2018年09月14日

これまでのメーカーは「作って終わり」だったが、これからの世の中では、顧客との接点を持てていないと生き残れない。

2018/9/7付けの 大前研一さんの「 ニュースの視点 」(発行部数 166,991部)は「トヨタ自動車/米ウーバー・テクノロジーズ/米テスラ〜EVでトヨタのサプライチェーンが大きく変わる」は非常に興味深い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
と題する記事である。
1.トヨタ自動車は先月24日、電装品、駆動部品、ステアリング、ブレーキなどそれぞれを主軸とするグループ4社が年内にも新会社を設立し、トヨタの研究所で開発したAIやソフトウェアなどを市販車に搭載させる役割を担うとのことで、グループで制御システムの一貫体制を整え、世界の大手メーカーなどに供給する考えである。
2.トヨタグループ4社については、新会社への出資比率を見ると、デンソー:65%、アイシン精機:25%、アドヴィックス:5%、ジェイテクト:5%となっている。実質的にはデンソーを中心としたEV対応のための新会社と見て良い。EVになると、必要とされる部品や技術がガラリと変わる。
3.燃料噴射装置、エアクリーナー、オイルフィルターなどの「エンジン部品」。スターターモーター、オルタネーターなどの「電装部品」。そして、フロントアクスル、リアアクスル、プロペラシャフトなどの「駆動系部品」はEVになると全て不要になる。一方で、電極液、セパレーターなどの「リチウムイオン電池」やモーター、インバーターなどの「機電一体電動パワートレイン」などが必要になる。
4.必要とされる部品や技術が変わるため、業界全体も大きく変わらざるを得ない。これまではトヨタを頂点とする内燃機関を中心のサプライチェーンが機能していたが、新しいサプライチェーンを再構築する必要がある。
5.そのための母体となる組織を作るのが、今回の新会社設立の一番大きな目的である。中国の自動車メーカーのように、過去に構築したピラミッド組織(サプライチェーン)が存在しないほうが、今存在するものを捨て去る必要がないから、このEV化の波に対応しやすい。トヨタはこれまでのものを捨て去って、命がけでも新体制の構築を成し遂げなければならない状況になっている。
6.トヨタ自動車は先月28日、米ウーバー・テクノロジーズに約550億円を出資すると発表した。トヨタは2016年にもウーバーに出資し、すでにライドシェア事業で協業しているが、今回の提携で自動運転車の開発にも踏み込み、米グーグル系のウェイモに対抗する考えである。
7.今後、トヨタが自動運転の車を開発したら、それもウーバーに提供していくと思われる。巨大な自動車メーカーが、ライドシェアを展開する企業や配車アプリの提供会社に、まるで媚びるような姿勢を見せてい。一言で言えば、自動車メーカーが顧客とつながっていないからである。
8.ライドシェアを展開している企業は、大前氏のスマホに入っているアプリから取得する情報で、大前氏が利用したデータを詳細におさえている。自動車業界は次世代へ移り変わろうとしているが、巨大な自動車メーカー各社が顧客とのつながりを持てていないのは、
企業にとっては致命的である。顧客と直接つながっている企業に全てを支配されてしまい、
どの車を使っても変わらないとなったら、自動車メーカーにとっては命取りである。
9.同じようなことが家電メーカーにも当てはまる。家電メーカーも顧客とのつながりを持てていない。大前氏が持っているテレビなどの家電を各メーカーが把握しているとは思えない。
10.これまでのメーカーは「作って終わり」だったが、これからの世の中では、最終的にアプリで呼び出してもらえる側として顧客との接点を持てていないと生き残れない。ウーバー、滴滴出行などに自動車メーカーは何としてでも資本を入れて食い込んでおきたいと思っている。
11.電気自動車メーカーのテスラは先月24日、株式非公開化の計画を撤回し上場を維持すると発表した。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、多くの株主が非公開化を望まなかったとともに、非公開化には当初の想定よりも時間がかかることが判明したため、と説明している。しかし情報開示の手法や内容を巡っては、一部の投資家が訴訟を起こしており、計画撤回後もテスラの経営に影響を及ぼす可能性がある。
12.イーロン・マスク氏は「天才」ではあるが、同時に非常に「性格に問題がある」人物である。テスラほどの時価総額を持つ企業の創業者が、今回のように突如として株式非公開化などと発表すれば、その影響力は相当大きい。株式市場にとってはいい迷惑である。イーロン・マスク氏が企業人として、経営者としての適性に問題があると感じるのは、今回のことだけではない。
13.日本企業との関係性だけを見ても、以前にはトヨタと仲違いをしている。さらにはパナソニックと提携しアリゾナに巨大なバッテリー工場を作らせておきながら、中国のメーカーに乗り換えるような素振りを見せている。パナソニックは翻弄されている。
14.今回の株式非公開化の騒動においても、途中経過においてサウジアラビアの政府系ファンドとの接触を匂わせるなど、イーロン・マスク氏には、従来の経営者であれば許されない行為が目立つ。非常に感情的な人物で、企業経営者として「適性」に問題があり、テスラという企業にとってのキーマンリスクにもなっている。
15.テスラに振り回されているパナソニックだが、オートモーティブ関連の売上は大きく、利益でも1000億円に迫るほど稼ぎ、非常に順調である。オートモーティブに次いで家電関連も利益で1000億円を超え、環境関係、モバイル機器その他の領域でも収益を上げていて、全体としてバランスが取れた収益構造になっている。現在順調なパナソニックにとって、テスラに手の平を返されるのは非常に厄介である。売上・利益ともに大きいオートモーティブがぐらついてしまう可能性がある。テスラとパナソニックの関係性が今後どのような展開を見せるのか、今後も注意深く見ていく必要がある。


yuji5327 at 06:53 
共通テーマ 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





地域別アクセス

ジオターゲティング

ジオターゲティング
livedoor プロフィール

yuji5327

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード