2018年08月03日
2000年前後に日本市場に参入した海外の大手スーパーが相次ぎ撤退している。カルフールやテスコ、ウォルマートなど、コストコは根強いファンを獲得している。
2018/7/27付けの大前研一 さんの「ニュースの視点 」（発行部数 167,909部）は、「旭化成／外資系スーパー／ポーラ・オルビスHD／配車サービス／セブン-イレブン・ジャパン〜ウォルマート日本撤退は既定路線」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
１．旭化成は、自動車の内装材などを製造する米セージ・オートモーティブ・インテリアズを約7億ドル（約791億円）で買収すると発表した。旭化成は人工皮革の商品などをセージ・オートモーティブ・インテリアズに納入しているので、すでに両社に関係性はある。
２．自動車業界が衰退していく潮流において、この値段で買収に踏み切ったのは思い切った決断である。自動運転や電気自動車になっても、座席などの需要は減るわけではないので、この買収はある程度合理的だと言える。残念なのは、もう少し早く買収していれば、自動車業界の最盛期を謳歌できた。買収に合理性は見られるが、タイミングはもったいない点がある。
３．時事通信は14日、「黒船、相次ぐ日本撤退」と題する記事を掲載した。2000年前後に鳴り物入りで日本市場に参入し、「黒船」と呼ばれた海外の大手スーパーが相次ぎ撤退している。
４．カルフールやテスコはすでに撤退している。ウォルマートは、撤退の決定はしていないものの、撤退に向けて動いている。コストコやメトロは独自に健闘していて、特にコストコは根強いファンを獲得している。ユニークな商品開発にも成功している。それができなければ、「Everyday low price」だけでは生き残れない時代になった。
５．ウォルマートの海外店舗数を見ると、日本の店舗数は300店を超えているが、4年前と比べると、100以上も店舗数を減らしている。ブラジルも同様に4年前と比べて、店舗数を減らしている。日本もブラジルも撤退するというのは、当然の流れである。
６．ビジネスジャーナルは20日、「化粧品のポーラ、内紛泥沼化で汚れるブランド」と題する記事を掲載した。今年2月、各週刊誌がポーラ・オルビスのお家騒動を報じた。鈴木郷史社長の元側近が鈴木氏の不正を暴くメールを取締役などに宛てて一斉に送信した。これをきっかけに2000年に亡くなったポーラ2代目社長の千壽夫人が、遺産相続をめぐり鈴木社長を提訴した。
７．不正を暴くメールを送信した人という元側近の一人も、社長になる約束だったのに反故にされたという話がある。レベルが低すぎる話で呆れる。ポーラ・オルビスは、海外比率は低いものの、営業利益率も高く、非常に優秀な経営をしていただけに、残念である。
８．ソフトバンクは19日、中国配車アプリ大手の滴滴出行とタクシー配車サービスを手掛ける合弁会社を設立したと発表した。新会社はスマホアプリでタクシーを呼ぶことができるサービスを展開する他、AIを活用しどの場所にどのくらいの乗車需要があるかを事前に予測するシステムをタクシー会社に提供する。滴滴出行はアリババから出資を受けていて、そのアリババにソフトバンクは投資している。
９．孫社長が日本政府によるライドシェア（白タク）サービスの規制に対して「こんなバカな国はない」と批判したことが報じられているが、これは孫社長の発言が間違っている。世界の主要国のライドシェア（白タク）への対応状況を見ると、すぐに理解できる。
１０．米国はカリフォルニア州など一部で許可しているだけで基本的に禁止、英国・フランス・ドイツ・日本・韓国・台湾・シンガポールはすべて禁止である。孫社長は日本だけがバカなことをやっていると批判したわけだが、他の国も同様である。逆に中国だけが実質無法状態で、旅客運送に関する法整備が追いついていないだけである。滴滴出行がシェアの9割を獲得することができたのである。
１１．個人的には市場を開放しても良いと感じるが、今回の発言は別問題である。滴滴出行、グラブ、ウーバーなど自分が配車アプリの企業に投資したからといって、それを正当化するために、国を批判するのはおかしな話である。経営者としてあるまじき姿勢である。
１２．まぐまぐニュースは20日、『コンビニ「ちょい生」中止騒動。セブンイレブンは何を誤ったのか』と題する記事を掲載した。セブンイレブンの一部店舗で17日から試験販売が始まる予定だった「生ビールサーバー」が想定を大幅に上回る反響で中止になった。
