2018年02月03日

横浜市に移転することになっていた官僚の天下り先のGPIFは、虎ノ門に残っている理由も、優秀なファンド・マネージャーが集まらない、という言い訳を言う。だまされてはいけない。

「高橋洋一著:
日本は世界1位の政府資産大国、講談社新書、2013年」は参考になる。「第8章:100兆円の外為特会はいらない」「終章:役人がの印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる狙う年金準備金100兆円」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.日本の年金の仕組みは、日本年金機構が国民から年金保険料を徴収、そのうち大半は受給者の年金給付に回り、残った一部は将来の蓄えとして積み立てられる。この行き先が、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)である。
2.GPIFは、日本のGDPのおよそ4分の1の運用資産を持つ世界最大級の年金基金である。GPIFの年金積立金は2012年3月末現在で、113.6兆円。うち国内債券(市場運用)が58.5兆円、国内株式が.4.2兆円、外国債券が9.9兆円、外国株式が13兆円、そのほかに財投債(簿価)が13.4兆円となっている。
3.GPIFは、当法人が培ってきた運用受託機関を管理するノウハウ、があると胸を張るが、ノウハウというほどのものではない。その実態は、資金を複数の民間金融機関に丸投げしているだけの組織である。
4.カナダの所得比例年金(CPP)では、14.6兆円の資金規模に対して職員数は811人、スウェーデンの公的年金基金(AP基金)では、12.2兆円の資産規模に対して職員数は243である。桁が一つ違う資産規模を扱っているGPIFの職員数は、2010年4月時点で75人しかいない。この人数で真っ当な運用ができるはずもなく、丸投げしている証拠である。
5.ポイントは積立金を株などで市場運用しているということ。アメリカでは、連邦老齢遺族障害保険(OASDI)は200兆円程度の積立金を持っているが、すべて非市場性国債の引受であり、株などの運用はしない。年金資金の市場での運用ほど、国が行う事業として不適切なことはない。
6.わざわざ国が国民から強制的に年金保険料を徴収し、それを国民に代わって財テクする理由がわからない。積極運用が好きな国民なら、自分で財テクすればいい。
7.当時のクリントン大統領が公的年金の株式運用をぶち上げた。アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)議長のグリーンスパン氏をはじめとして、株式市場への介入に対する反対論が相次いだ。クリントン大統領はあっさりと提案を撤回した。グリーンスパンの言い分は、市場での運用は政府の活動として不適切だという一般論に加えて、次のような論理を展開した。
8.「政府は健康のためにたばこ会社に対して厳しい措置をしなければいけないが、そのときに公的年金でたばこ会社株を持っていたらどうするのか」である。JT株を所有する日本政府としては、非常に耳の痛い話でもある。日本政府はお茶を濁して答える。なぜ、国民から強制的に徴収したものを国が財テクするのか? 財テクは国の事業にふさわしうない。
9.GPIFがないと本当に困るのかを民主党には、疑問に答え頑張ってほしかったが、その期待は消えた。霞が関の役人は、「海外の公的年金でも市場で運用しているところがある」と反論する。かれらの出す例は、アメリカのカリフォルニア州の公務員退職年金基金カルパースや、ノルウェーの政府年金基金グローバルである。彼らは公的という話をするときに、相手が「政府」であればなんでも「公的」という。
10.カルパースは公務員の年金であり、一般市民が加入している年金ではない。ノルウェーのグローバルのほうも、石油収入を将来の年金財源にするために運用しようというもので、国民から強制的に徴収したカネを財テクするのとは違う。日本のGPIFとは事情が違う。
11.GPIFが年金準備金の運用指針を見直すという。回りが続く国債に資金の大半をつぎ込んできたが、それを改めて、株式の組み入れ比率を高めたり、海外の道路や港湾などのインフラ事業に投資するファンドへの投資を検討するというのだ。
12.市場関係者は賞賛の声をあげたが、果たして本当か疑問である。国が財テクをしても、責任の所在がひどく曖昧だ。組織の状態を変えず投資に積極的になれば、それこそ莫大な損失を抱える可能性が生じる。役人は、「少子高齢化で加入者が減る一方、受給者は増える。運用利回りの改善が必須」と主張する。投資が成功するのが大前提となっているが、実際には1993年から2013年までの20年間におけるGPIFの運用成績は、芳しいとはいえない。
13.マスコミは、「たとえ提案通りに運用指針を見直したとしても、人件費の削減もあり、GPIFは民間から腕利きのファンド・マネージャーを雇うことができない」などと霞が関の入れ知恵で、官僚の天下り先たるGPIFが人件費を増やせる環境づくりに手を貸した。本来なら横浜市に移転することになっていたGPIFは、虎ノ門に残っている理由も、優秀なファンド・マネージャーが集まらない、という言い訳を言う。だまされてはいけない。


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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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