2017年11月03日

再生医療への過度な期待がある。再生医療を将来受ける人はそれほど多くはないが、人類の未来がすべて決まるような報道があるのは気に掛かる。

「池上彰、岩崎博司、田口英樹著:
池上彰が聞いてわかった生命のしくみ、東工大で生命科学を学ぶ、朝日新聞出版、2016年9月」は面白い。「大隅良典氏との特別対談」は興味深い。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.東工大では2016年度から、生命科学の授業が必修科目になった。生命科学を学ぶ理由は、一つが「人間は地球上の生物のひとつである」「人間は地球上の生物のひとつである」という認識から出発して、さまざまな現象を考え、学ぶことが大事なこと。もう一つの理由は「自然をとらえ直す」ことである。野原で食べ物を採る実体験が、現代ではだんだん減っている。
2.新学習指導要領になって少しは緩和されたが、まだ、専門の生物学者が教科書を作ればもっと体系的に教えられるはずという思いが、現場の先生にもある。教科書をチエックする文部科学省の教科書調査官が生物学者ではない。教育大学系の教科書調査官と、実際に現場で生物を教える先生との間で、ギヤップがある。
3.見通しを立てて教えれば、生物学はそんなに高度なものではない。ブツ切りにして教えているので、大学に入ってからもう1回学び直しになっている。大学には学習指導要領や検定済み教科書はない。大学では全体像を描いた、体系的な生物学を教えられる。
4.理系では、成績のいい高校生は生物が好きでも、科目としての生物は選ばない。生物は文章問題が多く、満点が取りにくい。物理や化学は計算問題が多くて、比較的満点を取りやす。受験における生物の難しさである。物理と化学を学んだ上で生物も勉強する、という考え方が大事である。建築学や機械学を専攻する場合であってもです。将来何をするかにかかわらず、大学の早い段階で生命についての基本的な概念を知っておくことは、これからの社会にとって必要である。
5.再生医療への過度な期待に惑わされている。再生医療を将来受ける人はそれほど多くはないと思うが、人類の未来がすべて決まってしまうような報道がされているのは気に掛かる。
6.介護ロボットのように、人間と同じような動きをロボットにさせる研究を考えても、結局は人間の腕や足の動き、筋肉のはたらきを理解しないと、ロボットは作ることができない。
7.化学の授業はシュレーディンガー方程式など、量子化学の分野から始まることもある。とたんに化学嫌いになる。物理だと思っていたら数学だった、経済学だと思っていたら数学だった、ということがある。
8.分子生物学で注目されて、セントラルドグマといって、DNAの情報がRNAに写されてタンパク質になる過程が注目されていた。その中でも、RNAとアミノ酸がどう対応しているのかという問題が実験的に解決されたころに興味を持った。
9.生命科学と言にいっても、分子生物学、生化学、遺伝学、構造生物学、バイオインフォマティクス、システムバイオロジーなど、いろいろなアプローチがある。まずは自分がどんなことに興味があるのか見極めることが大事である。



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新技術 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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