2019年05月15日

都市の昇温についてはよく知られているが、都市化によって乾燥化も起こっている。都市化率が大きいほど相対湿度が小さくなる。


「木本昌秀(東京大学教授)著:気温が上がり乾燥化する都会、都市化と気象のメカニズム、週刊ダイヤモンド、2019.04.13」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.キャンパスのある干葉県柏市は、東京から北東へ30kmほど、40万を超える人口を抱える都会のはずだが、公園を隣に控えるのどかなキャンパス環境のせいもあって、東京から来る柏は寒いという感想を言う客は少なくない。寒い冬の朝にはしばしば池に氷が張る。これから陽気がよくなって日中の最高気温が25℃を超える「夏日」が増えてくると、都市と郊外の気温差「ヒートアイランド」も話題になることが多くなる。
2.昨年のデータだが、墓兄・北の丸と柏に一番近いアメダス自動観測点である千葉県我孫子市の気温を比べてみたら、日中の最高気温もさることながら、夜間から朝方の気温差が大きい。
3.ヒートアイランドという用語は、都市部が周囲より暖かく、気温の等値線が島のような形になることからきている。都市化の昇温効果の数値シミュレーション結果の現象は大都市の英ロンドンでは1世紀にすでに知られていた。
4.ヒートアイランドは、土や植生など保水性のよい自然の陸面環境がアスファルトやコンクリートなどの人工被覆に代わることで.地面と直上の空気が暖まりやすくなること、そして、人間活動に伴う人工排熱が直接空気を暖めることで起こる。人工排熱の大きさを、地.面から大気への熱の流れで測ると、最大で真夏の日中の日射景の10%にも及ぶ。
5.ヒートアイランド現象を詳細に調べると、都市と周囲の気温差は、日中より夜間のほうが大である。日中は暖められた地表近くの空気が軽くなって上昇し、上空の少し冷たい空気とよく混合するが、地而からの放射冷却で地表の気温が下がる夜聞には、上空の大気との密度の差が小さくなり、上空との混合が抑えられる。季節的にも、上空との混合が大きい夏よりも冬の方が、都市と郊外の気温差は大きい。
6.ここでいう「上空」とは高度1km程度までを指しており、「大気境界層」とか「混合層」と呼ばれている。欧米では、夏の猛暑時に「アーバン・ヒート・ドーム」という言葉が使われることがある。広範囲を覆う高気圧の下降気流が都市部を覆う熱盆を低い高度に保ち、晴れることで日射量も増えて都市に猛暑をもたらすイメージをよく表している。
7.世界有数の大都市、東京では近年100年間に平均気温が約3℃上昇している。この3.分の2は都市化の影響とみられる。同じ気温上昇率を、日本の都市化影響の小さい観測所および都市化影響のない日本近海で調べると、両者とも約1℃で、これは温室効果気体の増加に起因する地球全体の温暖化を示していると考えられる。
8.人工排熱やビルからの照り返しによって暑い目に遭う都会人には深刻だが、都市化の効果は、都市胴辺、高度最大1km(大気全質量の約1割)、そして晴れて風の穏やかな日でないと顕著に現れないので、地球全体の温暖化への寄与は限定的である。
9.昨年夏は記録的な猛暑で、7月23日には埼玉県熊谷市で国内観測史上最高の41・1℃を記録したが、数値シミュレーション等を参照すると、熊谷では都市化の効果は大きくなく、他の高温記録を見ても、気圧配置や気流等の自然変動が人きな原因で、これに地球温暖化によるかさ上げが加わって記録.史新が頻繁になっていると考えるべきである。
10.都市の昇温についてはよく知られているが、最近の調査によると、都市化によって乾燥化も起こっている。都市化率が大きいほど相対湿度が小さくなる傾向がある。気温の上昇に伴って空気中に含み得る最大の水蒸気量は増加するが、人工被覆の広がりや植生面積の減少等により、実際に空気に含まれる水蒸気の量にそれに見合うだけの増加がないため、相対湿度が下がっている。
11.劇的なのは、大.都市化での.霧日数の減少である。データをさかのぽると、東京では1930年代には年間40日程度霧が観測されていたが、近年は激減し、2007年以降の霧日数はわずかに3日である。札幌、名古屋、大.阪、福岡等、他の大都市にも類似の傾向が見られる。霧は、地面に達した雲、すなわち水蒸気が飽和して凝結した小さな水の粒でできている。気温の上昇と乾燥化によって.大都市では霧を観測することがまれになっている。
12.08年.夏以来、いわゆる「ゲリラ豪雨」という言葉がよく使われる。この年の7月28日には、兵庫県内の都賀川の親水公園で鉄砲水によって子供を含む5人の命が失われ、続く8月5日には東京都豊島.区で局地的な豪雨による増水によって下水道工事の作業員5人が亡くなった。
13.増水や冠水など都市部で被害が大きいこともあり、都市化の効果、すなわち昇温やそれに伴う気流の収来、上昇気流の強化等が局地的な豪雨の増加傾向に拍車をかけているのではないかと推察したくなるが、そもそも頻度の低い現象なので、学術的な証明はまだできていない。
14.近年、シミユレーションの精緻化によって、気温だけでなく局地的な豪雨の増強への都市影響も評価できるようになりつつある。緑化や保水性舗装、ドライミストなど、都市の暑さ対策も進んできているが、地下街の多い都市部では豪雨にも一層の注意が必要である。

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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
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