2018年01月25日

中国は、パキスタンやモルジブなど軍港として利用できる箇所に次々と楔を打っているのは問題である。

2018/1/12付けの 大前研一さんの「 ニュースの視点 」(発行部数 167,956部)は「世界10大リスク/中国情勢/日中関係」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.中国はまだ「大国」としての立ち振る舞いが板についていない。米調査会社ユーラシア・グループは2日、2018年の世界における「10大リスク」を発表した。1位は、「米国不在の間隙をついて中国が影響力を拡大すること」で、AIなど最新テクノロジー分野において中国が世界的に影響力を行使する機会が増えると予測している。。
2.2位は、「偶発的なアクシデント」で先進国の影響力が弱まっている中、北朝鮮やシリアなどで国際的な紛争が起きるリスクが高まっている。このユーラシア・グループによる発表は毎年恒例のもので、昨年の上位は「我が道を行くアメリカ」「中国の過剰反応」「弱体化するメルケル」などだった。
3.トランプ米大統領に対する中国の過剰反応はそれほどではなかった、他の2つは比較的予測しやすいもので、予測通りの結果だった。今年の予測にある「偶発的なアクシデント」というのは、北朝鮮を含めてこうしたアクシデントは常に存在するものである。
4.かつてジョージ・W・ブッシュ元大統領は「悪の枢軸」として、北朝鮮・イラン・イラクを名指しで批判したが、イラクが収束すればシリアで同じような問題が発生している。
対米国という意味では、メキシコも見逃せない。国を挙げて全面的に米国と対立することはないが、選挙においては国民感情も候補者も「反米」の姿勢を見せているし、不安定要素になっている。
5.今年の1位である「中国の影響力が拡大する」という予測は、衆目の一致するところである。中国の南シナ海における進出経緯に如実に現れており、新植民地政策の様相を呈している。
6.中国においては、習近平国家主席が先月31日、国民に向けた新年のメッセージを発表し「責任ある大国として国連の権威と地位を断固として守り、果たすべき国際的な義務と責任を積極的に履行する」と述べた。国連重視の姿勢を示し、北朝鮮への対応で軍事力の行使をちらつかせるトランプ米大統領をけん制するねらいがあったとみられる。
7.中国は巨大な経済力と人口を抱えながらも、大国になりきれない国」というものである。大国としての立ち振る舞いがまだ板についていない。例えば、二酸化炭素の排出量問題についても、パリ条約は守ると宣言しているが、未だに中国の二酸化炭素排出量は増加し、飛び抜けた数字になっている。
8.米国や日本はすでに対策を打っており、今後爆発的に二酸化炭素の排出量が増えることはない。60年代〜70年代の日本は今の中国と同じような状況だったが、投資をして、その状況を打開した。対策を講じるには、業界には大きな経済的負担になるが、大国として中国にもそれを実行することが求められる。現状は、住民が公害状況について告訴し、それを国が認めると、必要に応じて罰則を課す、あるいは工場の閉鎖などを指示している。中国では住民が公害に対して非常に敏感になっているので、住民主導で住民がガードマンの役割を果たすという形態になっている。結果として、数十万人規模で逮捕者が出るなど、一定の効果が出ている。この動きは昨年1年間でかなり前進した。
9.産経新聞は先月28日、「与党、中国の「一帯一路」協力に前のめり」と題する記事を掲載した。自民党の二階俊博幹事長が12月に日本の財界関係者を引き連れて中国を訪れ、
習近平国家主席と面会した。5月に続く2回目の面会で、与党の幹事長としては異例の厚遇を受けたが、安倍総理は透明性の確保を協力の条件とするなど、慎重姿勢を崩しておらず、政府・与党間で温度差が生まれている。
10.二階幹事長が前のめりの姿勢は問題である。一帯一路の本質は新植民地主義である。鉄鋼などの生産能力に余りがあるものを、他国に買い取らせるもので、多少のお金が上乗せされる。
11.世界中で約100カ国が期待して、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に加盟したが、機能している状況とは言えない。
12.さらに中国は、その間隙を縫って、パキスタンやモルジブなど軍港として利用できる箇所に次々と楔を打っているのは問題である。日本が前のめりになって中国に同調すると、中国にあらぬ期待を抱かせることになるし、大きな失望を招く可能性もある。


yuji5327 at 06:36 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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