１３．コーヒーを販売している横で、ジョッキで飲めるビールを販売するというのは魅力的に感じる。日本はアルコール類の販売について他の国に比べると規制は緩やかである。日本に来た外国人の多くは、自販機でアルコール類が売っていることに驚く。しかし、今回のようにコンビニの店内で、気軽に飲めるような形でアルコール類の販売をするとなると、未成年者や運転手への販売など考慮すべきことが多々ある。セブンイレブンとしても、今回のことは調子に乗りすぎて事前の調整などを怠って進めてしまったと思われる。
１．旭化成は、自動車の内装材などを製造する米セージ・オートモーティブ・インテリアズを約7億ドル（約791億円）で買収すると発表した。旭化成は人工皮革の商品などをセージ・オートモーティブ・インテリアズに納入しているので、すでに両社に関係性はある。
２．自動車業界が衰退していく潮流において、この値段で買収に踏み切ったのは思い切った決断である。自動運転や電気自動車になっても、座席などの需要は減るわけではないので、この買収はある程度合理的だと言える。残念なのは、もう少し早く買収していれば、自動車業界の最盛期を謳歌できた。買収に合理性は見られるが、タイミングはもったいない点がある。
３．時事通信は14日、「黒船、相次ぐ日本撤退」と題する記事を掲載した。2000年前後に鳴り物入りで日本市場に参入し、「黒船」と呼ばれた海外の大手スーパーが相次ぎ撤退している。
４．カルフールやテスコはすでに撤退している。ウォルマートは、撤退の決定はしていないものの、撤退に向けて動いている。コストコやメトロは独自に健闘していて、特にコストコは根強いファンを獲得している。ユニークな商品開発にも成功している。それができなければ、「Everyday low price」だけでは生き残れない時代になった。
５．ウォルマートの海外店舗数を見ると、日本の店舗数は300店を超えているが、4年前と比べると、100以上も店舗数を減らしている。ブラジルも同様に4年前と比べて、店舗数を減らしている。日本もブラジルも撤退するというのは、当然の流れである。
６．ビジネスジャーナルは20日、「化粧品のポーラ、内紛泥沼化で汚れるブランド」と題する記事を掲載した。今年2月、各週刊誌がポーラ・オルビスのお家騒動を報じた。鈴木郷史社長の元側近が鈴木氏の不正を暴くメールを取締役などに宛てて一斉に送信した。これをきっかけに2000年に亡くなったポーラ2代目社長の千壽夫人が、遺産相続をめぐり鈴木社長を提訴した。
７．不正を暴くメールを送信した人という元側近の一人も、社長になる約束だったのに反故にされたという話がある。レベルが低すぎる話で呆れる。ポーラ・オルビスは、海外比率は低いものの、営業利益率も高く、非常に優秀な経営をしていただけに、残念である。
８．ソフトバンクは19日、中国配車アプリ大手の滴滴出行とタクシー配車サービスを手掛ける合弁会社を設立したと発表した。新会社はスマホアプリでタクシーを呼ぶことができるサービスを展開する他、AIを活用しどの場所にどのくらいの乗車需要があるかを事前に予測するシステムをタクシー会社に提供する。滴滴出行はアリババから出資を受けていて、そのアリババにソフトバンクは投資している。
９．孫社長が日本政府によるライドシェア（白タク）サービスの規制に対して「こんなバカな国はない」と批判したことが報じられているが、これは孫社長の発言が間違っている。世界の主要国のライドシェア（白タク）への対応状況を見ると、すぐに理解できる。
１０．米国はカリフォルニア州など一部で許可しているだけで基本的に禁止、英国・フランス・ドイツ・日本・韓国・台湾・シンガポールはすべて禁止である。孫社長は日本だけがバカなことをやっていると批判したわけだが、他の国も同様である。逆に中国だけが実質無法状態で、旅客運送に関する法整備が追いついていないだけである。滴滴出行がシェアの9割を獲得することができたのである。
１１．個人的には市場を開放しても良いと感じるが、今回の発言は別問題である。滴滴出行、グラブ、ウーバーなど自分が配車アプリの企業に投資したからといって、それを正当化するために、国を批判するのはおかしな話である。経営者としてあるまじき姿勢である。
１２．まぐまぐニュースは20日、『コンビニ「ちょい生」中止騒動。セブンイレブンは何を誤ったのか』と題する記事を掲載した。セブンイレブンの一部店舗で17日から試験販売が始まる予定だった「生ビールサーバー」が想定を大幅に上回る反響で中止になった。
１３．コーヒーを販売している横で、ジョッキで飲めるビールを販売するというのは魅力的に感じる。日本はアルコール類の販売について他の国に比べると規制は緩やかである。日本に来た外国人の多くは、自販機でアルコール類が売っていることに驚く。しかし、今回のようにコンビニの店内で、気軽に飲めるような形でアルコール類の販売をするとなると、未成年者や運転手への販売など考慮すべきことが多々ある。セブンイレブンとしても、今回のことは調子に乗りすぎて事前の調整などを怠って進めてしまったと思われる。
