2018年01月23日
国交省の社会資本整備事業特会のような公共事業会計は、地方で所管するほうがうまく運営できる。地域主権のためにも財源、人間、権限を地方に移管したほうがいい。
「高橋洋一著:
日本は世界1位の政府資産大国、講談社新書、2013年」は参考になる。「第三章:掘り起こした46兆円の埋蔵金」「天下り法人を廃止する方法」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.社会資本整備事業特別会計にある道路整備勘定の収入源は、ガソリン税、石油ガス税、自動車重量税等、かつては道路特定財源だった。道路の整備が進むと同時に、「財政が苦しいにもかかわらず、地方分も合わせると5兆円を超える財源を道路のためだけに使うのか」という批判が集まり、福田康夫政権下で一般財源化が決まった。
2.現実には、一般会計を経由するルートに変わっただけで、年に1兆2000億円を超える巨額のカネが一般会計から投入され、道路予算の規模は特定財源のときとほとんど変わらなかった。民主党政権になり、公共事業予算は全般的に削られたが、それでも2割程度のカットに止まった。
3.飛びぬけて予算額が大きい道路には、蜜にたかるアリのように、道路族の国会議員が利権を求めて群がり、そのおこぼれを国交省がいただくという構図ができあがっていた。民主党政権になっても、地元に利益誘導したい与党議員が道路予算を欲しがるという状況は変わらなかった。
4.民主党政権での行政刷新会議が事業仕分けで指摘したように、道路財源は無駄の温床である。道路整備勘定には余剰金がたっぷりあり、独立行政法人や特殊法人を通して、補助金や委託契約金の名目で天下り組織にカネが流れ込み、無駄に使われている。
5.社団法人「国際建設技術協会」が、国交省から約1億円で発注されて作成した「海外道路情報調査報告書」は、世界銀行のデータやウィキペディアを安易に引用した粗悪な内容で、資料として使い物にはならなかった。これに、1億円も払っている。こうした利権構造をぶち壊すためにも、道路整備勘定は地方に移譲すべきである。
6.国交省の社会資本整備事業特会のような公共事業会計は、地方で所管するほうがうまく運営できる。地域主権のためにも財源、人間、権限を地方に移管したほうがいい。道路整備勘定を地方に移せば、無駄な道路も減る。経済効率に合わない道路ができるのは、建設基準がしっかりしていないことと、国が補助金を出していることにある。道路を作れば、国が建設費の一部、たとえば50%を負担してくれる。地方にしてみれば、天からカネが降ってくるようなもの。だから不要な道路まで建設しようとなる。
7.これには罠がある。残りの50%の地方負担分が地方財政に重くのしかかる。道路にしろ、箱モノにしろ、なまじ補助金があるから、地方は余計なものまで作ってしまい、財政を悪化させる。しかも、国の画一的な基準を満たさなければ補助金は下りないので、できあがった道路は無駄が多い。地方に行くと、ほとんど通行人がいないのに、歩道が両側についている道路がある。地方の実情を考えず、国が基準を押し付けているから、不要な歩道付きの道路ができあがる。
8.地方ごとに真に必要な社会投資は異なる。地方の裁量で、「適材適所」の予算配分ができれば、行政サービスの向上につながる。大半の国では、道路建設は地方の領分だ。地方が地方債を発行して、資金を集め、道路を作り、税金で地方債を償還するという方法が一般的になっている。
9.道路整備勘定の財源になっているガソリン税は、消費税の一種で、地方の財源という原則からいっても、道路整備勘定は地方に移管すべきである。
日本は世界1位の政府資産大国、講談社新書、2013年」は参考になる。「第三章:掘り起こした46兆円の埋蔵金」「天下り法人を廃止する方法」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.社会資本整備事業特別会計にある道路整備勘定の収入源は、ガソリン税、石油ガス税、自動車重量税等、かつては道路特定財源だった。道路の整備が進むと同時に、「財政が苦しいにもかかわらず、地方分も合わせると5兆円を超える財源を道路のためだけに使うのか」という批判が集まり、福田康夫政権下で一般財源化が決まった。
2.現実には、一般会計を経由するルートに変わっただけで、年に1兆2000億円を超える巨額のカネが一般会計から投入され、道路予算の規模は特定財源のときとほとんど変わらなかった。民主党政権になり、公共事業予算は全般的に削られたが、それでも2割程度のカットに止まった。
3.飛びぬけて予算額が大きい道路には、蜜にたかるアリのように、道路族の国会議員が利権を求めて群がり、そのおこぼれを国交省がいただくという構図ができあがっていた。民主党政権になっても、地元に利益誘導したい与党議員が道路予算を欲しがるという状況は変わらなかった。
4.民主党政権での行政刷新会議が事業仕分けで指摘したように、道路財源は無駄の温床である。道路整備勘定には余剰金がたっぷりあり、独立行政法人や特殊法人を通して、補助金や委託契約金の名目で天下り組織にカネが流れ込み、無駄に使われている。
5.社団法人「国際建設技術協会」が、国交省から約1億円で発注されて作成した「海外道路情報調査報告書」は、世界銀行のデータやウィキペディアを安易に引用した粗悪な内容で、資料として使い物にはならなかった。これに、1億円も払っている。こうした利権構造をぶち壊すためにも、道路整備勘定は地方に移譲すべきである。
6.国交省の社会資本整備事業特会のような公共事業会計は、地方で所管するほうがうまく運営できる。地域主権のためにも財源、人間、権限を地方に移管したほうがいい。道路整備勘定を地方に移せば、無駄な道路も減る。経済効率に合わない道路ができるのは、建設基準がしっかりしていないことと、国が補助金を出していることにある。道路を作れば、国が建設費の一部、たとえば50%を負担してくれる。地方にしてみれば、天からカネが降ってくるようなもの。だから不要な道路まで建設しようとなる。
7.これには罠がある。残りの50%の地方負担分が地方財政に重くのしかかる。道路にしろ、箱モノにしろ、なまじ補助金があるから、地方は余計なものまで作ってしまい、財政を悪化させる。しかも、国の画一的な基準を満たさなければ補助金は下りないので、できあがった道路は無駄が多い。地方に行くと、ほとんど通行人がいないのに、歩道が両側についている道路がある。地方の実情を考えず、国が基準を押し付けているから、不要な歩道付きの道路ができあがる。
8.地方ごとに真に必要な社会投資は異なる。地方の裁量で、「適材適所」の予算配分ができれば、行政サービスの向上につながる。大半の国では、道路建設は地方の領分だ。地方が地方債を発行して、資金を集め、道路を作り、税金で地方債を償還するという方法が一般的になっている。
9.道路整備勘定の財源になっているガソリン税は、消費税の一種で、地方の財源という原則からいっても、道路整備勘定は地方に移管すべきである。