2019年01月13日

原子力技術は、広範な専門領域にわたる総合技術であるため、原子力分野に限らず幅広い專門分野の技術者を広く確保し、原子力専門知識について再教育することが重要である。


「村上朋子(日本エネルギー経済研究所、原子力グループマネージャ)著:将来性のない原子力産業、人材確保に近道はない、エコノミスト、2019.1.13」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1. 国が目指す「"2030年のエネルギーミックス目標」の原子力比率20-22%は達成できるのか、という質問を受ける。30年の電力に占める割合[20〜22%に相当する原子炉基数は、原子炉30〜35基程度である。しかし、11年の福島第1原子力発電所事故発生時にあった54基のうち16基が廃止となり、18年現在、残る既設炉は38基。うち9基が再稼働し、6基が再稼働の認可を受けている。残る23基は数年以内に再稼鋤する保証はない。
2. 新規建設計画にも特段の動きが見られない。そうなると上記目標を達成はない、と考えるのは極めて自然である。現実を見れば、これで原子力産業に明るい将来展望を持て、というほうが無理である。
3.問題として挙げられるのが「人材確保」である。基数は激減しても、プラントがある以上は安全な運転にかかわる入材は不可欠だし、放射性廃棄物処理・処分、廃炉に取り組む人材も必要である。その人材をどこからどうやって確保するべきか、エネルギー産業の関係者なら一度は考えたことのある問題である。
4.この問題を考えるにあたって必要な基本情報は、原子力事業における従事者数のトレンドである。新規着工こそ途絶えたものの50基以上が運転中だった2000年代と、基数が激減しつつある現在とで従事者数にどれくらいの差があるのかを確認すると、日本原子力産業協会の「原子力発電に係る産業動向調査」は1959年から続く定点観測で、ここに電力会社と鉱工業他プラントメーカーなど原子力関係従事者数の推移を見ると、両者とも、直近20年弱の従事若数に大きな変動はなく、約4万2000〜5万入で推移し、プラント関係3万2000〜3万8000人程度、電力会社は99年から16年にかけて約1万人から1万3000人に増加している。原予力産業の魅力が低下し、優秀な人材が集まりにくくなった、と言われるほどデータからは読めない。
5.なぜ多くの人が異口同音に原子力産業の人材確保に危機感を持つかは、古くて新しい問題だからである。日本に原子力産業が誕生して以来、長期的な人材確保が課題として挙がらなかった時代はない。例えば、82年6月30日原子力委員会決定の原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画には、長期的な人材確保のあり方として以下のような記述がある。「将来必要となる技術者数は、原子力発電の将来規模等から推定すると、1990年度には、6万6000人程度(エネルギー利用分野で約4万人、放射線利用分野で約2万6000人)となる。」
6.原子力技術は、広範な専門領域にわたる総合技術であるため、原子力分野に限らず幅広い專門分野の技術者を広く確保し、原子力専門知識について再教育することが重要である、と書かれている。
7.82年ごろは国・民聞が共同で原子力プラントの改良標準化を進め、電力会社もメーカーも多くの建設案件を抱え、原子力産業は花形成長産業であった。一部の大学には原子力工学科に優秀な学生が集まっていたといわれるが、当時からすでに原子力工学科は人気のある学部ではなかった。将来に向けて人材確保という課題は早い段階から認識されていた。8.97年から17年までの直近20年問にわたり、電力会社・メーカーそれぞれについて原子力部門への配属人数は、原子力工学系からの採用率が20%前後で推移する一方、電気系や機械系からそれぞれ20〜30%、化学・材料系他から30%程度、幅広い分野から入材を採用している。原子力系に限定しない幅広い分野に開いている流れは一貰している。
9.人材の長期的な育成・維持・技術継承にあたって原子力工学科の存在意義が問われる。
05年に東京大学大学院に設置された原子力専攻はこの方向性に沿うものである。原子力分野等で働いた経験のある社会人を主な対象者とし、学部であまり扱わなくなった「原子炉物理学、原子力熱流動工学、原子力構造工学、原子カプラント工学、原子力燃料材料工学、廃棄物管理工学など、1年間で原子力修士を目指す。
10.縮小に向かう今後は、今後も、多様な人材確保と専門教育体制の維持を古くて
新しい課題として認識し、原子力産業が花形であろうが落ち目であろうが、人材確保という課題解決が必要である。



yuji5327 at 06:30 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
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・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





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