2017年11月04日

欧米では早くから、がんやアルツハイマー病などの根本の原因である、老化の研究に力を入れてきたが、日本は高齢化が深刻なのに、研究は十分ではなかった。

「今井眞一郎(ワシントン大学教授)著:夢の「長寿物質」日本で効果を確かめたい、聞き手・構成、伊藤崇読売新聞鯨本社科学部、December2016 
中央公論CHUOKORON110」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.老化を制御するシステムについて、現在、科学的に解明されているものだけでも、インスリン及びインスリン様成長因子シグナル伝達系、mTORシグナル伝達系、サーチュインのファミリー、の3つがある。これらは、よく使われるモデル生物の酵母や線虫、ショウジョウバエ、マウスに共通して存在している。
2.3つはそれぞれ、システムとして独立しているが、複雑に絡み合っている。インスリンとmTORの場合、働きをちょっと抑えると老化を遅らせることができる。インスリンは体にとって必須なので、完全になくなると駄目だが、線虫やハエ、マウスはちょっと抑えることで長生きする。
3.逆にサーチュインは、その働きを強めると老化を遅らせ、寿命が延びることがわかっている。2016年のノーベル生理学・医学賞は、東京工業大学の大隅良典栄誉教授に授与された。大隅栄誉教授が仕組みを解明した細胞のオートファジー(自食作用)という働きも、老化の制御に関係していることが、線虫やショウジョウバエの研究でわかっている。
4.NMN以外の、老化抑制効果が期待されている物質として、欧米では、NMNとよく似た物質「ニコチンアミド・リボシド(NR)」の研究が盛んである。NRは体内で、NMNを経てNADに変わる。米国の企業がNRを安く供給しており、臨床研究も行われている。ただし、病気の改善効果を調べるのが目的で、NMNのように健康な人間を対象とした研究はまだ行われていない。
5.同じくサーチュインを活性化させる物質として、ポリフェノールの一種である「レスベラトロール」も注目を集めていた。確かに、マウスで老化抑制効果が確認されているが、健康な人間には効かないというのが共通見解になりつつある。
6.このほか、米国では今、糖尿病の第一選択薬である「メトフォルミン」を使った臨床研究が大々的に行われようとしている。老化を遅らせる効果があることが、マウスによる実験で明らかになっている。mTORを抑える働きを持つ薬「ラバマイシン」も注目されている。米国の大学が、ラバマイシンを飼い犬に投与し、抗老化作用を調べているところである。ただ、ラバマイシンはやや副作用があり、米国の製薬企業が副作用の少ない似た物質の開発を進めている。
7.日本は世界で最も高齢化が進み、全人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は今年、27.3%に達した。国民医療費は年間40兆円を超えている。日本の社会が内包している危機は非常に巨大である。病気を抱えて寝たきりの高齢者が増え、医療費がさらに膨らみ、少子化により労働者人口も減少していくのをこのまま座して見ているだけでは、社会は崩壊してしまう。
8.80歳になる私の母は、1、2年前、9種類の薬を飲んでいた。日本の病院は問題があるとすぐに薬を出すが、対症療法だけでは医療費を削減することはできない。一つ一つの病気に対応するだけでなく、病気にかからないよう予防し、健康寿命を延ばすことが重要である。
9.厚生労働省によると、日本人の平均寿命と健康寿命の差は男性で約9年、女性で約12年と開きがある。政府も、健康寿命の増進を国家目標に掲げている。私たち老化研究者が目指しているのは「生産的加齢」である。健康を保つだけでなく、社会に貢献し続けながら年を取っていくということである。
10.これまで、高齢化による諸問題の解決につながるような科学的研究は不十分だったが、ようやくNMNのような抗老化作用が期待される物質が見つかり、最新の科学が貢献できそうな段階まで来た。内閣府の調査では、日本の高齢者は、健康観や勤労意欲が特に高いという特徴がある。
11.最新の科学で生産的加齢を実現することが、日本の文化的、社会的な土台を保ちつつ、高齢化や労働力減少、医療費の増大といった問題の解決につながると信じている。ただ、NMN以外の物質でも臨床研究が行われているように、抗老化研究の国際的な競争は激しさを増している。NMNへの注目も一段と高まっている。
12.欧米では早くから、がんやアルツハイマー病などの根本の原因である、老化を食い止める研究に力を入れてきたが、日本は高齢化が最も深刻なのに、研究へのサポートはこれまで十分ではなかった。このため、文部科学省は来年度から、老化のメカニズムの解明や抗老化物質の特定などの基礎研究に力を入れる計画である。長寿大国の日本だからこそ、抗老化研究を積極的に進め、高齢化の処方箋となるようなモデルケースを世界へ発信していくことが重要である。


yuji5327 at 06:49 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
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 春興賞の受賞:2回
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