2019年05月05日
北朝鮮の反体制派を自称するグループが、「解放後」の北朝鮮に滞在できるブロックチェーンビザの発給を開始したが、申請が殺到してサーバーがダウンしている。
「トム・オコナー著者:北朝鮮の反体制派が独裁打倒の闘争を本格化、Newsweek 12, 2019.4.9」は面白い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.
北朝鮮の反体制派を自称するグループが、「解放後」の北朝鮮に滞在できるブロックチェーンビザの発給を開始したが、申請が殺到してサーバーがダウンする騒ぎになっている。このグループはかつては「干里馬市民防衛」と名乗っていたが、現在は「自由朝鮮」に改称してインターネット上で臨時政府の樹立を宣言している。
2. 自由朝鮮は公式サイトで「解放後のわが国を訪問できる匿名のブロックチェーンビザを限定で20万枚発給する」と発表した。このビザは、創始を意味するgenesisの頭文字を収って、Gビザと呼ばれ、仮想通貨イーサリアムで購人できる。
3. しかし発表直後の3月24日には公式サイトに「Gビザの登録を扱うサーバーが未曽有の通信量によるネット渋滞に陥り、設備増設のため韓国標準時の午前9時(米国東部標準時の午後8時)まで12時間受け付けを停止する」との告知が出た。
4. 公式サイトは「Gビザは投機的なトークン〔代用貨幣〕ではない」と述べ、「若い番号のGビザ人fにこだわらないのなら、明日まで申請を待ってほしい」と、支持者に訴えた。既に数十枚が販売され、オークションで高値で収引されていると、テクノロジー系メディアが伝えている。自由朝鮮はインターネット上の公式サイトとYouTubeの公式アカウントがあるだけで、実態はほとんど分かっていない。
5. 干里馬市民防衛と名乗っていた時期に北朝鮮の反体制派としてメディアの注目を引いたことがある。北朝鮮の最高指導者金正恩党委員長の異母兄に当たる金正男氏が17年2月、マレーシアの空港で殺害された事件は記憶に新しいが、この組織は翌月その長男の金ハンソルとみられる男性の動画を公開。「金正男氏の遺族から脱出と保護の緊急要請」があり、われわれはそれに応じたと発表した。
6. これがこのグループの最初のメッセージで、その後も散発的に北朝鮮からの「救出」を報告していた。今年に入ってからはネット上で金正恩体制打倒のメツセージを盛んに打ち出すようになり、このところ米メディアもその活動を報じている。
7.自由朝鮮はビザ発給に先立つ21日未明、神格化されたかつての指導者、金日成とその息子金正日の肖像画を、北朝鮮人とされる男が「わが祖国の土」にたたきつける動画を公開した。ただし、これが本当に北朝鮮で撮影されたものかどうかは「疑わしい」と、脱北者の元軍人が香港紙サウスチャイナ・モーニングポストに語っている。
8. 今年2月、スペインの首都マドリードの北朝鮮大使館に男らが白昼に押し人り、大使館員を縛って携帯電話とコンピューターを奪って逃走する事件が起きた。米ワシントン・ポスト紙は襲撃に関与したとされる匿名の人物の話に基づき、一味は自由朝鮮とつながりがあると伝えた。スペインのメディアによると、襲撃に加わった容疑者10人のうち、少なくとも2人は米情報機関と直接的なつながりがあるという。
9.襲撃が起きたのは、ベトナムの首都ハノイで開催された2度目の米朝首脳会談の1週間前だが、一味の襲撃が会談と関わりがあるかは不明である。会談は物別れに終わったが、トランプ米大統領は金正恩に秋波を送り続けている。北朝鮮の制裁逃れに絡む中国の海運企業2社が対象とされる追加制裁を撤回したのも「金委員長が好き」だからだと、ホワイトハウスは説明している。
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北朝鮮の反体制派を自称するグループが、「解放後」の北朝鮮に滞在できるブロックチェーンビザの発給を開始したが、申請が殺到してサーバーがダウンする騒ぎになっている。このグループはかつては「干里馬市民防衛」と名乗っていたが、現在は「自由朝鮮」に改称してインターネット上で臨時政府の樹立を宣言している。
2. 自由朝鮮は公式サイトで「解放後のわが国を訪問できる匿名のブロックチェーンビザを限定で20万枚発給する」と発表した。このビザは、創始を意味するgenesisの頭文字を収って、Gビザと呼ばれ、仮想通貨イーサリアムで購人できる。
3. しかし発表直後の3月24日には公式サイトに「Gビザの登録を扱うサーバーが未曽有の通信量によるネット渋滞に陥り、設備増設のため韓国標準時の午前9時(米国東部標準時の午後8時)まで12時間受け付けを停止する」との告知が出た。
4. 公式サイトは「Gビザは投機的なトークン〔代用貨幣〕ではない」と述べ、「若い番号のGビザ人fにこだわらないのなら、明日まで申請を待ってほしい」と、支持者に訴えた。既に数十枚が販売され、オークションで高値で収引されていると、テクノロジー系メディアが伝えている。自由朝鮮はインターネット上の公式サイトとYouTubeの公式アカウントがあるだけで、実態はほとんど分かっていない。
5. 干里馬市民防衛と名乗っていた時期に北朝鮮の反体制派としてメディアの注目を引いたことがある。北朝鮮の最高指導者金正恩党委員長の異母兄に当たる金正男氏が17年2月、マレーシアの空港で殺害された事件は記憶に新しいが、この組織は翌月その長男の金ハンソルとみられる男性の動画を公開。「金正男氏の遺族から脱出と保護の緊急要請」があり、われわれはそれに応じたと発表した。
6. これがこのグループの最初のメッセージで、その後も散発的に北朝鮮からの「救出」を報告していた。今年に入ってからはネット上で金正恩体制打倒のメツセージを盛んに打ち出すようになり、このところ米メディアもその活動を報じている。
7.自由朝鮮はビザ発給に先立つ21日未明、神格化されたかつての指導者、金日成とその息子金正日の肖像画を、北朝鮮人とされる男が「わが祖国の土」にたたきつける動画を公開した。ただし、これが本当に北朝鮮で撮影されたものかどうかは「疑わしい」と、脱北者の元軍人が香港紙サウスチャイナ・モーニングポストに語っている。
8. 今年2月、スペインの首都マドリードの北朝鮮大使館に男らが白昼に押し人り、大使館員を縛って携帯電話とコンピューターを奪って逃走する事件が起きた。米ワシントン・ポスト紙は襲撃に関与したとされる匿名の人物の話に基づき、一味は自由朝鮮とつながりがあると伝えた。スペインのメディアによると、襲撃に加わった容疑者10人のうち、少なくとも2人は米情報機関と直接的なつながりがあるという。
9.襲撃が起きたのは、ベトナムの首都ハノイで開催された2度目の米朝首脳会談の1週間前だが、一味の襲撃が会談と関わりがあるかは不明である。会談は物別れに終わったが、トランプ米大統領は金正恩に秋波を送り続けている。北朝鮮の制裁逃れに絡む中国の海運企業2社が対象とされる追加制裁を撤回したのも「金委員長が好き」だからだと、ホワイトハウスは説明している。