2019年05月22日

多くの人は、がんができやすい体質と、心臓病、血管病になりやすい体質に分かれる。おおまかに言って、がんになる人はやせ型に多く、心臓病になる人は太めの人に多い。


「南和友著:解病-病気から解放される生き方、アチーブメント出版、2011年」の第2章知っておくべき病気はたったの5つ」は参考になる。の概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.日本人の死因の、約6割は「がん」「心臓病」「脳卒中」のいずれかに当てはまる。死因には自殺や事故なども含まれるので、病死だけでの割合を出せばもっと高くなる。病気のリスクや不安から解放されるためには、かかりやすい病気の種類、症状、リスクを把握した上で正しい生活習慣を送る必要がある。
2.病気を5つのカテゴリーに大別している。「脳」「血液」「がん」「代謝」「心臓」である。「血液」「代謝」「心臓」の病気は、一般に「生活習慣病」と呼ばれる。ほとんどの病気にストレスと食生活が大きく影響する。いまの生活だとどんな病気にかかるリスクが高いか、自分の生活に当てはめながら考そることが必要である
3.脳の病気は、大きく分けて2つで、1つは、脳の血管に異常が起きる。脳の血管が詰まって浮腫やこぶができる。これらは脳の中で出血をするケースで、脳の外側にある血管が出血する「くも膜下出血」で、脳の外側は「くも膜」という薄い膜で覆われていて、そこには毛細血管が通っている。その血管が破れると血液の塊ができてしまい、脳の神経を圧迫して、手足が動かない、目が見えないなどの症状を起こす。
4.毛細血管は自然に破れてしまう場合もあれば外的要因の場合もある。通常、頭を打って血管が破れると腫れて外側にこぶができるが、内側にできるとくも膜下出血になる。スキーに行ったときに転んで強く頭を打ったが、そのとき、とくに異常がなく1000kmくらい車を走らせて自宅へ帰り、3日ほどしてから急に頭痛がして、吐き気も止まらなくなった。CTスキャンを撮ったら大きなこぶ(血の塊)があった。手術によって一命をとりとめた。
5.大きな脳出血が起こると、脳の神経自体を摘出せざるを得ないので、後遺症が残ることも多い。手術ができないことも多く、脳が吸収するのを待つだけという場合もあり、吸収されないことがほとんどで身体が麻痺したり、言語障害が起きたりする。症状は出血した場所によって異なるが、前頭葉だと感情のコントロールできなくなる。くも膜下出血は、脳の外側から神経が押されているだけなので、こぶを摘出すれば正常に戻ることがほとんどだが、放っておくとその部位の脳の神経が委縮して回復できなくなる。
6.もう1つの脳の病気が「脳腫瘍」である。一言でいえば脳細胞のがん。通常、腫瘍は「良性」と「悪性」に分けられる。突然変異した細胞が増殖して大きくならず転移もしないのが「良性」、増殖して遠隔転移するのが「悪性」、すなわち「がん」である。これは細胞学的な観点からの「良性」「悪性」の分け方となるが、脳の場合、腫瘍が「良性」でも少し大きくなっただけで神経が侵され、身体が麻痺してしまうので、ほかの臓器では「良性」「悪性」と区別されても、脳ではすべて「悪性」と判断される。
7.脳の病気では、神経系の異常も脳のカテゴリーに入る。人間の神経は、脳から集まってきた神経の束が首の後ろ(延髄)を通り、背骨の中(脊柱管)を通って全身に行き渡っている。その神経にがんができたり、炎症を起こすことがある。神経に異常が起こって首を絞められたように細く、狭くなる「脊柱管狭窄症」と、下半身不随や手が動かないなどの症状が起きる。さまざまな理由があるが、多くは運動不足などで筋肉が硬化し、脊柱管が圧迫されてしまうことが原因である。お年寄りに多い病気だと思われが、若い人も安心はできない。多くの人が問題を抱えている末梢神経の病気がある。腰痛の主たる原因である「椎間板ヘルニア」という病気で、背骨は、脊椎という骨が連なって形成されているが、骨と骨のあいだには、椎間板という衝撃を吸収するクッションのようなものがある。それがずれてしまうのが椎間板ヘルニアである。
8.血液も病気にかかる。血液とリンパ液の違いは、身体には、血管とリンパ管のふたつがあり、血液は血管の中を、リンパ液は、場所によってリンパ管を通る場合と血管を通る場合がある。食べ物は腸で吸収されて、タンパクやアミノ酸、脂肪などに分解されて血液中に取り込まれるが、脂肪だけはリンパ管を通して流れていく。血管に入ってしまうと血液がどろどろになって流れないことがあるからである。しかし、動脈は、普通太くて流れが早いので脂肪でも詰まる心配がない。リンパ管は脂肪が流れにくい静脈部分に多く、あるところから血液とリンパ液が一緒に血管を流れるようになる。
