2018年03月26日

官僚的なメンタリティでは、「防空システムを破壊して安全を確保した後に目標を攻撃する」と言うが、それでは失敗する。

「エドワード・ルトワック(米戦略国際問題研究所上級顧問)、池上彰著:米軍攻撃の鍵を握るのは日本だ、
文藝春秋、2017.12」は興味深い内容である。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.日本の基本方針は、専守防衛である。日本の戦闘機は、飛行機で攻めてきたら飛行機で対抗するという「対空攻撃能力」は持っているが、敵地まで飛んでいって地上を攻撃する「敵地攻撃能力」も備えるべきである。それを政府の手続きとして進める。そういうシグナルを送るだけで、中国側のリアクションが起こり、「日本にはやらせたくない」となる。
2.米国は「日本は本気だ。それなら同盟国の俺たちがやるよ」と動くようになる。韓国のように無責任な態度ではダメである。北朝鮮の軍事力を侮ってはいけない。彼らの軍事力は、他国の数倍効率がいい。経済規模は、名古屋市の規模以下でも、百万人の兵力も、潜水艦発射型ミサイルも、弾道ミサイルも、核兵器もある。ペンタゴンの年間文具代と同程度の資金でこれだけの装備を備えている、
3.彼らが唯一持っていないのが、最新型のレーダーである。対空ミサイルも、近代的な空軍もない。防空システムは無きに等しい。北朝鮮の上空には何もなく、「窓が開いている」状態だが、その「窓」も時間とともに徐々に閉じつつある。現段階であれば、日本の航空部隊が北朝鮮に飛んで行って、すべてのターゲットを3度も4度も攻撃できる。「対地攻撃能力」の準備の目的は、実際に自衛隊が攻撃に行くというより、外交的なものだから、政府の手続きとして粛々と進め、本気度は示す必要がある。
4.通常のやり方で軍需企業に依頼すれば、10年も15年もかかるが、本気になれば、主力戦闘機F15を対地攻撃機に変えるのに、3週間もかからないで安上がりにできる。最高水準のものは必要なく、現行装備に少し変更を加えればよい。
5.防空システムの脆弱性を自覚する北朝鮮は、核・ミサイル施設を地下の深いところにつくっている。米国は地中貫通型爆弾バンカーバスターも開発している。1990年のサダム・フセインのクウェート侵攻の際、イラクの地下バンカーはかなり深いということだったが、通常の500ポンドの爆弾で爆破できた。
6.北朝鮮の地下施設もそれほど強固なものとは思えない。北朝鮮のターゲットは、通常弾でも破壊可能である。「敵地攻撃能力の獲得」を日本の世論やメディアが簡単に許すよかどうかは、そんな不可能な決断を日本の政治家に求めてはいけない。一国の国力は、人口、経済規模、技術水準などに左右されるが、国としてのまとまりも、国力の重要な要素である。国論を2分するようなアドバイスを政治家が公に議論すれば、必ず国論が2分され、日本の分裂につながる。そうなれば、ワシントンも、北京も、「日本は何もできない」と判断し、日本は国益を失うだけである。
7.日本政府にできるのは、行政的な手続きを進めることである。部品の購入だけで、一つのシグナルとなる。国論を2分するのではなく、目立たないように、「本気だ」とワシントンと北京の専門家だけが分かるような形でメッセージを送る。小さな部品でいい。日本には二人乗りのF15DJが45機ある。後部座席にはモニターなどが付いているが、その分だけ機材を載せる余裕がある。これを改造するのは簡単です。1985年、キプロスでパレスチナ解放機構(PLO)によるイスラエル人に対するテロが起こり、それへの報復としてチュニジアのPLO本部を爆撃した際(木の脚作戦)、イスラエル空軍は、短期間のうちに対空用F15Aを対地用に改造し、作戦を成功させた。対空攻撃機を対地攻撃機に変えるのは簡単である。
8.イスラエルは、その4年前の1981年、イラクの核開発阻止のために、原子炉も破壊した。フセイン政権がフランスの原子炉を導入してプルトニウムを得ようとした。攻撃による放射能汚染を避けるために、燃料棒が運び込まれる直前に、イスラエル空軍機が他国のヨルダン上空を通過してイラクまで長距離飛行・爆撃をして、全機無事に戻った(バビロン作戦)。
9.当時はイラン・イラク戦争の開始直後で、イラク空軍もほぼ臨戦態勢で、対空砲もレーダーもあった。しかも精密誘導爆弾ではなく肉眼で通常ターゲットに命中させた。日本はすでに、もう一つの主力戦闘機F2に搭載できるIDAM(通常爆弾を精密誘導型に替えるキット)を持っているから、F15にもJDAMを装着できるように改造すればいい。JDAMを搭載した日本の戦闘機であれば、より容易に作戦は成功できる。
10.JDAMとは、対地精密誘導爆弾で、何キロも離れたところから発射しても、GPS誘導でターゲットに命中する仕組みになっている。改造が知られても、ボーイング社には、「ただ実験しているだけです」と言えばいい。イスラエルも、対地用への改造については「これはテクノロジー上の実験」と言っている。
11.実際の作戦には、戦時のメンタリティが必要で、官僚的なメンタリティでは、「防空システムを破壊して安全を確保した後に目標を攻撃する」となる。日本の防衛関係者もそう言うが、それでは失敗する。バビロン作戦の際、イスラエルは、イラクの戦闘機もミサイルも完全に無視して、奇襲をかけて、一直線で最短距離でターゲットに向かった。これこそリスクを取る戦時のメンタリティである。実際に戦わなくともいい。というメンタリティが必要でである。


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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
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・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
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