2018年02月05日

外貨準備が維持される背景には、財務省の利権が関わる。このカネの運用委託先の金融機関や売り買いの手数料は、明らかにされので年金よりも酷い。

「高橋洋一著:
日本は世界1位の政府資産大国、講談社新書、2013年」は参考になる。「第8章:100兆円の外為特会はいらない」「終章:役人がの印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる狙う年金準備金100兆円」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.外貨準備が維持される背景には、財務省の利権が関わる。このカネをどこに運用委託しているのか、委託先の金融機関や売り買いの手数料については、一切明らかにされていない。これは運用先が公開されている年金よりも酷い状況である。
2.運用先を知っているのは、財務省の事務次官と国際局長、担当課長のみである。民主党政権時代の財務副大臣の要求にさえも応えなかったというエピソードがある。国民が選ぶ政治家に公開されず、財務省の数名の役人だけで勝手に決めている。財務省のなかでも他部署の人間は知ることができず、資料もないため、同省にいた私さえも、その実態を知らない。まさにベールに包まれており、外為特会の天下り利権といわれている。
3.外貨準備の運用を実際行っているのは金融機関だが、この運用はとてもおいしい。残高は100兆円といった規模なのだから、少なく見積もって、スプレッドが0.01%程度だとしても、100億円以上のカネが金融機関に入る。もちろん外債取引では、この数字がもっと高いので、金融機関にとって濡れ手に粟のビジネスになる。
4.金融機関にとって財務省の国際金融関係者はお得意様である。直接的ではないにしても、外郭団体などを使って財務省関係者の天下りを受け入れているのは、そのためである。財務省からしてみれば、こうした天下りネットワークを維持するためにも外貨準備残高の維持が必須で、外貨準備は増え続ける。
5.違う視点から外為特会を見ると。G7とG20の共同声明が発表され、アベノミクスの金融政策の結果で円安になり、国際的な批判を集めたが、なんとか切り抜けた。国際常識では、為替介入ではなく、国内政策としての金融政策によって引き起こされた通貨安は容認されるので批判が各国から上がるはずはない。
6.G7の共同声明では、「為替ルートは市場において決定されるべきこと」「財政・金融政策が、国内の手段を用いてそれぞれの国内目的を達成することに向けられてきていること」、今後もそうしていくこと」、「我々は為替ルートを目標にはしないこと」と盛り込まれたが、日本のマスコミにかかれぼ、これは「通貨安競争せず」となる。G7の共同声明にそのような表現はない。
7.マスコミが好むこの「通貨安競争」という言葉は、ミスリーディングである。この言葉を使う人は、1930年代の大恐慌は、激化した各国の通貨切り下げ競争が原因であるという「神話」をいまだに信じている。この考え方は経済理論的には間違っていたことが、最近の国際経済学研究で示された。
8.カリフォルニア大学教授のバリー・アイケングリーン氏とコロンビア大学教授のジェフリー・サックス氏が、通貨切り下げ競争が、各国経済に好ましい結果を導いたことを示した。他にも、イェール大学名誉教授の浜田宏一氏と内閣府経済社会総合研究所主任研究官を務めた岡田靖氏が、金融緩和競争によって通貨を下げても、むしろ世界各国の経済状況はよくなることを示している。
9.その理由は以下の通りである。どこかの国が通貨引き下げをすると、短期的に、それ以外の国はマイナスの影響を受ける。しかし、しばらくすると他の国も金融緩和を実施し始める。そうなってくると、各国ともにインフレ率が高くなるが、いずれの国も許容できるインフレ率には限界がある。結果、際限のないインフレに陥らないようにするため、金融緩和競争が永遠に続くことはない。要するに、一定のインフレ率と失業率に抑えようと各国が経済運営すれば、通貨切り下げ競争にはならない。すなわち、通貨切り下げ競争自体を避けようとするために、通貨引き下げを避ける必要はないということである。
10.こうした経済運営の結果、一時的な通貨切り下げによって、実際には各国経済の向上につながる。なぜなら各国がマイルドなインフレを維持することになり、最終的には近隣富裕化に転じ、世界経済全体に貢献する。
11.先進国は、最新の経済学によって判明した「通貨安競争」は悪くないという考え方で、自国経済優先の金融緩和を行っている。日本は、一刻も早くその「通貨安競争」に加わればよかった。
12.もはや役割を持たない外為特会を今後どうするかは、外為特会は徐々に減らしながら同時に借金も返済し、為替リスクには金融政策で対応していくべきである。どのように減らしていくかは、海外の政府系金融機関の株に買い換えていくのがいい。米国債や連邦住宅抵当公庫債などの外貨建て債を手放し、株式などの個別銘柄に乗り換えていく。金融機関の出資証券に出資する最大のメリットは、日本の顔が見える支援になるという点である。
13.金融危機に陥っている国の金融機関の出資証券を日本が購入し、そのおかげで危機を回避できれば、その国は、日本への感謝をずっと忘れない。IMFに出資して間接的に支援するより、外交的にも数段優れた方法である。出資金はやがて回収できる。政府系金融機関なら、国の倒産はまずあり得ないので、リスクもほとんどない。こうして適宜、外為特会を取り崩していき、最終的に廃止すれば、国民のメリットになる。
14.株式個別銘柄への転換は、外為資金を所管している財務省国際局長は言下に拒絶した。前例踏襲で新たなことにはチャレンジしないという役人の習性もあるのだろうが、財務省国際局の役人が運用先への天下りを確保し続けたいという思惑が働いた。


yuji5327 at 06:51 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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