2017年11月11日

国連人権理事会(ICC)には、米国と中国が加盟していない。昨年にはロシアも脱退、国連安保理常任理事国の3国が脱退の状況で、ICCが世界に存在意義を示すことは出来ない。

「存在価値ゼロの国連人権理事会、選択、2017.3」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.「政治犯収容所では、計画的な飢餓、強制労働、処刑、拷問、レイプが組織的に行われている」「50年間に数10万人の政治犯が収容所で死亡した。筆舌に尽くしがたい残虐な行為が続いている」「公開処刑は1990年代に一般的に行われ、現在も続いている」の、いずれも、国連人権理事会が昨年3月に採択した、北朝鮮の人権に関する非難決議の文言だ。
2.北朝鮮は、金正恩委員長の異母兄、金正男氏の暗殺事件でその非人道的統治が再び注目されているが、国連は以前から、日本人拉致事件も含め、北朝鮮の人権侵害について最低限の事実をつかんでいた。人権理事会の北朝鮮非難決議採択は春の恒例行事で、昨年の決議は12年連続、12回目だった。それにもかかわらず、北朝鮮が国連の非難を歯牙にもかけないのは、具体的措置が取られないことを分かっているからだ。悪いことに、人権理事会自体に、世界の人権状況を本気で改善したいという意図がほとんど見られない。
3.世界最悪の人権侵害国家はどこかを、国連に判断をゆだねれば、答えはイスラエルである。人権理事会は過去10年で70回近く、イスラエル非難決議を採択している。内戦下で、人権侵害が極限まで悪化しているシリアと北朝鮮がこれに続くが、非難決議の数はそれぞれ、イスラエルの4分の1から5分の一程度でしかない。
4.イスラエルの人権侵害状況について、国際人権団体(HRW)は、イスラエル当局は、パレスチナ人の平和的な抗議行動を恣意的に弾圧している、とした上で、2015年に、イスラエルは少なくともパレスチナ人120人を殺害し、11953人を負傷させた。パレスチナ側は17人のイスラエル民聞人、3人の兵士を殺害した、と指摘した。
5.一方、HRWは北朝鮮について「国家が行う暴力の深刻さと規模.悪質さは、現代世界で比類がない」と断定する。人権理事会決議を引用しながら、過去の「数10万人の死亡」に加え、今も北朝鮮国内の収容所に「8万〜12万人が拘束されている」とも指摘。これは、イスラエルの比ではない。
6.HRWのシリア報告では、「15年10月までに、25万人が殺された」「政府の拘束下による残虐な拷問で、数千人が死亡」とある。国際人権団体が例外なく北朝鮮とシリアの人権侵害を強く糾弾するのに、国連人権理事会が、イスラエル・パレスチナ問題に固執するのは、理事会目体の仕組みに問題があるからである。
7.前身の「国連人権委員会」は、1946年創設。93年には、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が常設機関として設置された。だが、人権委会合は年1回、6週間だけスイス・ジュネーブで開催されるのみ。人権監視と言っても、年に1度、非難決議を出すだけで、実効性はゼロだった。
8.この反省から、同委員会は2006年に「人権理事会」に衣替えした。だが、実際の違いと言えば、開催期間が年間で合計10週問以上に延びたことと、理事国が53から47に減らされた程度。理事国(任期3年で連続3選禁止)は地域ごとに、国連加盟国数に応じて割り振られるため、アフリカとアジアが各13最大多数を占める。
9.顔ぶれは、アジアの現理事国では、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、イラクの中東3力国は、それぞれ拘束者に対する拷問、恣意的弾圧、報道・表現の自由の抑圧で、世界中の人権団体から非難を浴びる。特にサウジアラビアは、女性の行動制限が著しく、車の運転は厳禁で、保護者の許可なしには結婚も旅行もできない。
10.中国は、表現、集会、宗教の自由など広範な基本的人権を、組織的に抑圧している国としている。NGOの「ブリーダム・ハウス」の自由度指標では、ほぼ全項目で下から20番目あたり。各人権団体から「理事国になること自体が間違い」と批判を集めている。アフリカからは、悪名高いエジプト。アラブ圏の計6力国の理事国にとって、人権理事会はイスラエルをへこませるための、新たな国際舞台でしかない。
11.ユダヤ教聖職者として人権問題に取り組むエドワード・レッティング氏は、「ここまで理事会が偏っていては、理事会の信用を損なうどころか、『人権』という概念そのものまで、信頼性を失ってしまう」と述べ、国際政治の道具と堕した人権理事会を批判している。
12.国連制裁は、北朝鮮の過去5回にわたる核実験、度重なる長距離弾道ミサイル発射に対して、様々な形で導入されてきた。これに重ねて「人権制裁」を導入することには、中国やロシア以外からも、抵抗が必至。残るは国ごとの制裁で、米国はオバマ政権時代の昨年、初めて「人権侵害」を理由に、金委員長らを制裁対象に指定した。ただ、具体策は「在米資産の凍結」程度で、実効性はほとんどない。
13.ICCには、米国と中国が加盟していない。昨年にはロシアも「脱退」を表明した。国連安保理常任理事国の3国がそろってボイコットしている状況で、ICCが「正義の味方」として世界に存在意義を示すことは不可能である。世界の無法国家が「何をしても咎めはない」と思っているのは理由があることである。



yuji5327 at 07:02 
共通テーマ 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

書道教室(自宅)
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日



livedoor プロフィール

yuji5327

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード