2018年01月07日

環境問題は、環境を守るといういかにも道徳的で、みんなが反対しにくいところを突いて、不合理な方法がとられる。科学がわからない人をだまし税金を徴収する。

「武田邦彦著:
偽善エコロジー「環境生活」が地球を破壊する、幻冬舎、2008年7月30日」は参考になる。「第4章:本当に環境にいい生活とは何か?、第1節もの作りの心を失った日本人」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.ペットボトルのリサイクル、紙のリサイクルは、その杜撰さが社会の注目を集めたが、もっとひどいのは家庭用電化製品のリサイクルである。テレビ、冷蔵庫、洗濯機、そしてクーラーという4大家電製品は、寿命があるので、必ず捨てられる。かつては普通の大型ゴミと一緒に捨てていたが、焼却炉の性能も悪かったので、廃家電のほとんどは埋め立てられていた。
2.毎年2000万台近くが捨てられるから、埋め立てるところがなくなると、家電製品の中には多くの有害物質が含まれているため、それが埋め立てたところから漏れてきたりして、社会問題になった。
3.家電リサイクルはそこから始まった。これも紙のリサイクルやペットボトルと同じように、法律で決めて実施するようになった。法律で家電リサイクルを始める前は、おおよそ1台当たり500円ぐらいで自治体が処理をしていた。リサイクルを始めるようになると、それにかかる費用を徴収しようということになり、1台当たり約4000円くらいかかることがわかった。単に埋め立てれぼ500円、リサイクルでは4000円である。
4.リサイクルの場合は収集だけは同じだが、そこから家電リサイクル工場へ運搬し、解体して鉄やプラスチック、銅線などに分けるから、それだけ手間もかかるし、エネルギーも解体するための工場も必要である。「資源を回収する」ということが本当にできれば、つまり、4000円を徴収しても、3500円分が資源として売ることができれば、差し引き500円ですむのでいいのだが、現実にはそれほど資源にならない。
5.テレビは、外側がHI-PSというプラスチックの成型体でできていて、シャシーは鉄製である。このような安くて劣化するものはほとんど価値がない。少し使えても回収するに要した資源を回収する意味では、ほとんど価値がない。1000円で回収して50円で売れるという程度だから、計算しても始まらない。
6.テレビのブラウン管は作るときにはかなりの手間と資源を使うが、捨てるテレビのブラウン管は、多くの鉛を含んでいるからやっかいである。細かく砕いても、その中から鉛を取り出すことはできないので、そのままそっとどこかに埋めるしかない。ブラウン管が解体後どうなっているかは、発表もされていない。配線の中に入っている金などの貴金属や銅は、何とか使えますので、それなりの値段で回収する。
7.使い終わった家電をリサイクルして資源を回収するというのはウソである。廃家電を解体すると、もし消費者が4000円も払ってくれれば何とか少しは回収できることを意味している。消費者が4000円を払ってリサイクルするということは、4000円分の資源を使うことだから、その中から1000円分の資源を回収したところで、実質3000円の資源をムダにすることになる。焼却してしまえば、4つの成分に分かれるから、資源回収こともまだ可能である。
8.国民が無駄金を払い、ペットボトルにしても、紙にしても、家電リサイクルにしても、国が「お金がかかる方法」を選択する理由は、国民が税金として出すからです。
9.お金がかかるほど、そのお金は、役人の知り合いの人や役人自身の天下り団体に行く。国民は、家電リサイクルで、少しでも安い方法を選んでほしいが、国はできるだけ高い方法がよい、業界も同じである。
10.環境問題は、見かけが善意や環境を守るといういかにも道徳的なことなので、みんなが反対しにくいところを突いて、今まで不合理な方法がとられてきた。商売なら損をするのでこんな方法はとらないが、税金を徴収すればよい。科学のことがわからない人をだませばよい。
11.現在、廃家電のリサイクルはさらにひどい状態である。廃家電のリサイクルが始まったときには、真面目にリサイクルに取り組んでいるところが多かったが、最近では、法の網の目をくぐって、リサイクルをする気もないのに消費者からリサイクル料金をとって、中古として横流してきた。
12.業者が廃家電を引き取るときに、「法律で定められたリサイクル料金です」というから、消費者は仕方なくリサイクル料金を支払うが、本当のことを公にするなら、「法律でリサイクル料金をとってよいことになっているが、それをリサイクルに使っても、そのままポケットに入れてもよいとなっている。」と言わなければならない。そのようなことをしている電気屋さんが大手でも何社かあり、現在、実に50%以上がリサイクル中古品としてでも売られれば役に立つのだからよいと思う人がいるが、2つの意味でダメである。
13.4000円はリサイクルをするための経費として徴収されるのは、リサイクルが大変だから、それにお金がかかるからである。しかし中古品として流通するなら、そんなにお金がかからない。中古品として販売するなら、消費者から4000円をとるのではなく、たとえば2000円で中古品として買い取り、それを5000円で売り、その差額の3000円を手にするというのが、中古品販売の正しいやり方である。それなのに、法律があるからというので4000円を消費者からとり、さらに5000円を得る。


yuji5327 at 06:23 
環境 
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工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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