2018年03月24日

イスラエルがハイテク、軍事技術の一大拠点であるのも、「若い国」でイノベーションが起こるからである。日本の最大の脅威は少子化である。長期的な取り組みが必要。

「エドワード・ルトワック(米戦略国際問題研究所上級顧問)、池上彰著:米軍攻撃の鍵を握るのは日本だ、
文藝春秋、2017.12」は興味深い内容である。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.日本に必要なのは、平時のメンタリティで「対地攻撃能力」に関して合意を図ることではなく、戦時のメンタリティでJDAMを追加購入することである。JDAMは、陸海空の3軍が共通して使えて汎用性が高いという利点がある。これを「研究のため」と称して購入すれば、本物のメッセージとなる。
2.国としての連帯感を失わずに進めなければならないが、民主主義の国、言論の自由のある国ではとても難しいが、正面から議論して国論を2分してはいけない。少額でもいいから契約書を交わして書類上の手続きを進めるだけでも、それが外交的なメッセージとなる。
3.北朝鮮も「日本にやられる前にやろう」と先制攻撃をしてくる能力はない。核弾頭さえなければ、スカッドミサイルは脅威ではない。精度の問題もあるが、大きなリスクではない。湾岸戦争時にイラクからイスラエルに40発程度のスカッドミサイルが撃ち込まれたが、犠牲になったのは、警報を無視してビーチを歩いていたカナダの旅行者と一匹の犬だけだった。ミサイルは、核弾頭がなければ無駄なものである。
4.日本が対地攻撃用の部品を買い始めれば、必ず米国と中国の知るところとなる。北朝鮮が、仮に知って、スカッドミサイルを日本に撃つとしても、それによって多少の被害が出たとしても、翌日には米国の大反撃を喰らい、北朝鮮は存続不可能となる。ミサイルが日本に届いた時点で「北朝鮮の負け、日本の勝ち」なる。北の非核化が実現する。
5.最も重要なのは、核ミサイルを持った金正恩の言いなりになってよいのかということである。北の核ミサイルは、ロシアや中国のそれとは、全く意味が異なる。
6.10月に開催された5年に1度の中国共産党大会で、習近平は、後継者を指名しなかった。後継者を指名しないことによって習近平は、党を完全に掌握したことになるが、彼が掌握できるのも、中国社会のごく一部である。党大会では、毛沢東思想、郡小平理論、習近平思想などの思想が議論されたが、「そんな思想なんか死んだネズミよりも使えない」と市民は感じている。
7.中国の外交的無能さは今後も続く。「戦略以外はすべて劣るのに戦略だけは優れている」というロシアに対し、「戦略以外はすべて優れているのに戦略だけは劣る」のが中国である。中国は、伝統的に戦略や外交が下手である。まず対外認識が不足している。16年間、アフガニスタンで戦った米国も相手を理解できていなかったが、中国も北朝鮮を理解できない。米国が遠方のアフガニスタンを理解できないのは仕方ないとしても、中国は隣国すら理解できない。
8.中国は近年、自らの大国化を誇示してきたが、かえって、米国、日本、インド、ベトナム、インドネシア、フィリピン、オーストラリアといった国々による「対中包囲網」が形成された。今回、習近平は、党内の独裁体制を強化したが、閉鎖的なシステムほど、外からのシグナルが入ってこなくなる。中国の常務委員は、ロシアが立場をやや反中的に変えたことにも気づいていない。
9.日本には、「中国はそれほど心配するな」と言いたい。それよりも北朝鮮の方が問題である。中国に対峙するには、これまでの「戦後システム」で十分だが、北朝鮮に対しては、従来のメンタリティを変えなければいけない。
10.日本がいま、ターニングポイントに立っていることを認識すべきである。日本は戦略的に優れた国である。内戦の戦国時代を経て、幕藩体制ができたが、これは関所や参勤交代などの仕組みで戦争を防ぐトータルなシステムだった。着飾った貴族がベルサイユ宮殿に集うことで平和を維持しようとしたフランス王政より完壁なシステムである。江戸から明治へと日本は再びドラスティックな転換を遂げた。ヘアスタイルから服装、教育、軍隊、官僚制まですべてを変えて近代化に適応した。さらに太平洋戦争後の復興は終戦の翌日から始まり、短期間に復興を遂げて戦前よりも豊かになった。
11.強調したいのは、日本の適応力である。戦争から戦後復興に一気に変わる。「戦後システム」とは、米国の保護の下で、(当時の)防衛庁(軍事)より通産省(経済)が中心となり、外務省は実質的に「対米関係省」というものだった。それが戦後70年、うまく機能してきた。中国は、心理的にはともかく、軍事的、戦略的な脅威ではない。しかし、北の核ミサイルの脅威には、「戦後システム」だけでは十分でないことを認識すべきである。
12.戦略を根本から考えると、少子化対策こそ、今後、国としての勝利への道につながる。スウェーデン、フランス、イスラエルは、少子化対策の先進国、要するに「若い国」である。不妊治療や育児・教育制度を充実させ、高い出生率で、次世代の「税金を払う国民」と「国としての活力」を生み出している。
13.スウェーデンは、プーチンが軍事的に脅し始めると即座に反応し、ほぼ異論なしに徴兵制の再導入を決定した。スウェーデンが最後に戦ったのは1814年の大昔なのにである。これは「若い国」だから可能だった。フランスの不人気だったオランド前大統領も、テロリストが侵入したアフリカ・マリに軍事介入した。米国にも、NATOにも、EUにも、国連にもいっさい相談なしに、不人気なのに、この時だけは国民に支持された。これも「若い国」だからできた。
14.イスラエルがハイテク、軍事技術の一大拠点であるのも、「若い国」でイノベーションが起こるからである。日本の最大の脅威は少子化である。「ヤング・ジャパン」が必要である。「若い日本」をつくるのは長期的に取り組むべき課題だが、「北の核ミサイル」という眼前の脅威を除去するには、今が最後のチャンスで一刻の猶予も許されない。



yuji5327 at 07:01 
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
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