2018年04月11日

自動車メーカーが10年以上の歳月をかけて品質を安定させてきた領域、テスラといえども、自動車メーカーが蓄積したものづくりの知見を取り込むのは容易でない。

「宮本夏実著:誰がEV覇権を握るのか、
東洋経済、2018・3・10」は面白い。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.2017年は自動車各社がEV〔電気自動車)など電動車のロードマップを大々的に公表し、「EVバブル」とも言われた年だった。同年9月には、英家電メーカーのダイソンまでが開発中のEVを20年までに投人すると公表した。調査会社EVボリュームズによれば、EV・PHV(プラグインハイブリッド車)の世界販光は17年に122万台〔前年比58%増〕で、うち半数を補助金や都市部の優遇策が充実している中国が占めた。
2.米国は17年秋から、約10州で排ガスゼロ車の販売義務を課す親制が強化され、中国でもEVなどの生産を一定割合で義務づける新規制が17年9月に発表された。欧州では、走行で排出されるCO2の削減を義務づける規制(CAFE)が強化され、30年の規定値はEVの大幅な普及.なしには達成できない。英仏は昨年、40年までにガソリン車、ディーゼル車の販売を禁止する方針を打ち出している。
3.世界各国の規制強化の根底にあるのが、15年のCOP21(気候変動枠組み条約会議)で採択されたパリ協定で、工業化以降の地球の平均気温上昇を2℃以内に抑えるという国際的な目標である。
4.これを実現するためには、ガソリン車やディーゼル車の割合を年々減少させ、世界全体の自動車保有台数のうち、4分の3以上を電動車にする必要がある。自動車メーカは電動化シフトが不可欠の情勢で、トヨタ自動車も昨年12月、電動車普及に向けた具体的なロードマップを打ち出した。EVをはじめとする電動車が注目されるきっかけは15年秋に発覚した独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題である。欧州のCAFEに対応するにはCO2排出景の少ないディーゼル申が活躍するはずだったが、不正発覚でそのもくろみが崩れ。欧州全体で電動車の必要性が急速に高まった。
5.VWのマティウス・ミュラーCEOは「25年までに電動車で世界一になる」と豪語しているが、自動車業界からは「車種や台数で大きな数字をブチ上げただけで、方策が見えない」といった批判が多い。パナソニックと提携し「〔電動車に不可欠な}電池という最後のピースが埋まった」と言うトヨタに比べ、VWの電池戦略が不透明である。VWは、25年までに6・5兆円の電池調達を実施すると発表し、不安の払拭に努めている。
6、VWはガソリン市やディーゼル車で「MQB」と呼ばれるモジュール化戦略に巨額投資中である。トヨタに比べて収益性が低く、投資家からその改善要求が強いにもかかわらず、電動車の開発は大きな負担となっている。VWに限らずEVへの巨額投資は投資家の懸念するところである。米ゼネラル・モーターズ(GM)のメアリー・バーラCEOは昨年11月の投資家向け説明会で、バッテリー価格を3割下げ、新プラットホーム(車台)を投入することでEV事業を黒字化させるとの見.通しを語った。同社は26年までに排ガスゼロ車(EV、FCV(燃料電池車))を100万台にするという目標を掲げている。FCVでGMと協業関係にあるホンダもEV強化に注力している。17年秋の独フランクフルトモーターショーでは、19年に発売するEVのコンセプト車を公開した。
7.「量販価格帯のEVのリーダーはわれわれだ」と強気な発言をするのが、仏ルノー・日産自動車・三菱自動車連合で3社の会長を務めるカルロス・ゴーン氏だ。目産は昨年10月にEV「リーフ」を10年の発売以来初となる大幅刷新をした。また、ルノー・三菱とともに中期経営計画を発表し、22年までにEVを12車種を投人する予定である。中国でも日産は、合弁相手の東風汽車と22年までに20車種以上の電動車を販売する。
8.EV時代の寵児としてもてはやされてきた米テスラは、初の量販価格帯車種である「モデル3」(約400万円)の立ち上げに苦しんでいる。17年10〜12月の生産実績は2425台と、17年7〜9月の260台から増加したが、週5000台の生産目標の達成は18年第2四半期に延期された。
9.自動車メーカー幹部は、テスラの苦戦はさもありなんと言う。ロボット溶接や電池セルのパッキングなどは、自動車メーカーが10年以上の歳月をかけて品質を安定させてきた領域である。EVやコネクティッド〔車と通信の接続)、自動運転で大手に先んじたテスラといえども、自動車メーカーが蓄積したものづくりの知見を取り込むのは容易でない。
10.宇宙からトンネルまで多くの事業を手掛け、テスラでの去就が注日されていたイーロン・マスク氏が、株価に連動した今後10年問の報酬制度の下で、テスラのトップを長期にわたり継続すると1月に公表された。モデル3を軌道に乗せることに時間をかけて取り組むと同時に、小型SUV(スポーツ多目的車)や大型トラックなど、EVの車種を拡充する長期ビジヨンにコミットする姿勢を、投資家に打ち出した。
11.中国での現地生産もうわさされ、今後も資金力は旺盛で、資金調達の観点からも、信用力を維持してきたマスク氏の続投は重.要になる。テスラの量産拡大が先か、既存の自動車メーカーの巻き返しが強まるか、覇権争いの熾烈化は必至である。


yuji5327 at 06:47 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
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 春興賞の受賞:2回
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