2019年02月03日
世界の25歳以上の成人の4人に1人は、一生に一度は脳梗塞や脳出血を起こす可能性がある。
「井出ゆきえ(医学ライター)著:世界の4人に一人が脳卒中に、日本は4.3人に1人、週刊ダイヤモンド、2019.2.2」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.世界の25歳以上の成人の4人に1人は、一生に一度は脳梗塞や脳出血を起こす可能性がある。米ワシントン大学の研究グループは、世界疾病負担研究(GBD)2016のデータを使用して、初発に限って25歳人口の脳卒中生涯リスクを解析。その結果、脳卒中全体の生涯リスクは24・9%だった。
2.種類別では、脳血管が詰まる虚血性脳卒中(脳梗塞)の生涯リスクが18・3%で、出血性脳卒中(くも膜下出血等)の8・2%より2倍以上高いことが示された。ちなみに1990年時の解析では、全世界の脳卒中生涯リスクは22・8%だった。脳卒申以外の疾病リスクを考慮した上で計算した相対的な上昇率は8・9%。四半世紀の間に脳卒中リスクがじわりと上がっていたことになる。
3.地域別では、中国、北朝鮮および台湾の東アジア地域が最も高く、38.8%、次いでボスニア・ヘルツェゴビナなど中欧が31・7%、東欧31・6%だった。国別で最も生涯リスクが高かったのは中国で39・3%、ラトビア37・0%、ルーマニア36・2%が続いた。
4.日本、韓国を含む高所得のアジア・太平洋地域の生涯リスクは、22・8%だった。日本のみの生涯リスクは23・0%(男性が22・5%、女性が23・6%)で、およそ4・3人に1人が一生のうちに脳卒申を発症する計算になる。
5.全体に90年時点より3・1%低下しているが、それでも4人に1人が寝たきりリスクを負うことを考えると、まだまだ対策は必要らしい。
6.脳卒中に関しては、昨年12月10日、がん対策基本法の脳・心疾患版ともいえる「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」が成立している。ほとんど知られていないけれど。今後は、地域の脳卒中治療の均一化と高度化、リハビリテーション体制の整備が進められるだろう。
7.治療以前の発症予防に越したことはない。StoP脳卒中の最善手は「降血圧・減脂肪・禁煙、そして運動」である。