2018年09月26日

2015年、最先端の科学技術を駆使してピラミッドの内部を調査する国際プロジェクトが始まったが、純粋な科学調査に徹したいという理由で考古学者は参加していない。

「河江肖剰(エジプト考古学者)著:ピラミッド研究の最前線、學士會会報No.932(2018-V)」は興味深い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.ここ十年程、ピラミッド研究は大きな転換期を迎えている。1980年代後半、ピラミッドを造った人々の町が発見された。「ピラミッド・タウン」という。従来、「太陽が昇るナイル川の東側に人々の住む町があり、太陽が沈む西側に墓がある」と考えられてきたが、ピラミッドのすぐそば(ナイル川の西側)で町が発見され、その全体像が見えてきた。発見者はピラミッド研究の第一人者のマーク・レーナー先生である。4500年前、ピラミッドと町は一体となって栄えてい。
2.2013年にはソルボンヌ大学のタレ先生が、紅海沿岸で、ワディ・エル=ジャラフという港の遺跡を発見した。この遺跡からはエジプト最古のパピルスが見つかった。これはクフ王に仕えて大ピラミッドを作ったメレルという監督官の日誌で、「クフ王の治世何年、季節がいつ、何月何日、何をしたか」と書かれていた。従来、ピラミツドの建造目的や建造方法などについて、数々の仮説が提唱されてきたが、現在は当時の「人間」に焦点を当てた研究が盛んである。
3.二人のフランス人建築家は、精密重量計を用いて大ピラミッドの調査を行なったが、不思議な点がいくつかあった。石灰岩の密度が均一でないこと、同じ石灰岩でも生成のされ方で密度差は生じるが、内部の空間の有無で、密度差が検出されと考えた。内部空間が通常のピラミッドより沢山あることや、玄室(埋葬室)が地上にあることなどである。
4.大ピラミッドは高さ約147m、底辺の長さ約230mで、世界最大の古代の建造物である。内部空間を地上に作るとなると、ものすごい重量が上からかかるので、潰れてしまう。古代エジプト人は、様々な工夫をした。例えば、正規の入口の上に三角形の構造体を乗せ
て、上からの重最を分散している。「王の間」と呼ばれる玄室でも、上に「重量拡散の間」と呼ばれる小部屋を5つ設け、一番上に切妻構造体を乗せ、重量を拡散している。「大回廊」と呼ばれる大空間では、天井に向かうにつれて幅を狭くすることで、重量を分散している。
5.2012年、ダッソー・システムズ(フランス最大のソフトウェア会社)がに面白い論文を発表した。大ピラミッド内部の一番奥には王の間(玄室)があり、王の間も、そこに安置されている王の棺も、花崗岩でできている。ピラミッドの部屋を花崗岩で作ったのはこれが最初なので、考古学的には大変貴重だが、何の装飾もない地味な部屋で、観光客はツタンカーメン(クフ王の時代の1200年程後)の王墓の華やかな壁画と比較し、がっかりする。
6.花崗岩は大ピラミッド周辺では採れないので、この部屋の花南岩はカイロの南数100劼僚蠅砲△襯▲好錺鵑悩亮茲気譟運ばれたと考えられる。花崗岩は非常に硬いため、現在でも人工ダイヤで切断加工するが、鉄も青銅も一般的でなかった古代、銅で切断加工していた。実験考古学の研究者によると、王の棺を切り出すだけで9年かかるから、クフ王が花崗岩を求めて数100劼遼糎韻鬚掘⊇蕕瓩堂嶽彰笋派屋を作ったことは、かなりの挑戦だったはずである。
7.古代エジプト人は他にも様々な挑戦をしている。クフ王の父スネフェルはピラミッドに初めて地上の内部空問を作り、その部屋を大きくするために、切妻構造や持送り式という新技法を開発している。ミイラ作りも挑戦の連続だった、最初は遺体を塩漬けにするだけだったが、ピラミッド建造最盛期の第四王朝(クフ王の時代)になると、内臓を取り出し、頭骨に穴を開けて鼻孔から脳髄を摘出するようになった。この時代、ギザの王たちは非常に革新的だった。
8.この時代は失敗も数多くある。一例が王の間の天井の一部にあるひび割れである。このひびが何時入ったか、は学術上の大きな論点である。ピラミッド建造中に入ったのなら、そのような危ない部屋を王の埋葬室にするか、疑問が湧くが、埋葬して数百〜数千年後に入ったなら、この部屋が埋葬室だったとしてもおかしくない。
9.ダッソー・システムズの論文はこの問題について、様々にコンピュータ・シミュレートし、地震ではピラミッドにひびが入らないことを立証した。さらに、重量拡散の間の切妻構造体に隙間があるため、上からの重量を十分分散できず、ひびが入った、という仮説が正しくないことも立証した。ひびが入った理由はシミュレートした結果、_Δ隆屬脇鄲Δ少し沈ドしている、∪攤聞渋ぢ里坊箚屬ある、重量拡散が十分でない、という3つの理由が複合していることが分かった。ダッソー・システムズの論文は、王の間の天井のひびは建設途中に入ったと結論付けた上で、隠された埋葬室が別にあると示唆した。
10.2015年、最先端の科学技術を駆使してピラミッドの内部を調査する国際プロジェクト「スキャン・ピラミッド計画」が始まった。この計画の特徴は、考古学者が参加していないことである。考古学者は仮説に引っ張られるので、純粋な科学調査に徹したい、という理由から、参加を科学者に限ったのである。




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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
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○公募展の受賞、入選
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