2018年09月24日

投棄プラスチック発生量の国別ランキングを見れば、中国の年間900万トン弱は別格としても、東南アジア5力国が上位10位以内に入る。

「磯辺篤彦著者:浮遊マイクロプラスチックによる海洋汚染の現状と研究の最前線、學士會会報No.932(2018-V)」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.流木など天然山来のものを除く海岸漂着ごみのうち、個数比で全体の7割程度をプラスチックが占める。ペットボトルのような水に浮く形状でなくても、ポリエチレンやポリプロピレンは海水よりも軽く、また総じてプラスチックは自然に分解しづらい。海面近くを漂いつつ、風や海流で遠くに運ばれるため、漂流・漂着ごみとなる条件をよく満たす。
2.リユースやリサイクルの経路に乗らない投棄プラスチックのうち、15〜40%が海洋に流出して漂流・漂着ごみになる。投棄プラスチック発生量の国別ランキングを見れば、中国の年間900万トン弱は別格としても、東南アジア5力国が上位10位以内に入る。中国と東南アジア各国を合算した年間の発生重量は1772万トン程度であって、これは全世界の合計である約3200万トンの55%を占める。わが国にとって海流の上流部から、全世界の半数強に及ぶ投棄プラスチックが流れ出す。
3.わが国で年間に回収されるプラスチック廃棄物のうち、15%程度は輸出へ回されることにも留意したい。すなわち、海外での投棄プラスチックには、日本での消費を経て輸出されたものが含まれる。何よりも、わが国は他のアジア諸国に先駆けて経済発展を達成し、経済規模に応じたプラスチックの消費を続けてきた。ほとんど自然で分解しないプラスチックであれば、いま地球を循環する海洋プラスチックごみに対し、すでに相応の寄与をしているはずである。加害・被害の視座を超えて、「海洋プラスチック汚染」は人類共通の問題と認識すべきである。
4.海岸に漂着したプラスチックごみは紫外線や寒暖差によって劣化していく。これに海岸砂との摩擦など物理的な刺激が加わることで、次第に破砕が進行する。特に大きさ(最大長さ)が5个魏鴫鵑辰織廛薀好船奪微細片を、マイクロプラスチックと呼んでいる。同じ期間を陸に置いたものと比べて、海中では劣化の進行が遅いとの報告がある。そもそも海中であれば、水温は気温ほど変動しないし、物理的な刺激は海岸に比べて弱い。これらを勘案すれば、マイクロプラスチックは、漂流中の海洋ではなく、主として漂着後の海岸で生成される。
5.海岸に漂着したプラスチックごみは、波にさらわれて海に再漂流し、いずれまた海岸に漂着する。漂着と再漂流を繰り返すうち、プラスチックの劣化や破砕が進行して、細かなマイクロプラスチックへと変化していく。破砕に要する時間や条件、あるいは微細片化の限界など、マイクロプラスチックの生成過程についての研究は、ほとんど進んでいないのが現状である。
6.自然に生成されるマイクロプラスチックに加えて、例えば洗顔剤などにスクラブとして人為的に混入されるマイクロプラスチック(マイクロビーズ)もある。マイクロビーズは、下水処理をくぐり抜けて海洋に漏出し、浮遊マイクロプラスチックの一部となっている。
7.プラスチックそのものは無害である。また、海岸に漂着したところで、マイクロプラスチックは大型のプラスチックごみと違って、景観を損ねるような大きさではない。マイクロプラスチックの問題は、1mmのプラスチック片であれば、この大きさは動物プランクトンと同程度であって、これを餌とする小魚などが誤食してしまうこと。マイクロプラスチックは海洋生態系に容易に紛れ込む。
8.実際に、クジラから魚類や動物プランクトンに至る多種多様な生物の体内から、マイクロプラスチックが検出されている。海洋生態系へのマイクロプラスチックの混入は、すでに相当程度に進行している。この際、プラスチックへの添加物や、あるいは漂流中に海水から表面に吸着した残留性有機汚染物質が、マイクロプラスチックを介して生態系に移行する可能性が指摘されている。特にプラスチックは表面への吸着性が高いため、生態系への汚染物質の移行の経路に繋がる。
9.室内実験で海棲生物に微細なプラスチックビーズを摂食させた結果、摂食障害や生殖障害が発現した。たとえ汚染物質が含有されていなくとも、毒ではないが糧でもないプラスチックを大量に摂食した生物は、何らかの障害を起こすのかもしれない。ただし実験室での結果を除けば、いまのところ、マイクロプラスチック由来のダメージが、海洋生物に見つかったとの報告はない。一つには、まだ実海域での浮遊量がそれほど多くないことによる。
10.ありえないほど大量のプラスチックビーズを与えてしまえば、そのような実験など現実に敷衛しづらい。環境科学として価値を見出すことは難しい。海洋プラスチック汚染の未来を見通すためには、現在の実海域における浮遊量を正しく監視しつつ、将来の増加量を確からしく予測することが重要である。


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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
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