2019年01月28日

ソーラーシェアリングとは、太陽光を発電と農業で共有する取組み。農作物を生産しながら発電事業を行う営農型太陽光発電とされ、農業問題とエネルギー問題を同時に解決する。


「廣町公則(エネルギージャーナリスト)著:新潮流「ソーラーシェアリング」「発電×農業で地域振興、エコノミスト、2019.1.29」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)が2012年7月にスタートして以来、太陽光発電の導入は急速に進んだ。一方で、自然災害が多発する昨今にあって、発電設備の安全性や地域との共生が喫緊の課題として顕在化してきている。こうした中、いま多方面から注目を集めているのが、「ソーラーシェアリング」である。
2.ソーラーシェアリングとは、太陽光を"発電"と"農業"で共有する取組み。農地の上部空間に太陽光パネルを設置して、農作物を生産しながら発電事業を行う営農型太陽光発電とも称され、農業問題とエネルギー問題を同時に解決する試みとしても期待が高まっている。
17年4月3日、耕作放棄地を農地として再生する先駆的収り組みともなった「匝瑳メガソーラーシェアリング第一発電所」(千葉県匝瑳市)の落成式には.小泉純一郎氏.細川護煕氏、菅直人氏の歴代3首相が政党の垣根を越えて列席し.ソーラーシェアリングの重要性を印象づけた。
3.一般に農地で太陽光発電を行つためには.農地法の定めに従って.農地転用の許可を得る必要がある。農地は.その土地の優良性や市街地化の状況等から5種類(農用地区域内農地・甲種農地・第1種農地・第2種農地・第3種農地)に区分されているが、区分によって農地転用の許可基準には大きな違いがある。市街地化の進んだ第3種農地等であれば、完全な農地転用を行い、農業をやめて太陽光発電所に変えてしまうことも可能。しかし、農地として優良な農用地区域内農地や第1種農地などの場合、太陽光発電所に限らず農地転用は原則不許可となっている。
4.これは農地を守るという意味では有効であるように見えるが、実際には必ずしも現況に合っておらず、荒廃農地を生む背景ともなっていた。担い手がいない農地であっても、そこが第1種農地であれば、アパートを建てるなどの土地活用も許されず、耕作放棄地として放置するしかなかった。
5.ソーラーシェアリングは、こうした状況に風穴を開ける。当初は、同じ土地で農業と発電を.両立させるという発想自体がなかったため、FIT施行後も、しばらくは農地転用許可制度上の取り扱い規定が定まっていなかった。しかし、13年3月31日に農林水産省が農地転用に関する指針を表明したことで、事態は大きく進展した。ソーラーシェアリングが普及の途に就くとともに、農地に新たな可能性が開かれることとなった。
6.指針の最大のポイントは、ソーラーシェアリングは一般的な農地転用でなく、転用の許可期間が定められた。一時転用で行うこと。そして、「営農の適切な継続」「農業機械の利用が可能な高さ(最低地上高2m以上)や空間の確保」等の条件を満たせば、農地の区分に関わらず、一時転用許可を得ることができるとされたことだ。一時転用許可期間が満了しても、発電設備が営農に悪影響を与えていないことなどを示せれば、何度でも再許可される。つまり、これまでは農地転用が認められず農業以外には使われなかった第1種農地で
あっても、ソーラーシェアリングなら可能になった。第3種農地や第2種農地に対しても、新たな選択肢が示された意義は大きい。
7.18年5月15日には、1回ごとの一時転用許可の期間が、これまでの3年から、特定のケースでは10年まで延長されることになった。具体的には、’清箸涼瓦ぜ蠅自ら所有する農地や、耕作権を得ている農地等を利用する、荒廃農地を再生して発電設備を設置する、B2種農地または第3種農地を利用する:などの場合である。ここには、農水省のソーラーシェアリング推進の姿勢が明確に示されている。
8.ソーラーシェアリングの意義は、農業サイドと発電サイド、それぞれから見ることができる。まず、農業面に関しては、農作物の販売収入に如凡、継続した売電収入が得られるため、農業者の経営が安定する。十分な収入が得られずに離農を考えていた農家をつなぎとめる契機にもなるし、農家の跡取り問題を解決する糸口にもなる。農業経営の効率化や規模拡大を期待することもできる。
