2017年11月18日

海洋が千分の1℃変わる熱量で気温は1℃変化するので、6000mの深度まで千分の1℃の精度で水温を観測する必要がある。海面〜海底まで正確に知る方法は観測船しかなく、何カ月もかける。

「日本の気候変動の実態と将来予測、西出則武著、學士會会報No.926(2017-V)」参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.過去約百年の日本近海における海域平均海面水温の上昇率(百年当たり1.09度)は、世界全体の平均値(百年当たり0.53度)より大きく、日本の気温上昇率(百年当たり1.19度)と同程度の値である。海域別でみると、黄海、東シナ海、目本海南西部、四国・東海沖、釧路沖では日本の気温上昇率と同程度、三陸沖、関東の東、関東の南、沖縄の東、竹島諸島周辺ではより小さく、日本海中部ではより大きい値である。
2.過去百年の世界平均の海面水位には上昇傾向が見られるが、過去百年の日本近海の海面水位は、10年〜20年周期で変動し、明瞭な上昇傾向は見られない。1950年頃に極大になった後、再び変動し、1980年代以降に上昇傾向に転じ、2016年、平年値より73亶發なった。1960年以降で最高値。また、1960以降の海面水位の変化を海域別に見ると、北陸〜九州の東シナ海側で、他の海域に比べて大きな上昇傾向が見られる。十年規模の変動の原因は、主に北太平洋の偏西風の強弱や南北移動にある。海面水位の変動と表層水温の変動には対応が見られ、特に南西諸島で一致している。
3.気候変化の予測とは、百年後の予測なので、気候モデルは全ての気象現象を完壁に再現できるものではない。狭い領域の予測をする場合、エルニーニョ現象など、大気や海洋の自然変動の影響が出やすい。温室効果ガスの排出シナリオには様々で、シナリオ次第で将来予測が異なる。
4.降水の変化予測は、気温に比べて不確実性が大きい。台風や梅雨の際の大雨は、狭い地域に集中する上、年によって頻度や程度が大きく変動し発生回数も少ないため、系統的な変化傾向が現れにくい。降雪の予測も不確実性が大きい。
5.地球温暖化の予測は、自然変動に伴う気候の「ジグザグ」な揺らぎの影響を取り除き、温室効果ガスの増加に伴って「じわじわ」と進行する長期的変化の傾向を検出する。
基本的には天気予報と同じで、スーパーコンピュータで数値シミュレーションを行う。世界全体のシミュレーションを20甸岾屬料討げ鯀度で行い、その結果を用いて、日本付近を対象に、詳細な計算を5甸岾屬嚢圓覆Α
6.猛暑日(最高気温が35度以上)の年間日数は、沖縄・奄美で約54日増加するなど、全国的に増加する。那覇の現在の猛暑日の年間日数は0.1日だが、21世紀末に約54日になる。気温は北ほど上昇するが、猛暑日は南ほど増加する。真夏日(最高気温が30度以上)の年間日数も、全国的に増加する。年間の増加量は、北日本の太平洋側で30日程度、沖縄・奄美で88日程度となっていて、特に南で大きく増加する。
7.真冬日(最高気温が0度未満)の年間日数は、北日本の日本海側で約38日、太平洋側で約32日減少するなど、沖縄・奄美を除いて全国的に減少する。札幌の場合、現在の真冬日の年間日数が45日だが、21世紀末には約7日になる。冬日(最低気温が0度未満)の年間日数も、北日本の日本海側で約65日、西日本の太平洋側で約32日減少する。
8.1時間の降水量が50舒幣紊涼算間強雨の年間発生回数は、全国平均では2倍以上になる。現在でも南に行くほど短時間強雨が多いが、将来もその傾向が続く。無降水日(雨量が1侈に)の年間日数は、全国的に増加し、特に冬の日本海側で増加が顕著である。年降雪量と年最深積雪は、全国的に減少する。特に本州日本海側で大きく減少する。
9.台風の将来変化は。現在の気候モデルでは高い解像度で地球全体の計算を行えないので、台風などの熱帯低気圧の将来変化の予測はできない。水蒸気量が増加し熱帯対流圏の上層の気温が地表面より大きく上昇するので、大気が安定し、熱帯低気圧の発生数が減少する。海面水温の上昇により大気中の水蒸気量が増加し、熱帯低気圧を発達させるエネルギー源が増加するため、平均強度が増加する。台風の発生件数は減るが、大型のものが増える。
10. 海は地球の表面積の7割を占め、熱やCO2を吸収することで温暖化を緩和している。海上・表面海水中のCO2濃度から、海洋のCO2収支が分かる。北西太平洋亜熱帯域では冬に吸収、夏に放出の傾向が見られ、全体として吸収が勝っている。予測の精度を上げるには、海洋の物質循環モデルの高度化が不可欠。海洋が千分の1度変わる熱量によって気温は1度変化するので、6000mの深度まで千分の1度の精度で水温を観測する必要がある。現在、海面〜海底までの海洋環境を正確に知る方法は観測船しかなく、何カ月もかけて地道な観測作業を行う。
11.数年、各地で自然災害が多発している。2015年の関東・東北豪雨では、鬼怒川の堤防が決壊した。2011年の台風第12号では、紀伊半島で数日間、激しい雨が降り続き、総雨量は多いところで2000伉兇箸いΦ録的な豪雨となった。


yuji5327 at 06:49 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





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