2018年03月31日

アメリカ経済が急回復したのは、古いタイブの製造業に依存していなかったからで、深い傷を負ったのは、古い産業構造を温存した日本だった。

「野口悠紀雄著:構造改革を阻害した円安と輸出の増加、
週刊ダイヤモンド、2018..02.10」1.1990年代の末に金融磯関の破綻が相次ぎ、日本経済全体が大きく落ち込んだ。法人企業の営業利益は、98年度には、90年度の約半分の水準にまで減少した。実質国内総生産(GDP) の対前年度成長率は、98年度にはマイナスになった。企業の売上高はその後も減少を続け、2002年度には90年度より約7%低い水準になった。株価は、02年まで、変動を繰り返しながら傾向としては下落していった。日経平均株価は、89年末の3万8916円から、95年末には1万9868円となり、さらに02年末には8579円まで下落した。
2.こうした状態に対処するため、99年にゼロ金利政策が、01年に量的緩和政策が導入された。直接的な為替介入も行われた。それまでも介入は断続的に行われていたが、03年から04年にかけて、未曾有の大規模介入が行われた。介入額は、03年-月から急激に増加し、04年4月までの累積額は、35・3兆円に上った。
3.この背景にあるのは、円高が進んだことで、円ドルレートは、02年初めの1ドル=130円台から、03年初めには同l10円台まで上昇した。「1ドル=100円を超える円高を阻止する」というのが、介入の目的だった。大規模介入の効果は、円高の進行を食い止めた。円安が再び進んだのは、05年からアメリカの金利が上昇し、日米金利差が拡大したからである。これが円キャリー取引を誘発し、円安を加速した。
4.企業の売上高は回復した。07年度には、90年度より10.6%高い水準になった。営業利益も増加し、07年度には、90年度とほぼ同じ水準まで回復した。株価も上昇し、06年末には日経.平均株価は1万7226円になった。90年代末から2000年代初めにかけて日本を覆っていた暗雲が立ち去ったと、多くの日本人が感じていた。
5.日本経済が回復したのは、輸出が増えたからである。輸出は、90年代の後半にはほとんど停滞していたが、02年から増加し始め、07年には01年の1.71倍になった。この期間には輸入も伸びたが、貿易黒字は、01年の6.63兆円から07年の10.3兆円まで、1.64倍に増えた。輸出が増えたのは、円安のためというよりは、アメリカの輸入が全体として増えたからである。円安のためならば、アメリカの輸入総額に占める日本の比率は、上昇したはずだが、この比率は、02年の10.5%から継続的に低下し、07年には7.4%になった。.
6.アメリカの輸入が増えたのは、アメリカで住宅バブルが起きたために、消費が増えた。今、100万ドルの家を全額住宅ローンで購人したとすると、その住宅が150万ドルに値上がりしたとすると、差額50万ドルは「ホームエクイティ」と呼ばれる。これを担保に借り入れをすることを「ホームエクイティローン」という。この資金.で消費ができる。
7.「キャッシュアウト・リファイナンス」と呼ばれる手法もある。金.利が2分の1に低下したら、値上がり後の住宅価格の限度まで借り入れをして150万ドルを手に入れる。元のローンを返却すれば、50万.ルの現金が手元に残り、金利の支払いは前より少なくなる。住宅価格が値上がりを続け、金融緩和が続いたため、「何の負担増もなしに、現金が手元に発生する」という魔法のようなことが可能になった。
8.当時、新規従宅ローンの約6割は、キャッシュアウトを伴う借り換えだった。これにより巨額の現金が家計部門に転がり込んだ。得られた現金は、自動車購入などに用いられ、日本からの輸出が増大した。
9.日本の貿易黒字は、資本輸出されてアメリカに還流し、住宅ローン証券化商品に投資される。それが住宅価格を引き上げる。こうして、バブルの自己増殖的な膨張が生じた。日本の輸出増は、アメリカの住宅価格パブルなしでは起こり得なかった。
10.03年ごろからの景気回復は、アメリカの住宅バブルに乗ったものにすぎなかった。日本人は、それが一時的なバブルにすぎないことに気付かず、改革を怠った。04年から05年ごろの日本とアメリカで、対照的な動きが生じていた。日本ではテレビ生産のために、垂直統合型の大工場が建設された。その典型がシャープの亀山工場で、O4年に巨大な液晶パネル工場が完成し、06年に第2工場が稼働した。これは、製造業で進行しつつあった水.平分業への流れに逆行するものだったが、技術流出を防ぎ、かつ効率の良い生産方式であるとされた。
11.アップルは、それまでは垂直統合で国内生産する方式だったのを転換し、iPadの生産からは水平分業に移行した。最終的な組み立ては、中国のフォックスコンが行った。これが「ファブレス」(工場なし)という、製造業の新しい形である。この違いが何をもたらしたかは、その後のシャープとアップルがたどつた道を見れば、明らかである。シャープは、フォックスコンの親会社である台湾の鴻海精密工業にのみ込まれ、アップルは、時価総額で世界一の企業に成長した。
12.世界では、新しい時代をリードする企業が成長している。アメリカのGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)、中国のBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)と呼ばれる企業群である。日本では、そうした動きが生じなかった。
13.リーマンショック後に、日本では、「アメリカ経済が破綻した」という議論が大流行した。「資本王義がもう機能しない」という類いの議論も人気を博したが、そうではなかった。アメリカ経済は急回復したのは、古いタイブの製造業に依存していなかったからで、深い傷掛負ったのは、古い産業構造を温存した日本だった。
14.2000年代初めに、小泉改革が行われたが、経済的に意味がなかった。小泉改革の郵政改革の郵政事業は、小泉内閣の登場前にすでに郵政省の事業から郵政事業庁に再編されていた。財政投融資制度は、小泉内閣が登場する前に、すでに改革されていた。


yuji5327 at 06:46 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
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