2017年12月01日

米国物理学会の請願の趣旨は、「人為的温暖化は科学者のコンセンサスを得て、異を唱える者はほとんどいない、というIPCCの主張は誤り」という内容。

「深井有著:
地球はもう温暖化していない、科学と政治の大転換へ、平凡社、2015年」は参考になる。CO22削減の国家プロジェクトに参画した自分にとって共感できる記述も多い。「第3章:あまりに政治化された地球温暖化」の「3.物理学者の見る地球温暖化問題」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.米国物理学会(APS)は会員数48000名を擁し、世界の物理学をリードするマンモス学会なので、その動向は科学者一般の動向を知るための参考になる。1998年に始められた「地球温暖化に関する請願プロジェクト」がある。これは当時、米国科学アカデミー会長だった固体物理学のフレデリック・サイツ(1911〜2008)が中心となって始められた署名運動で、2010年4月までに科学者31486名の賛同を得た草の根運動である。
2.米国物理学会の請願の趣旨は、「人為的温暖化は科学者のコンセンサスを得ていて、異を唱える者はほとんどいない」というIPCCの主張は誤りで、この仮定に基.つく政策は人類の繁栄を阻害するものであると示すこと、とされている。請願書には「われわれは米国政府が地球温暖化に関する京都議定書や他のいかなる同種の提案をも拒否することを強く求める。提案されている温室効果ガスの制限は環境に害をもたらし、科学技術の進歩を妨げ、人類の健康と福祉を損なうことになるであろう。二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの放出が、現在または近い将来に破滅的な温暖化をもたらし気候システムを破壊するという確かな科学的証拠ぱ存在せず、むしろ大気中の二酸化炭素の増加が地上の植物や動物の成育環境によい効果をもたらすという多くの科学的証拠が存在する」と書かれており、これにロビンソンらによる「大気中二酸化炭索の環境効果」というレビュー論文.(2007)が添えられている。
3.この主張が100%正しいかは分からないが、科学アカデミーの会長という立場にある人がIPCC批判の署名運動の先頭に立つことは、わが国では考えられないことだろう。米国が京都議定書を批准しなかった背景にぱ、科学者たちのこのような運動もあった。もちろん、地球温暖化問題についての米国の物理学者の意見は分かれていた。2007年にAPSはIPCCの見解を支持して、温暖化対策を進めるべきだという立場を学会として公式に表明した。「人間活動に起因する温室効果ガスの放出が地球の気候に影響し、温暖化をもたらしているという証拠に疑問の余地はない」として、温暖化防止の政策に協力することを呼びかけた。
4.しかし、これは一部の会員の反発を招いた。人為的温暖化論の誤りを訴え続けてきたマサチューセッツ工科大学(MIT)の気象学者リチャード・リンゼンは、APSの声明を改めさせる提案をすることを学会メンバーに呼びかけた。
5.彼がAPSに提案した改訂案は「人聞活動に伴って放出される温室効果ガスが重大な気候変動をもたらすのではないかという強い懸念が表明されてきたが、20〜21世紀の変化は例外的でも永続的でもなく、歴史的・地史的な記録は今日よりも温暖.な時期がたびたびあったことを示している。一方で、大気中の二酸化炭素の増加が植物や動物に及ぼす好影響を調べた文献も数多く存在する。海洋循環や太陽活動の変動などの自然現象によって気候の数十年から数.百年の変動を説明することはでぎるだろうが、現今の気候モデルには過去の気候変動の自然要因と人為的要因を正しく評価できるほどの信頼性はなく、まして将来の気候予測ができるとは考えられない。米国物理学会は、自然要因・人為的要因を含めて地球の気候を決めるすべての過程を理解するための客観的・科学的な努力を支持し、将来の気候変動に対応するための技術的な問題への取り組みを支援するものである」。
6.これに対してAPSは地球温暖化問題に対しての対応は改めていない。APSの公式声明は会員の間にさらに波紋を広げた。2010年10月には古くからの重要メンバーでAPSフェローだったカリフォルニア大学のハロルド.ルイスが会のやり方を受け入れがたいとして脱会を表明した。会長宛の手紙から引用すると「2007年のAPS声明は、時流に乗ろうとした一握りの人たちによる作文に違いない。その後、クライメートゲート事件によって温暖化の主張がどのように作られたかが明らかにされても、APSはそれを黙認し、何の反応も示さなかった。そこで公式声明を改訂するように働きかけたのだが、執行部に握りつぶされた。これはもはや『科学』の話ではない。APSを動かしているのは何兆ドルというお金である。APSはもはや自分が誇りに思える存在ではなくなったので、身を退ぎたい」。ルイスはその翌年に他界した。
7.2011年にはもう一人のAPSフェローで1973年度ノーベル物理学賞受賞者のイヴァル・ジェーバーが2007年の公式声明に抗議して脱会した。理由は「地球温暖化が起こっている証拠に疑う余地はない、という態度は科学ではない。そもそも世界の年間平均気温が正しく測れるのかは疑問だが、もし測れるとしても、過去150年間に0.8℃の変化というのは驚くほど安定と言うべきではないか。地球温暖化は今や信仰になってしまった。疑問をもつことを許さない人たちには我慢がならない」である。
8.APSは、すべての声明は5年ごとに見直すことになっていることと、2013年にIPCCの第5次報告書が出されることを踏まえて、気候変動に関する2007年の声明を再検討する準備に着手した。そのために公共問題担当部門の中にこの問題を扱う評価委員会を作って、カリフォルニア工科大学の原子核物理の専門家スティーブン・クーニンを責任者に据え、2014年1月には6名の専門家を招いてワークショップを開いた。委員会のメンバーも招かれた専門家も、意見が偏らないように選ばれており、資料はすべて公開され、のちに委員会の長文の記録もウェブ上で公開された。この報告は、現時点での気候科学の問題点をかなり明らかにしたものとして評価されている。
9.評価委員会の報告を受けて新しい声明案が作成され、全会員に配布されて意見聴取が行われた。公共問題担当委員会がその結果を集約して、声明の最終案をまとめている。これが評議会で承認されれぽ公式声明として発表される。


yuji5327 at 06:35 
環境 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





地域別アクセス

ジオターゲティング

ジオターゲティング
livedoor プロフィール

yuji5327

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード