2019年05月16日

中国の習近平国家主席は、金融供給側の構造改革方針を打ち出した。現在の仕組みでは質の高い経済発展が難しいという認識がある。


「神宮健(野村総研)著:習近平構造改革の大方針、新金融システムの今後、週刊エコノミスト 2019.4.16」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1. 中国の習近平国家主席は2月下旬、共産党政治局の会議で、金融供給側の構造改革方針を打ち出した。背景には、現在の仕組みでは質の高い経済発展が難しいという認識がある。中国では、企業の主な資金調達ルートは、間接金融(銀行融資)である。株式発行などによる資金調達の比重は相対的に小さく、企業の負債比率が高くなる一因になっている。
2. 銀行の融資先は、主に国有大企業である。一方、咋年来、取り締まりが厳しくなったシャドーバンキング(影の銀行)でも、銀行が理財商品(資産管理商品)を販売して得た資金の多くは、最終的に不動産業界や地方政府に向かい、中小・零細企業、農村は資金調達難に陥っている。
3.この従来の金融モデルは、中国経済が、不動産やインフラ設備への巨額投資に代表されるような規模拡大を目指す局面では役立ったが、中国が経済発展において量より質を重視し、新興産業やサービス産業などの発展を目指す現在、単に大企業や地方政府に大量に融資する方法は有効でなくなりつつある。また、これまでは、銀行や地方政府による暗黙の元本保証を前提に、リスクにあまり注意を払わずに、融資・投資がなされる弊害も見られた。
4.こうした中、金融供給側の構造改革では、第一に、銀行体系がより多層的になり、幅広い範囲をカバーし、差別化された商品サービスを提供することを目指す。これまで、中小金融機関は同業者間で利ざやを稼ぐ取引がしばしば問題となり、小・零細企業や農村への金融サービスが不十分だった。改革方針は、すべての人々が金融サービスを利用できるようにする「金融包摂」の観点から、中小金融機関には地元経済に資するサービスを提供する「本業回帰」を求めている。第二に、資本市場の基礎的な制度を改善する。資不市場の役割を大きくして、直接金融の比率を引き上げることが目的である。
5.ハイテク銘柄に特化した新たな株式市場「科創板」の創設は、その一例である。リスクの高い新興企業の資金.調達を助け、イノベーション促進にもつながる。
6.資本市場が発達ずれば、従来は銀行の優良顧客だった大企業が株式・債券市場でより多く資金.調達できる。大銀行は債券引き受けなどの業務を行えるが、中小銀行などは、金.融包摂サービスにより注力せざるを得なくなることも考えられる。
7.銀行のサービス多様化や資本市場の多層化といった動きは、資金.調達者の事業内容・リスクに合った商品・サービスを提供することを意味する。今後、中国ではリスクの評価やその基礎となる情報開示がますます重要になり、ビッグデータを使った与信審査など、新技術の利用が進むことも予想される。
8.このように金.融供給側の構造改革には、従来の問題点を個々に解決するだけでなく、今後の中国の経済発展に見合った金.融システムに作り変えるという意図がある。今後は、この大方針に沿ってさまざまな政策が発表されることになる。


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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
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