2017年11月29日

1930年代の大恐慌は、激化した各国の通貨切り下げ競争が原因であるという「神話」をいまだに信じている。これは経済理論的には間違っている。

「高橋洋一著:
日本は世界1位の政府資産大国、講談社新書、2013年」は参考になる。「第8章:100兆円の外為特会はいらない」「終章:役人が狙う年金準備金100兆円」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.マスコミが好む「通貨安競争」という言葉は、ミスリーディングである。1930年代の大恐慌は、激化した各国の通貨切り下げ競争が原因であるという「神話」をいまだに信じている。この考え方は経済理論的には間違っている。
2.どこかの国が通貨引き下げをすると、短期的に、それ以外の国はマイナスの影響を受ける。しばらくすると他の国も金融緩和を実施し始め、各国ともにインフレ率が高くなるが、いずれの国も許容できるインフレ率には限界がある。際限のないインフレに陥らないようにするため、金融緩和競争が永遠に続くことはない。一定のインフレ率と失業率に抑えようと各国が経済運営すれば、通貨切り下げ競争にはならない。通貨切り下げ競争自体を避けるために、通貨引き下げを避ける必要はない。
3.経済運営の結果、一時的な通貨切り下げによって「近隣窮乏化」が起きたとしても、各国経済の向上につながるのは、各国がマイルドなインフレを維持することになり、最終的には「近隣富裕化」に転じ、世界経済全体に貢献するからである。
4.先進国は、通貨安競争は悪くないという考え方で、自国経済優先の金融緩和を行っている。日本は、一刻も早く「通貨安競争」に加わればよかった。もはや役割を持たない外為特会を徐々に減らしながら同時に借金も返済し、為替リスクには金融政策で対応していくべきだ。
5.海外の政府系金融機関の株に買い換えていくのがいい。米国債などの外貨建て債を手放し、ファニーメイの出資証券などの個別銘柄に乗り換えていく。金融機関の出資証券に直接する最大のメリットは、日本の顔が見える支援になるという点である。政府系金融機関なら、国の倒産はまずあり得ないので、リスクもほとんどない。こうして適宜、外為特6.株式個別銘柄への転換は、国際局長は拒絶した。新たなことにはチャレンジしないという役人の習性と、財務省国際局の役人が運用先への天下りを確保し続けたいという思惑
がある。
7. GPIFは、日本のGDPのおよそ4分の1の運用資産を持つ世界最大級の年金基金である。GPIFの年金積立金は2012年3月末現在で、113.6兆円。うち国内債券(市場運用)が58.5兆円、国内株式が.4.2兆円、外国債券が9.9兆円、外国株式が13兆円、そのほかに財投債(簿価)が13.4兆円となっている。
8.GPIFは、桁が多い資産規模を扱っているGPIFの職員数は、2010年4月時点で75人しかいない。この人数で真っ当な運用ができるはずもなく、わざわざ国が国民から強制的に年金保険料を徴収し、それを国民に代わって財テクする理由がわからない。積極運用が好きな国民なら、自分で財テクすればいい。
9.国民から強制的に徴収したものを国が財テクするのか? GPIFがなくても困らない。市場での運用にはリスクが不可避なので、当然、責任が伴う。ところが、公的組織は責任を取るのが苦手だし、たとえ責任を取ってもらっても意味がない。だから、市場での運用は民間が行うべき分野だというのが常識だ。
10.GPIFが年金準備金の運用指針を見直し、株式の組み入れ比率を高めたり、海外の道路や港湾などのインフラ事業に投資するファンドへの投資を検討するという。国が財テクをしても、責任の所在がひどく曖昧で、組織の状態を変えず投資に積極的になれば、それこそ莫大な損失を抱える可能性が生じる。
11.役人は、少子高齢化で加入者が減る一方、受給者は増える。運用利回りの改善が必須、と主張する。投資が成功するのが大前提となっているが、1993年から2013年までの20年間におけるGPIFの運用成績は、芳しいとはいえない。マスコミは、官僚の天下り先たるGPIFが人件費を増やせる環境づくりに手を貸した。横浜市に移転することになっていたGPIFは、いまも虎ノ門に残っている。その理由も、優秀なファンド・マネージャーが集まらない、であるが、だまされてはいけない。
12.株高によって年金運用が楽になったという事実がある。2012年10月から12月における、厚生年金と国民年金の公的年金積立金を運用するGPIFの運用益は、約5.1兆円。公的年金の保険料収入は30兆円程度なので、この運用収入は大きい。最終的には、年金受給者の利益になる。GPIFが胸を張る「ノウハウ」とはまったく関係のないところで、年金運測益が生まれた。GPIFにしてみれば、棚からぼたもちである。
13.GPIFを通して積立金を投資する理由は、インフレヘッジができるからだとされている。インフレ率と株価には相関性があるので、株式で運用しておけばヘッジになり、かつ利回りも追求できるという理屈だ。インフレヘッジは、厚労省の担当者1人でもできる。市場での運用など行わず、全額をこの非市場性国債に回せぼいい。国債を運用する際の弱点ともいえるインフレヘッジもできるし、国として支払っている200億円をゆうに超える運営コストが、そのまま節約できる。
14.100兆円を超える資産を運用し、その信託報酬を0.1%取れただけでも、金融機関には手数料として1000億円が転がり込む構図になっている。金融機関にしてみれば、年金運用は外為資金の運用とともに、とてもおいしい仕事である。金融機関の厚労省詣では霞が関でも有名で、担当部署は、金融機関にとってお得意さまとなる。関連団体のポストを天下り用に用意する、といったことも含まれ、金融機関にしてみれば、年収1000万円を超える天下りを受け入れても余りある利益を受け取れる。GPIFを排除し、物価連動国債引受にすれば、こうした厚労省と金融機関の癒着構造も解消できる。
15.国民が保険料の一部を委託する金融機関を自分白身で選べる形にしたらいい。運用方法は各金融機関に委ねられているが、どの金融機関を選ぶかはGPIFが決め、それぞれの金融機関に対し勝手に金額を割り振っている。そこで、この金融機関の運用基準を公開し、国民みずからが金融機関を選べる形にするのが良い。今後、政治がGPIF にどのようにメスを入れるのか、国民はそこに注目しなけれぼならない。こうした日本国の仕組自体を根底から変える改革が成功すれば、2020年に向け、日本の成長率を実質3%以上に引き上げることもできる。



yuji5327 at 06:40 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
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・謙慎展(常務理事)
 青山賞、春興賞の受賞:2回
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