2018年11月19日

ヤマダ電機は日本一の販売スペースを誇るが、カタログ販売ではもう限界である。これだけインターネット通販が習慣化してくると、手も足も出ない。

2018/11/9 付けの 大前研一さんの「 ニュースの視点 」(発行部数 165,596部)「川崎重工業/LIXILグループ/日立化成/ヤマダ電機」〜LIXILの舵取りは、歴戦のプロ経営者でも難しい状況」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.川崎重工業は先月30日、米国向け車両のコスト増などで大幅な損失を計上した鉄道事業について、2018年度中に再建策の方向性を決めると発表した。海外の鉄道市場は成長の見込める分野だが、国内勢は再編で巨大化するライバルとの激しい受注合戦に加え、現地事業者とのコミュニケーションなど相次ぐトラブルで苦戦しており、川崎重工業は今後他社との協業や撤退を含めて検討するとのことである。
2.川崎重工の鉄道車両事業は大いに競争力を持っていたが、中国への輸出などで情報が流出し、ノウハウが真似されて、競争力を失いつつある。セグメント別の業績を見ると、モーターサイクルエンジン、航空宇宙、ガスタービン-機械、精密機械という上位4事業は
調子が良いものの、それ以外の苦戦が目立つ。鉄道車両は赤字で、プラント、船舶海洋も利益が少ない状況である。
3.今の状況からすれば、上位4事業以外をどのように整理するかを考えなくてはいけない。世界的に見ても、鉄道車両事業は巨大企業の競争領域になっているので、日本でもいくつかの企業が集結していかないと世界とは戦えない。
4.LIXILグループは先月31日、瀬戸欣哉社長が2019年3月末で退任する人事を発表した。後任には山梨広一社外取締役が就任し、創業家の潮田洋一郎取締役会議長が1日付けで会長兼CEOに就任。藤森義明・前社長に続いて2代続けて「プロ経営者」に舵取りを託したが、ここからは名実ともに潮田体制に移行することになる。
5.結論は、今のリクシルという企業を経営していくのは極めて難しく、社外取締役を2年ほどやっただけの山梨氏では歯が立たないと思う。リクシルが保有する企業・ブランドの数が多岐にわたり過ぎていて、全てを把握して舵取りするのは不可能に近い。軽く挙げて見るだけでも、ウォーターテクノロジー事業で、INAX、GROHE、American Standard、COBRAがあり、ハウジングテクノロジー事業で、LIXIL、TOSTEMがあり、その他にもビルディングテクノロジー事業、流通・小売事業、住宅・サービス事業などで多数を抱えている。
6.山梨氏はマッキンゼー出身者で大前氏よく知る人物だが、外部から来た人間がこの状況を把握していくのは無理である。中にはドイツのGROHEなど古い企業もあり、それを御していくのは至難の業である。
6.厄介なのは、日本国内だけを見ても「発祥が異なる」人が多く、全体としてまとまっていないということである。社内で育った人でも、ある人はINAXのカルチャーで、ある人は東洋エクステリアのカルチャーなど、バラバラの状態になっていると思う。その上、さらに海外の企業を取り込んでいるのだから、かなり混乱しているはずである。
7.この企業は経営管理不能になっている。潮田氏はシンガポール在住だが、最低でも日本に居てフルタイムで取り組まなければ絶対に上手くいかない。重要なのは、販売や製造の現場である。そこをきめ細かく見ていくことが必須である。相当数の事業を整理しなければ、「プロ経営者」でも管理できないレベルである。
8.化学材料大手の日立化成は2日、6月に発覚した鉛蓄電池や半導体材料の品質検査不正に続き、新たに自動車用バッテリーなど28製品で検査不正や内容改ざんがあったと発表した。国内7つの事業所全てで不正が行われており、延べ約2400社の取引先に影響が及ぶと見られる。
9.日立製作所の関連会社として非常にみっともない話である。この実態を見ると、おそらく不正をすることが会社全体の体質になっている。これはゼロベースで人材を教育し直さないと治らない。日立製作所にとっては重要な関連会社の1つで、新入社員から全員再教育するべきである。
10.ヤマダ電機が1日に発表した2018年4〜9月期決算は純利益が16億円と前年同期より90%減少したことがわかった。インターネット通販の普及によって大量仕入れ大量販売による安売り路線が行き詰まっている。以前からヤマダ電機は、商品を置かずにカタログだけを見せて、実際の商品は取り寄せにするという販売方法を取っていた。その時から、これではインターネット通販に負けるのは必然である。
11.ヤマダ電機は日本一の販売スペースを誇るが、カタログ販売ではもう限界である。これだけインターネット通販が習慣化してくると、手も足も出ない。中途半端にカタログ販売にしがみついていた。


yuji5327 at 06:32 
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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