを生むということである。進化の観点、すなわち数10億年の生命の歴史の観点からすれば長生きは「おまけ」になる。哺乳類において一生の間に心臓は20億回脈打つという法則が成立する。人間の場合、心拍数を毎分80回とすると20億回を迎えるのは63歳ごろになる。


yuji5327 at 06:44 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
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 春興賞の受賞:2回
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