2018年07月05日

身体の代わりになる機械を神経を通じて操縦する手法を研究する分野を、「ニューラル・プロステティクス」と呼ぶ。未来の医療を担う新しい学問である。

「池谷裕二著:
進化しすぎた脳、講談社、2017年。10月34冊」は面白い。「第1章:人間は脳の力を使いこなせていない」の印象に残った部分の概要の続きを自分なりに補足して纏めると以下のようになる。」
1.自分で意志を持つて動くことが自分であることだ。と僕はおもうので、他の人にコントロールされればそれはもう自分ではないのではないか。快楽を求めるように仕向けられ、その刺激を他者から与えられていても、自分の意志に沿って移動しているから、自分だとも考えられる。
2.モチベーションは快楽だ。このネズミに「いまは快楽はいらないから指令とは反対に左に行こう」ということができない。そういう選択ができれば、自由、意志が媒介する余地がある。
3.単に脳を刺激したり記録したりするという原始的な実験の段階から、脳科学は一歩前進した。装置そのものは単純で、ネズミの部屋に水を与える給水管とレバーがある。ネズミがレバーを押すと給水管から水が出てくるので、ネズミはレバーを押せば好きな時に水が飲めることを学ぶんだ。
4.レバーを押すと水が出てくる。脳科学の手法を使って、脳がどんな活動をしているかを調べることができる。レバーを押した時の脳神経の反応を記録する。その記録データがあれば、今度は逆に、ネズミを観察していなくても、記録計さえ見ていれば、実験者はネズミがレバーを押したとわかる。
5.コンピュータ制御でリアルタイムのコントロールを試みる。脳がこういう反応をしたら自動で水が出る、という装置をつくることもできる。レバーを押したら水が出ることを知っているネズミに手術を施して、脳に電極を埋め、ネズミが「レバーを押す」という行動中の脳の反応を検出して、その反応があったらレバーとは関係なしに水が出るようにしておく。ネズミは最初、レバーを押して水を飲んでいたけれど、レバーを押さなくても、押そうと想像しただけで水が出る。そのことにネズミが気づくと、このネズミはレバーを押さずに〈念力〉だけで水が飲めるようになった。
6.TVゲームのジョイスティックを動かすと腕の形をしたロボットアームが自由自在に動く。動くだけでなくてものを掴んだり持ち上げたりもできる。けっこううまく動かす。いまはもっと巧妙なロボットアームができている。
7.訓練の結果、サルはこのロボットアームを自在に動かして、机の上に置いてあるものを掴んだり置いたりできるようになった。手術して脳に電極を刺して脳の活動を記録する。ロボットアームを動かそうとすれば、神経がたくさん活動する。それを細かくコンピュータで調べあげて、神経を一個一個分離していく。多くの場合は神経はグループとして活動する。これとこれの組み合わせの時は握ろうとする。する。別の組み合わせの時はアームを伸ばそうとする。自分の神経細胞の活動から記録されたデータに基づいてロボットアームの動きを再現する。ジョイスティックを経ずに、ロボットアームを脳から直接に遠隔操作していることになる。
8.サルの手を動かないように縛っても、サルは、巧みにロボットアームを操ることができた。これはものすごく重要な意味を持っている。たとえば交通事故などで全身不随になった患者でも、念じるだけで義手なり義足を動かせるようになる。車椅子も動かせるかもしれない。
9.このように、体の代わりになる機械を神経を通じて操縦する手法を研究する分野を、「ニューラル・プロステティクス(神経補綴学)」と呼ぶ。未来の医療を担う新しい学問である。
10.このサルはずっと電極が刺さったままだが、何ヵ月も電極が刺さったままでも、いまのところ異状や感染はない。ヒトが使うとしたら、長期的な安全がどのように確保されるかが次のポイントになる。
11.アメリカでは政府が2004年4月に、この装置を人間に応用することを許可して、脳卒中や脳性麻痺、筋萎縮性側索硬化症といった体が動かなくなる病気の患者たちに、脳チップを埋め込む手術が臨床の現場で開始される。



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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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