2018年01月21日
道路整備勘定、空港整備勘定を地方に移管すれば、しっかりした住民による監視も行えるし、数兆円の埋蔵金も地方のために活用できる。霞が関の抵抗が強いからやる価値がある。
「高橋洋一著:
日本は世界1位の政府資産大国、講談社新書、2013年」は参考になる。「第三章:掘り起こした46兆円の埋蔵金」「天下り法人を廃止する方法」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.空港整備勘定は、2009年度で5000億円規模。霞が関が握る金融資産からいえぼ、微々たる額に過ぎない。しかし、地方に移譲されると、次々と特別会計が剥がされていくことを、霞が関は懸念した。
2.2010年7月、事業仕分け第3弾に先立ち、当時国土交通大臣だった前原誠司氏は、公益法人の建設弘済会と財団法人の空港環境整備協会を解散する方針を打ち出した。建設弘済会解散の話には、2008年春、道路特定財源にかかる暫定税率の維持・廃止が大きな政治問題となった経緯がある
3.建設弘済会は、役人OBばかりで独自の技術力もなく、民間に丸投げしていたピンハネ組織だった。建設弘済会は、組織的には東北から九州まで8つある国交省の地方整備局の下に、「○○弘済会」「○○建設協会」などの名で9つの組織が設けられており、国交省の発注業務をほぼ独占的に受注している。
4.9つの公益法人の職員は4358人、うち548人が国交省OBという構成である。役人OB以外の職員は、ほとんどが民間の建設会社からの出向である。弘済会が受けている発注業務は、公共事業を発注する際の積算などを補助で、民間からの出向組がやらされ、役人OBは何もしていない。
5.建設弘済会の解散は自然のなりゆきだったが、あえて国交省は前原大臣に大々的に発表させた。前原氏にアナウンスさせれば、何も知らないマスコミは国交大臣はよくやっていると書いてくれるので、肝心な改革からは目を逸らすことができる。前原氏も自分の手柄になるので喜んで乗った。
6.国交省が裏で振り付けをしていることは、前原国交相が「方向で」とか「基本的には」といった、役人がよく使う曖昧な表現を連発していたことからも明らかである。擬似民営化して役人の天下りのピンハネ組織を温存されるよりも、解散してもらったほうがいい。7.建設弘済会の解散で、数百億円の埋蔵金も見込める。本筋は、特別会計をどうするかで、公益法人などの資金の末端組織ではなく、川上にある特別会計を絞る必要がある。兵糧攻めをやれば、自ずと公益法人は廃止されていく。
8.それをやらないので、国交省の地方出先機関である地方整備局は、パラダイス状態である。道路整備勘定を事実上支配している地方整備局は、国の出先機関だから地方自治体の監督・監視も受けない。しかも、本省からのコントロールも弱い。20万人も職員がいる地方整備局を、本省が十分に管理・監督できるわけがない。本省から派遣される幹部官僚も1〜2年の地方旅行気分である。そうしたぬるま湯のなかで、建設弘済会は天下り受け入れ機関として生き延びてきた。
9.道路整備勘定、空港整備勘定の両勘定を地方に移管すれば、しっかりした住民による監視も行えるし、数兆円ある埋蔵金も地方のために活用できる。霞が関の抵抗が強い改革だからこそ、やる価値がある。
日本は世界1位の政府資産大国、講談社新書、2013年」は参考になる。「第三章:掘り起こした46兆円の埋蔵金」「天下り法人を廃止する方法」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.空港整備勘定は、2009年度で5000億円規模。霞が関が握る金融資産からいえぼ、微々たる額に過ぎない。しかし、地方に移譲されると、次々と特別会計が剥がされていくことを、霞が関は懸念した。
2.2010年7月、事業仕分け第3弾に先立ち、当時国土交通大臣だった前原誠司氏は、公益法人の建設弘済会と財団法人の空港環境整備協会を解散する方針を打ち出した。建設弘済会解散の話には、2008年春、道路特定財源にかかる暫定税率の維持・廃止が大きな政治問題となった経緯がある
3.建設弘済会は、役人OBばかりで独自の技術力もなく、民間に丸投げしていたピンハネ組織だった。建設弘済会は、組織的には東北から九州まで8つある国交省の地方整備局の下に、「○○弘済会」「○○建設協会」などの名で9つの組織が設けられており、国交省の発注業務をほぼ独占的に受注している。
4.9つの公益法人の職員は4358人、うち548人が国交省OBという構成である。役人OB以外の職員は、ほとんどが民間の建設会社からの出向である。弘済会が受けている発注業務は、公共事業を発注する際の積算などを補助で、民間からの出向組がやらされ、役人OBは何もしていない。
5.建設弘済会の解散は自然のなりゆきだったが、あえて国交省は前原大臣に大々的に発表させた。前原氏にアナウンスさせれば、何も知らないマスコミは国交大臣はよくやっていると書いてくれるので、肝心な改革からは目を逸らすことができる。前原氏も自分の手柄になるので喜んで乗った。
6.国交省が裏で振り付けをしていることは、前原国交相が「方向で」とか「基本的には」といった、役人がよく使う曖昧な表現を連発していたことからも明らかである。擬似民営化して役人の天下りのピンハネ組織を温存されるよりも、解散してもらったほうがいい。7.建設弘済会の解散で、数百億円の埋蔵金も見込める。本筋は、特別会計をどうするかで、公益法人などの資金の末端組織ではなく、川上にある特別会計を絞る必要がある。兵糧攻めをやれば、自ずと公益法人は廃止されていく。
8.それをやらないので、国交省の地方出先機関である地方整備局は、パラダイス状態である。道路整備勘定を事実上支配している地方整備局は、国の出先機関だから地方自治体の監督・監視も受けない。しかも、本省からのコントロールも弱い。20万人も職員がいる地方整備局を、本省が十分に管理・監督できるわけがない。本省から派遣される幹部官僚も1〜2年の地方旅行気分である。そうしたぬるま湯のなかで、建設弘済会は天下り受け入れ機関として生き延びてきた。
9.道路整備勘定、空港整備勘定の両勘定を地方に移管すれば、しっかりした住民による監視も行えるし、数兆円ある埋蔵金も地方のために活用できる。霞が関の抵抗が強い改革だからこそ、やる価値がある。