9.血液には赤血球と白血球があり、リンパ液にはリンパ球がある。通常5千前後の白血球の数が、20万や30万まで極端に増えてしまうのが「白血病」で、白血球のがんと言える。現代では効果的な抗がん剤も出てきており、昔と違って治るものもある。赤血球にも、数が増えすぎる「多血症」という病気があり、血がどろどろと油のようになり、酸素が運べなくなるので息苦しくなったり、身体中の血管が詰まってしまう。白血病や多血病は、がんの原因がわからないように直接的な原因は解明されていない。遺伝子の関係で突然変異ができてしまうと思われる。
10.血管には動脈系と静脈系があります。左側の心臓から押し出された赤い血は動脈を通して脳、肝臓、腎臓、腸、手足といったすべての臓器に送られ、酸素や栄養分を供給する。その後、それらの臓器で使われた血液は老廃物と一緒に青黒い血として静脈を通って腎臓や肝臓で濾過されたあと右側の心臓に戻る。酸素の消費された血は肺に送られ、ふたたび酸素を取り入れて赤い血となったら、左側の心臓に戻っていく。もし、どろどろの血が血管を傷つけて血の塊(血栓)が動脈を詰まらせ臓器に血液が供給されなくなると、脳であれば「脳梗塞」、心臓の血管であれば「心筋梗塞」、腸であれば「腸梗塞」といった臓器が機能停止する重篤な状態に陥る。
11.静脈血栓とは、長い立ち仕事や、手術後などで数日間寝たきりになっていると静脈系の血管にも血栓ができやすくなる。水分不足などで血液がどろどろになっているとその危険性はさらに増す。足の深部の静脈系にできた血栓が、そのまま血中に流れると右の心臓を通過して肺の血管を詰まらせてしまう。大量の血栓が両側の肺に詰まれば血液は左側に行かず、脳などの臓器に血が流れなくなる。ある程度は流れていても酸素化されなくなり、意識がなくなったり、心臓も止まってしまうのが「肺梗塞(=肺血栓塞栓症)」と言われる死亡率の高い病気である。エコノミー症候群もその例であり、水分を補給したり、同じ姿勢で寝たり座るのを避けることである。
12.「肺梗塞」は脳梗塞や心筋梗塞のようにそれほど頻繁に起こらない。年に6千人の患者を手術している病院でも年間4・5人の患者を治療するくらいの頻度である。最近、1ヵ月間で3人の肺梗塞患者を経験することになり、うち1人はCTを撮ったところ血栓は肺の血管をほとんど塞いでいて心臓はいつ止まってもおかしくない状態にあった。緊急手術をして肺動脈に詰まった手のひらいっぱいにもなる血栓を取り出し、さいわい、その患者は3週間ほどで無事退院した。肺梗塞は突然発症する。日常生活こなんら支障がなくても、足にできた血栓が重篤な状態を引き起こす可能性がある。
13.がんは日本人の死因で1番である。すべての臓器にできる可能性があり、注意するにもしきれない。どれだけ健康に気をつけていても、骨にがんができることもあり、煙草をやめても肺ガンのリスクはある程度抑えられるかもしれませんが、骨がんは対処のしようがない。多くの人は、がんができやすい体質と、心臓病、血管病になりやすい体質に分かれる。おおまかに言って、がんになる人はやせ型に多く、心臓病になる人は太めの人に多い。がんの理由として、ウイルスや菌に感染して発症するケースもある。胃がピロリ菌に侵されると、壊れた細胞を再生しようとする過程で突然変異した細胞ががんになることもある。基本的に、がんは細胞の突然変異のため防ぎようがないが、子宮頸がんの場合はワクチンの接種で防ぐことができる。腫瘍が良性であれば、脳以外の臓器では手術をしない場合もあると説明したが、突然悪性に変わることもあるので経過観察が必要である。突然変異の病気だが、家系の例に見られるように偏った食生活や嗜好性でがんになりやすい体質がつくられる。濃い味付けばかり好んでいないか、最低限の予防策として食生活の見直しをしてみる。がんに対するストレスの関与は科学的に完全には立証されていない。なんらかの関連性があることは想像に難くない。ストレスがかかるとアドレナリンが分泌されて血圧を高め、臓器を構成している血管が緊張して血液の流れが悪くなり、血液が十分に行き届かなくなると細胞が壊れる頻度が高まり、その分、壊れた細胞を修復しようとする頻度も高まる。突然変異は細胞が再生する過程で起こるため、がんのリスクも高まる。