9.近年、日本各地で問題となっている耕作放棄地(荒廃農地)の解消にも貢献する。一時転用許可の大前提は「営農の適切な継続」であり、農業とセットでなければソーラーシェアリングは認められない。これを逆手にとって、ソーラーシェアリングを行うことを前提に、耕作放棄地を農地として.再生させようという試みが広がっている。
10.耕作放棄地には、しばらく営農者がいなかったわけだが、ソーラーシェアリングによる売電収入を元手に、営農を近隣の農家や農業生産法人等に外部委託することが可能になる。土地所有者にとっては、農地転用もできず眠らせていた資産を有効活用する道が開かれたということである。農水省によると、実際、ソーラーシェアリングのために農地の一時転用許可を得た775件(16年3月末までの許可件数)のうち、荒廃農地に発電設備を設置したものが全体の約30%(234件)を占めていた。
11.発電サイドから見た最大のメリットは、農地がもつ発電設備設置場所としてのポテンシャルである。日照条件が良く、平坦で土地造成費用が掛からないような太陽光発電事
業の適地は、既にその多くが押さえられている。住宅や工場など建築物の屋根上を除けば、新たな太陽光発電設備の設置スペースは、大規模造成が必要な山の斜面や、ため池の水面など未活用の場所に限られてくる。
12.こうした状況にあって、農地はほとんど手付かずのままである。しかも、その大半は日昭茶件に優れた平坦な土地である。その面積は、荒廃農地だけでも約28万ha(17年3月末)に達する.。一方で、ソーラーシェアリングに使われている農地面積は約350haに過ぎない。導入の余地は、果てしないほどに大きい。一般の太陽光発電は、ともすれば森林破壊や土砂災害の元凶とされ、地域との共生が危ぶまれるケースもある。
13.農業と共存し、農地再生にも一役買うソーラーシェアリングであれば、そうした懸念には及ばない。むしろ、農業生産を通して地域経済と必然的に連携することで、地方創生を具体化する取り組みともなっている。非常時には、食料とエネルギーを自給できる強靭性の高いシステムであり、地域全体の価値を高めることにも貢献する。
14.気になるのは、そもそも「太陽光パネルによって光が遮られても、農作物の生育に支障は出ないのか」ということだが、答えは「ノー」である。植物にはそれぞれ光飽和点があり、一定の強さを超えた光は光合成に寄与しない。ソーラーシエアリングはこの原理.
に基ついて考案されたもので.太陽光パネルの設置間隔を調整することで、作物の生育に支障のない日照量が確保される。
15.太陽光パネルのタイプはさまざまだが、日当たりの不均等や風雨の影響を抑えやすい幅狭タイプを推奨している。多くの太陽光パネルメーカーがソーラーシェアリング専用の製品を闇発しており、それぞれに高性能を競っている。また、太陽光パネルを支える支柱やくいについても、農地上に大空聞を確保するための強度と、施工性や耐候性を併せ持つ専用製品が販売されている。
16.農水省の最新統計によると、ソーラーシェアリングの導入件数は、17年3月末現在で合計1269件。北は北海道から南は沖縄まで、ほぼ全都道府県に導人事例があるが、地域問のパラつきは大きく、1位千葉県204件、2位静岡県140件、3位群馬県138件が突出している。
17.ソーラーシェアリングにおける発電設備の出力規模については、関係省庁どこからも発表されていないが、ソーラーシェアリング推進連盟によると、日本全体で350MWほどで、比較的小親模なものが大半である。18年5月15日から、農地の一時転用許可期間が10年になるケースが設けられたので、20年の再許可が1回で済む。





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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
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