2018年09月05日
パーカー探査機は出発から3カ月ほどでコロナに飛び込み、12月上旬には最初のデータを地球に送ってくる予定である。何年もかかる惑星探査に比べると、かなりスピーディーである。
「エイミー・トンプソン著:NASAの探査機、太陽に挑む、Newsweek,2018.09.04 」は興味深い。概要の続きを自分なりに纏めると以下のようになる。
1.「太陽フレアや太陽風を引き起こすエネルギーは太陽の磁場によるものらしい」とバイアルは言う。「磁場がなんらかの形でエネルギーを生み出し、太陽の大気内に蓄積し,やがて放出すると考えられる」。
2.探査機は磁気計を搭載しており、エネルギー放出直後の磁気の状態も計測できる。それで大きな手掛かりが得られるかもしれない。このようなデータを集めれば、宇宙の「天気予報」の精度も増すだろう。
3.探査機はもうーつの謎、太陽のコロナはなぜあれほど高温なのかという疑問に答えるヒントも見つけてくれそうである。60年前のパーカーを悩ませた大きな謎である。地球の磁気圏外まで探査機を飛ばせなかった時代にも、太陽の周辺が表面より300倍も高温なのは知られていた。どう見ても自然界の法則に反している現象だと、ジョンズ・ホプキンズ大学の応用物理学研究所に所属するフォックスは言うが、どうしてなのかは、まだ誰にも分かっていない。
4.パーカー自身は、コロナの高温は太陽の表面で起きるナノフレアという微小な爆発現象によるものと考えている。探査機はコロナの中を飛んでナノフレアの形跡を探す。「パーカー探査機の任務は,いわば太陽に温度計を突っ込むことだと、バイアルは言う。「今までは写真の分析で温度を推測していたが、それだけでは分からないことか多い」。
5.パーカー探査機は出発から3カ月ほどでコロナに飛び込み、12月上旬には最初のデータを地球に送ってくる予定である。何年もかかる惑星探査に比べると、かなりスピーディーである。探査機にその名を冠せられたユージン・パーカーは、今度のミッシヨンをどう考えているのだろう。「ワクワクするよ、今までは探索できなかった宇宙の領域を調べられるのだから」。と語っている。
6.「太陽風の中で何が起きているのか、より詳しいデータが得られるだろう。きっと驚くべき発見があると思う。それが宇宙の常だ」と言う。