14.新陳代謝が悪くなると、さまざまな病気にかかる。コレステロールには、「善玉」と「悪玉」があり、悪玉コレステロールが多いと血管の壁(動脈壁)が硬くなったり詰まってきて「動脈硬化」が進行する。それを軽減するのが善玉コレステロールである。一般的に善玉1に対して悪玉2の割合であればバランスが取れていると言われる。もし悪玉が150と高くても、善玉が75あれば問題ない。ただし、善玉は多くても70から80程度だから、悪玉が150以上だとカバーしきれなくなる。かつて悪玉が増えて引き起こされた病気は、高脂血症とか高コレステロール血症と言われていたが、善玉とのバランスが原因なので「脂質代謝異常」と呼ばれるようになった。
15.糖分も代謝系の病気に大きくかかわる。脂質と糖分はどちらもエネルギーになるが、大きな違いがある。脂質は細胞膜や血管の壁、つまりタンパクをつくるために必要でエネルギーとしてはゆっくり消費されます。糖分は身体が瞬発力を発揮するときに使われる。マラソン選手は持久力をつけるために糖分ではなく脂質を摂る。
16.「上の血圧」と「下の血圧」という言い方をする。上の血圧とは、心臓がぎゅっと縮まって、血液を押し出す圧のことで収縮期圧と言う。下の血圧は、心臓が拡張して血液を肺や全身から取り込んでいるときの圧である。これを拡張期圧と言う。血管がゴム管のように柔らかければ、上下の差が大きくなる。差が少ないほど血管が硬いということで、40ほどの差が適当である。弁がなんらかの異常で閉まらなくなると、押し出された血液が心臓へ逆流するので下の血圧は低くなる。映画などでよく女性が怖いものやぞっとするものを見たときに卒倒するシーンがあるが、これは血管が開いたときに血圧が下がり過ぎて、脳に血液がいかなくなることが原因である。普通は驚いたとき、自律神経が血管をきゅっと締めて、さらに心臓の鼓動を早めるので血圧は上がるが、上がり過ぎた血圧を戻さなくてはいけないので、今度は血管をぱっと開く。このときバランスが崩れると開き過ぎてしまう。
17.心臓の病気には、先天性のものと、後天性のものがある。先天性のなかにも何十種類という病気が存在するが、ほとんどは心臓の形が正常ではないことが原因である。後天的な心臓の病気で最も多かったのは弁の異常によるものだったが、いまでは心筋梗塞である。心臓の周りには冠状動脈という血管が巡っていて、心臓に酸素や栄養分を送っている。この血管が詰まって血が通らなくなると心筋梗塞が起こる。3分の1はその場で亡くなる恐ろしい病気である。心筋梗塞は、必ずしも急に起こるわけではない。徐々に進行していく人もいる。急性の心筋梗塞は、運動や仕事をしたときに胸が痛くなるなどといった比較的軽い症状から、ある日突然起こってしまうが、自覚症状がないうちに心筋梗塞が起きているケースもある。冠状動脈には大きく分けて3本の血管があり、1本が徐々に詰まってしまっても残りの2本でカバーする。酸素の届かなくなった場所には、ほかの動脈からも応援が来る。じわじわと手が伸びてくるようなイメージである。血管が新しく増えるというよりも、それまで使われていなかった血管が開いて使われるようになる。
18.心臓の手術が必要な人のうち、10〜15パーセントが「大血管疾患」である。梅干しや味噌汁、漬け物、醤油など、日本食では塩分を多く摂るので、腎臓でアルドステロンというホルモンが過剰に出てしまい、酵素の一種(レニン)が、血圧を上昇させる物質(アンギオテンシン)をつくり、高血圧になってしまう。塩分の過剰摂取には注意が必要である。心臓病で、手術が可能な場合には、ほとんどの人が治る。手術ができない患者は、一般的に高齢者(90歳以上)や高度石灰化を伴う動脈硬化症のある人で、手術しなければ50パーセントの確率でなくなる。



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健康 
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工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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・一般:火曜日、水曜日



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