2019年05月14日

ファーウェイは、5G関連の技術で世界をリードする存在である。5Gの通信インフラを中国メーカーが握れば、機器を通じて機密情報が漏えいする恐れが生じる。


「野口悠紀雄著:5Gの著しい立ち後れに危機感なき日本の異常、週刊ダイヤモンド、2019.04.13」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.アメリカや韓国の一部で第5世代移動通信規格(5G)の商用サービスが始まった。5Gは現行のサービスと比べて実効速度は100倍。スマートフォンなどの性能向上にとどまらず、自動車の自動運転やIoT(モノのインターネット)、さらには遠隔医療などに用いられて、これからの社会の基本インフラになると期待されている。
2.この分野で躍進が日覚ましいのが中国企業だ。「週刊ダイヤモンド」(2019年3月23日号)によれば、基地局ベンダーの売上高シェア(18年)で、中国の大手通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)は、スウェーデンのエリクソンに次いで世界第2位になった。全世界市場規模213億ドルのうち、エリクソンが29・0%、ファーウェイが26.0%、フィンランドのノキアが23・4%のシェアを占めている。
3.ファーウェイは、5G関連の技術で世界をリードする存在になっている。ところが、5Gの通信インフラを中国メーカーが握れば、機器を通じて機密情報が漏えいする恐れが生じる。このため、5Gは米中摩擦の焦点の一つになっている。アメリカ政府は、中国企業を通じてアメリカの軍、政府、企業の情報罵が中国に漏えいするリスクを懸念して、中国メーカーの排除に乗り出した。そして、同調するよう各国に働き掛けを強めている。
4.ドナルド・トランプ米大統領は、昨年8月、ファーウエイなどの製品をアメリカ政府機関が使用することを禁じる法案に署名した。その動きにオーストラリアやニュージーランドも同調。イギリスの大手通信事業者であるBTグループも、ファーウェイ製品を基幹ネットワークに採用しない方針を表明した。カナダの捜査当局は、昨年12月、アメリカ政府の要請を受け、ファーウェイの孟晩舟副会長兼最高財務責任者を逮捕した。経済制裁を科しているイランに対し、違法に製品を輸出した疑いがあるためとされている。
5.日本国内でも19年後半から段階的に5Gの商用サービスが始まる見込みである。しかし本稿の執筆時点では、まだ5Gの免許の割り当ては決まっていない。日本で5Gが使えるのは、商用サービスが本格化する20年の東京オリンピックのころとされている。5G導入の遅れだけが問題ではない。本当の問題は、5Gの通信インフラ分野で日本が世界に後れを取っていることである。NECと富十通を合わせても、基地局ベンダーの売上高の世界シェアは2%に満たない。両社は、単独での5G機器の早期開発を断念した。
6.18年10月末にNECは韓国サムスン電子と、富十通はエリクソンと提携した。日本の通信機器メーカーは、単独での生き残りが難しくなっている。日本の携帯電話大手3社は、5Gを現行の4Gネットワークと連携して導入するため、仮に日本政府が中国企業排除の方針を打ち出すとすれば、大きな影響を受ける。後れは以上で述べたこと以外にもある。シヨックを受けたのは、5G時代のスマートフォンである。今年の2月25〜28日に、世界最大のモバイル展示会「MWC19バルセロナ」がスペインのバルセロナで開催された。そこでは、サムスン電子、ファーウェイ、中国OPPO、韓国LG電子などのメーカーが5G対応のスマートフォンを発表、展示した。
7.サムスン電子は折り畳みできる「Galaxy Fold」を発表し、ファーウェイも折り畳み型のスマートフォン「HUAWEI MATE X」を発表した。折り畳みスマートフォンの写真を見て、すぐにでも買いたいと思った。しかし、考えてみると5Gの通信回線がなければ使えない。5G後進国の日本では、当面の間は使えない高根の花である。人工知能(AI)やコンピューターサイエンスでの立ち後れといわれても、抽象的なので、あまりはっきりと分からない。しかし、スマートフォンのように目に見えるもので後れを示されると、ショックが大きい。
8.今、日本の自動車産業は強い。だから日本はものづくり大国なのだという。日本が弱いのはソフトウエアの分野であって、ハードウエアでは強いのだと、長らくいわれてきた。しかし、いまやスマートフォンでは、ハード面のものづくりでも、このような状況である。自動車も5Gの時代になり、さらに電気自動車(EV)の時代になれば、状況は大きく変わる。日本の自動市Tメーカーが、5G時代にも世界の中で現在のような地位を確保できるかどうかは分からない。
9.日本の半導体産業は、1980年代には世界のトップにあった。単に産業面で強かっただけでなく、関係学界も日本の学者が制覇した。コンピューターでもそうである。このころ日本の大型コンピューターは、IBMの水準に近付いた。ところが、今は上記のような状況である。日本の基礎開発力が落ちている。論文数では中国発が増加する半面で、日本発が減少している。大学のランキングでも日本の順位が落ちている。これは、給与にも表れている。「日本経済新聞」(18年12月23日)によれば、東京大学の教授の平均給与は17年度で約1200万円だが、カリフォルニア大学パークレー校の経済学部教授の平均給与は17年で約3900万円で、東大の3倍超である。中には6500万円を得た准教授もいる。アジアでも、香港の給与は日本の約2倍であり、シンガポールはさらに高いといわれる。
10.80年代から90年代にかけては、この逆の状態だった。日本の学者は、アメリカの大学から招聰されても、給与が大幅に下がるので、行きたがらなかった。このニュースであらためてショックを受けた。これでは、学者が日本に集まるはずはない。優秀な人材は海外に行く。日本の経済力が落ちるから、開発力が落ちる、開発力が落ちるから経済力が落ちるという悪循環に陥っている。
11.これは、科学技術政策とか学術政策に限定された問題ではない。日本経済全体の問題である。私がさらに驚くのは、ここまで落ち込んでしまった日本の現状に対して、日本国内での危機感が希薄なことである。本当は非常事態であるのに、大変だ。何とかしなければ」という声が聞こえてこない。これだけ遅れてしまった日本の技術力が回復する見通しが立たない。景気が悪化すれば、金融の追加緩和を求める声が上がる。金融緩和といって、何ができるのか? マイナス金利をさらに進めても、金融機関の収益が悪化するだけである。若者の無気力、内向き、引きこもりも限度を超えている。管理職になると責任が重くなるので、なりたがらない人が増えているという。目指せ窓際族という言葉さえ聞える。
12.この4〜5月には、日本は10連休になるのだという。世界中が働いているのに、日本人だけは仕事をせずに、遊ぽうというのである。その間にも、日本と世界の差は開いてしまう。日本の社会システムは、どうしようもなく緩んでしまった。


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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
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